意外な激戦区
あまり美食のイメージがないかもしれない。武蔵小杉は近年、ニョキニョキとマンションが建ち続けるホットな街。
東急線沿線とあって、「住みたい街」としても名を馳せ、舌の肥えたマダムがランチに厳しい視線を向ける。
これまたちょっとセレブな舌を持った、沿線の大学生も訪れる立地。イタリアンの店は意外と多い。
この記事では大衆志向のバルから、ゆったり食事を楽しめる本格イタリアンまで17店を厳選してご紹介。
①イタリアン酒場「ナチュラ」 武蔵小杉店
魚介がうまい!カジュアルバー
武蔵小杉駅から徒歩1分、イトーヨーカドー前の通りにある。地元では超有名な人気店、「ナチュラ」。店の前にはいつも行列ができている。
定番メニューのカルパッチョは外せない。その日仕入れた天然食材が提供される。天然鯛・サワラ・炙り北海たこの日もあれば、天然鯛・サワラ・炙り北海たこのカルパッチョが出る日もある。この魚介が新鮮でぷりぷり、何度でも食べたい逸品。
見た目のインパクト大の「しらすたっぷりペペロンチーノ」。しらすを目の前で盛り付ける。どっさどっさと盛られたしらすは皿から溢れんばかりだ。
2時間飲み放題付きの「パーティーコース」は4600円。メニューの例は鮮魚のカルパッチョ3種盛り、いろいろ野菜のバーニャカウダ、ガーリックトースト、本日の前菜、アクアパッツァ、肉の盛り合わせ、本日のパスタなど。
地元民が陽気に飲み明かす楽しいイタリアン酒場。
②ダ・ボッチャーノ グランツリー武蔵小杉店
瀬戸内イタリアン
グランツリー武蔵小杉は2014年にオープンした複合商業施設だ。武蔵小杉駅南口から徒歩3分と立地もよく、近隣住民が多く集まる施設だ。
そのグランツリーの地上階に、ピッツァが自慢のイタリアン「ダ・ボッチャーノ」はある。四国・愛媛の素材をふんだんに使ったイタリアン料理をリーズナブルな価格で楽しめる。
総料理長の有光氏は、ナポリの町中にあるピッツェリアが競い合うヴィア トリヴィナーリの大会でサポリ デル スッ ド部門で見事優勝を果たしている。本場イタリアでも認められたピッツァが味わえる。
ピッツァワールドカップで優勝を勝ち得たメモリアルなピッツァ、「カンピオーネ」。こんがり焼かれたピザ生地のうえに鮮やかなトマト。サイズも大きく、食べ応えも抜群だ。サラミとモッツァレラチーズの塩気がよく効いていて、ビールやワインにもバッチグー。
世界一の味を2000円ほどのお値段で。
③IL VENTO
ボリューム満点の本格イタリアン
武蔵小杉駅南口から元住吉方面へ350メートルほど、サライ通りの入り口付近にあるイタリアンレストラン、「IL VENTO」。ヴェントはイタリア語で「風」を意味する。
「たっぷりトマトのブルスケッタ」などの豊富な前菜と、 ボリューム満点「当店自慢のペスカトーレ」など満足感ピカイチの本格イタリア料理を提供する。木目調で落ち着きある店内は、あたたかみある雰囲気で肩肘張らずに食事を楽しめる。
平日ランチタイムはサラダ、パン、ドリンクがついたパスタセットが1000円とお得だ。オススメは揚げ茄子とほうれん草のトマトクリーム。茹で加減、ソースの絡まり加減、ともに絶妙。プラス300円でドルチェをつけられる。
トマトリゾットも絶品だ。3人でもシェアできるほどたっぷりのボリュームに、贅沢なぶつ切りベーコンが散らされている。高コスパでお腹いっぱいに。
④トラットリア テキサス
ニューヨークスタイルのイタリアン!?
イタリアンだけど「テキサス」!海を渡って北米で独自の発達を遂げた先進のスタイルを取り入れた料理が楽しめる。
人気のバックリブはアバラ骨の上側(背中側)を焼いた豪快な料理。よくあるスペアリブ(アバラ骨の下側お腹側)とは逆側の部位だ。スペアリブに比べ脂肪が少なく、さっぱり柔らかい肉だ。イタリアンでは比類ないようなガッツリミートをみんなでシェア!
タパスも豊富で楽しみ方いろいろ。オリーブのマリネやハラペーニョのピクルスなど、食材の味を活かした漬け料理、スパイスが効いた辛味など、どれもお酒との相性バッチリ。生ハムやナポリサラミ、ミートローフなどのハラペーニョなど、ひとくせある料理も。
東急線南口から徒歩2分の立地もうれしい。
ディナー
[月曜-木曜]17:00-翌1:00
[金曜・土曜]17:00-翌4:00
[日曜]17:00-24:00
⑤AZZURO
イタリア家庭の味
法政通り商店街からのご紹介。「イタリア家庭料理アズーロ」は法政大学第二中・高のそばにある。「家庭の味」をコンセプトとしており、本場志向・リラクシングなメニューが揃っている。
葡萄牛のランプ。赤みがきれいに残った絶妙な焼き加減。やわらかく心地よいかみごたえ。ランプはしつこくなく、肉の旨みを噛むほど味わえる。ソースも美味。
3時間飲み放題つきのコースもある。ジューシーな若鶏のモモ肉を豪快に使ったコースが人気。イタリアンとしてはあまりイメージがない鶏肉を生かしたメニューは家庭派のアズーロならでは。ワインに合う前菜3品、ピッツァ、AZZURRO自慢のパスタ、若鶏の料理、ドルチェが楽しめて4800円。
[火曜-日曜]11:30-14:30(L.O.14:00)
ディナー
[火曜-金曜]17:30-23:00(L.O.22:00)
[土曜・日曜・祝日] 17:30-22:30(L.O.21:30)
⑥アスト
街角パスタ
アストは武蔵小杉サライ通りに店をかまえるイタリアンレストラン。マスターは川崎市中原区の出身と地元密着型のお店だ。
武蔵小杉駅から徒歩5分、イタリアの田舎町の料理店のような鮮やかな外装。中にはサッカーのパネルや写真や帽子、ユニホームが飾ってある。サッカー好きのマスターの趣味だろうか。
「アサリと信州野菜のペペロンチーノ」。細目の麺に、アサリ出汁の利いたジャパニーズフレンドリーな一品。型に捉われない創作的なパスタだ。具は殻付のアサリのほか、ブロッコリー、ミニトマト、舞茸、しめじ、鷹の爪。スープはニンニク控えめで、飽きのこないあっさりした味。
ランチメニューは1000円からとお得。コース2000円のランチも人気だ。
[土曜・日曜・祝日]11:00-14:00、17:30-22:00(LO)
⑦ビストロランタン
こだわりのドライエイジングビーフ
武蔵小杉駅北口から徒歩1分、小杉ビルディングの地下1階にある。
「肉ビストロ」の異名をとる肉マニア必食のイタリアンだ。熟成肉のステーキをメインとした50種類以上の豊富なメニュー、30種類以上のワインを用意。
ランチは1000円程度で大満足の肉・魚を楽しめる。
熟成和牛肉のハヤシライス。看板メニューの熟成肉をふんだんに使用した一品だ。あの小杉フードフェスティバルでも大好評だったあの味をお店で。
なんとビストロながら、海鮮丼も楽しめる。豊洲市場直送食材で作った「海鮮びっくり丼」は、バラチラシのように様々なネタをふんだんに盛られたボリューミーな逸品。800円でこのクオリティは企業努力!
さあ、メインの熟成肉ステーキはいかに。100グラムから注文でき女性や子供、おつまみとしてのオーダーも歓迎。レアな焼き加減。ドライエイジングビーフの強みは、凝縮された旨みだ。付け合わせのポテトもたっぷり、美味。
[ランチ]11:30-14:00
[ディナー]14:00-24:00
[テイクアウト]11:30-24:00
⑧Good spoon
カジュアルチーズイタリアン
新丸子駅エリアからのご紹介。
関西発のチーズ料理専門店として、各所で話題を集めているグッドスプーン。店内はロサンゼルスの緑と木々が溢れるカフェを再現しており、ラフなスタイルで楽しめるレストランだ。
島根の牧場から毎朝届く、限りなく生乳に近い牛乳でつくるフレッシュチーズは全部で5種類ある。選び抜かれた牛乳で職人が作る出来たてのチーズは濃厚かつミルキー。
鮮度が命の二種類のチーズを使用したチーズの王様「ブッラータチーズ」。店内併設のグッドスプーンチーズはすべて手作りだ。世界初となる「ブラックブッラータチーズ」も、ぜひ味わってみて。
⑨Caliner
掘りごたつで絶品イタリアン
リーズナブルな価格設定、肩肘張らないアットホームな雰囲気ながら、シェフは世界料理五輪日本代表選抜コンクール準優勝という輝かしい経歴を持つ。
武蔵小杉駅から少し歩いた裏路地にある隠れ家的ビストロ、「カリネ」。きれいでスタイリッシュな装いが女性にも人気のお店だ。
ランチメニューはいずれも1000円程度でがっつりいただけるメニューが揃う。中でもカレーに人気が集まっている。本気度を感じられる、じっくり煮込まれたビーフカレー。苦めでコク深く、大人好みの味。具材が溶け出してドロドロのルーはまさにビストロならではのバランス感覚。肉の味がしっかり引き出された主役級の逸品。
ディナーは「フォアグラとオマール海老を堪能できるシェフのおすすめコース」をぜひ。冷前菜、フォアグラのソテー、パスタ、オマール海老のロースト、肉料理、デザート、コーヒーor紅茶といった内容。シェフの心意気と良質な素材が響き合う。
18:00-23:00(L.O22:00)
⑩さんぐり家
自家製サングリア
サングリアは、スペインやポルトガルでよく飲まれているフレーバードワインの一種。赤ワインにスライスした果物と甘味料を入れ、ブランデーあるいはスパイス(シナモンなど)で風味をつけ、一晩寝かす。
さんぐり家では「シナモン香るサングリア」や、「ちょっと黒酢ハチミツサングリア」などのオリジナルサングリアが10種楽しめる。
チキンのトマト煮込み鍋コースは、前菜2種盛り合わせ、彩り野菜のサラダ、マルゲリータピッツァ、ラザニア、メインの柔らか若鶏のトマト煮込み、デザートが楽しめるうえ、好きなドリンク1杯サービス。
小回りの効くイタリアンのタパスをつまみながら、いろんなドリンクでワイワイ飲める。
【日曜・祝日】17:00-23:15
⑫コブ
こだわりピザが自慢
武蔵小杉駅からおよそ5分、府中街道沿い法政通り商店街にあるアットホームなイタリアン。
イタリアンの看板を掲げているが、近くにある系列店「元気厨房力こぶ」と同様のメニューを提供する。加えて「コブ」ではピザやアヒージョのメニューも楽しめる。
お店ではオリジナルのピザ窯で、パチパチとピザを焼いている。窯がカウンターを向いており、ピザの焼き上がる様子を眺められる。青いタイルがオシャレな薪窯もお店のお手製。高温で焼く人気のもちもちピザだけではなく、旬の素材を使った窯焼きメニューも豊富で、ちょい飲みにもぴったりだ。
KOBUのピザは粉から生地を作って練り上げている。
マルゲリータなどの定番メニューから、旬の食材を使用した季節限定ピザなど、毎日店長が日替わりメニューを提供する。
⑫ビストロ1028
もちもち生パスタ
可愛らしいコックのイラストが看板でお出迎えする、「ビストロ1028」。1028は「テツヤ」と読む。
自家製パンツェッタのカルボナーラは絶品。もっちり平打ち麺が魅力だ。クリームソースが超濃厚、それがパスタに十二分に絡んでおり、ソースのコクが口いっぱいに広がる。
そして麺はモッチモチ。生パスタならではの食感が嬉しい
パンツェッタが濃厚ソースの香りを引き締める。
お酒好きな女性はこれ。女子会限定、3480円の「テツヤ女子会コース」がおすすめ。料理8品、2.5時間飲み放題つきでこのお値段。
[土曜、祝日]16:00-23:30(L.O.22:00)
⑬ブラッスリー ムー
直輸入ワインとベルギービール
ご紹介するのはイタリアンバルの「ブラッスリームー」。
ブラッスリーってなんだ。フランス語である。飲食店の業態のひとつで、ビアホールのように酒と食事を提供する店をさす。日本風にいえば「居酒屋」、「小料理屋」といったところか。ビストロよりも手軽な飲食店だとされる。
「ムー」ってなんだ。MUHはM USASHIKOSUGI=武蔵小杉の、U NDER RAILWAY VIADUCT=高架下の、H IVE=活気のある場所、だそう。
直輸入ワインとベルギービールを中心に多様なビストロ料理を提供する。豊富なワインは30種、フランスのアルザス・ボルドー、スペインなどからの直輸入品などを常時用意。ベルギービールは直輸入の樽生10種、ボトルも数多く準備している。
料理は肉が強み。「肉3種グリル」2600円。三元豚と牛ハラミと鶏もも肉の盛り合わせ。ボリュームたっぷりで脂ものっている。シェアしながら乾杯。
[水木]17時-24時
[金]17時-翌3時
[土]11時半-24時
[日祝]11時半-23時
⑭武蔵小杉ガーデンフォーム
とろ〜り チーズの時間ですよ
武蔵小杉駅南口から徒歩1分、肉とチーズをメインとするイタリアンが「武蔵小杉ガーデンファーム」だ。
ランチはドリンク&スープバーが付いている。
チーズソースと野菜と薄切りのフランスパンがセットになっている。チーズソースは数種類の用意があるが、おすすめはバジル。バジルの香りと野菜の甘みが混ざり合っていい感じ。
「黒トリュフ風味 石焼濃厚ラクレットリゾット」。ラクレットはとろとろチーズのかかったものが熱々の鉄皿で出てくる。
リゾットはチーズクリームのような甘みと酸味で、ベーコン入り。そこへ花畑牧場の濃厚なラクレットチーズと、黒トリュフの粉を絡めて食べると深い味わい。
肉もセールスポイント。ラクレットチーズをかけて食べるサーロインステーキが人気だ。チーズを目の前でかけてもらうのでインパクト大。
貸し切りもできるのでパーティーにも。
ディナー 17:00-23:30(フードL.O 22:30/ドリンクL.O 23:00)
⑮ピッツェリア カノア
ピッツァ、パン、ワインにもこだわり
新鮮で旬な食材をシェフ自らが厳選して市場から仕入れる。オーダー頂いてから調理。ゆったりと好きなワインや飲み物を片手にくつろげる名店だ。
ピッツァはナポリの薪窯で焼き上げる本格派。本場イタリアの小麦を使い、その日の気候に合わせて配合を調整する。
すべてのピッツァには水牛のモッツァレラが使用されており、リッチでミルキーな味わい。
夜は「カノアのオススメコース」が人気。自家製パン、イタリア パルマ産骨付きプロシュート、ポタージュ、岩中豚の自家製ソーセージ、特選鮮魚のカルパッチョ、特選魚介料理、薪窯焼き ナポリピッツァ、本日のオススメパスタ、パンナコッタ マチェドニア風といった内容で、2時間飲み放題つき4000円。
Dinner 18:00-22:00(L.O)
⑯アンブレラ
魚介中心イタリアン
駅から徒歩3分、落ち着いた雰囲気のワインバー。
アンブレラの野菜は神奈川県の藤沢や横浜港北区の有機・無農薬野菜が中心。農家としっかり向き合い、おいしく安心できる食材にこだわる。市場には出ない珍しい野菜やハーブなども数多く揃えている。
日本全国から取り寄せる様々な肉、近郊の魚市場を中心に集めた魚介類。四季を感じられる料理を楽しめる。
初訪問の人はサラダに驚くだろう。白いパレットに、絵の具を並べたように小さな野菜が並べられている。芸術のような鮮やかさ。これぞフォトジェニック。
ディナー 17:30-22:30(CLOSE)
⑰クレフ 武蔵小杉
一流の味を気軽に
「リストランテ濱崎」、「アロマフレスカ」などのミシュラン一つ星レストランで経験を積んだ小板橋範行が料理長を務める。
店内はオレンジのアクセントが効いていたり、カウンターのテーブル側面にビー玉があしらわれていたり、アーティスティックで雰囲気抜群。ウェイターのホスピタリティもホテルマンのよう。
コース料理は各品で季節の移ろいを表現した、見た目にも美しい華やかさ。ホタテ貝とガルム風味のチャンボッタ トマトのクーリー添え、鮮魚のヴァポーレ、枝豆とそら豆のズッペッタ添え、豆腐と赤味噌のソース、森林鶏と揚げ茄子のラグー、全粒粉のキタッラ スパイスの香り、マグレカナール(鴨肉)のロースト、アメリカンチェリーのコンポート ピスタチオのジェラート添え。
ソムリエが選ぶ200種のワインと一緒に、カラフルで気の利いたディナーを武蔵小杉で。
[金曜]18:00-24:00 (L.O. 22:00)
[土曜]17:00-24:00 (L.O.22:00)