池袋のおすすめ喫茶店 8選　異次元の和み空間で身も心も癒される

ようこそ、池袋のイニシエ空間へ

池袋の人混みから離れて一息つきたいと思ったら、おしゃれなカフェもいいけれど、ちょっと趣向を変えて喫茶店はいかが？ こだわりのコーヒーさながらに奥深い味わいが、身も心もじっくりと癒してくれるはず。池袋にある名店喫茶の扉を開けて、日常の隙間にひっそりとたたずむイニシエ空間へと迷い込もう。

池袋のおすすめ喫茶店 8選（目次）

① 皇琲亭（コーヒーテイ）

雰囲気抜群、池袋きっての老舗

1983年の創業以来、池袋のコーヒー好きから厚い支持を得る名店中の名店。使い古されたアンティーク調の椅子やテーブル、カウンター間接照明から漏れる温かな光。老舗の風格を感じさせる落ち着きにじっくりと身を沈めて自慢のコーヒーを楽しみたい。スタッフの手に余裕があるときは、カウンター並んだコーヒーカップの中から希望のものを選ぶこともできるとのこと。

カクテルグラスに注いだドリップエキスを生クリームとともに味わう「アンブル ドゥ レーヌ（琥珀の女王）」やブランデーの放つ青い光が幻想的な「カフェロワイヤル」など、映画の世界のような特別感あふれるコーヒーの味覚も。あわせてケーキ類も好評で、ほっくりとした味わいのモンブランや濃厚まろやかなチーズケーキなどが不動の人気だ。

老舗というと入りづらく感じるかもしれないが心配はいらない。古きよき東京の喫茶店文化を気軽に楽しみたい人にはもってこいのお店だ。

② 本格珈琲 昭和

こんがりトーストは種類いろいろ

西口公園近くの道にぽっかりと開いた昭和ワールドへの入口。細い階段を地下へ降りていくとシックな飴色の空間が広がっている。機械ではなく職人が手ぶりで焙煎するコーヒーはキレがあって奥深い味わい。苦味のある「昭和ブレンド」とマイルドな「平成ブレンド」の2種を軸に、さまざまなコーヒーを用意している。

それ以外にも紅茶やフルーツジュース、フロートなどのドリンクメニュー、そして軽食の充実ぶりもこの店の魅了。とくにサクサクとふわふわの黄金コントラストを楽しめるトースト類はファンが多い。厚切りのハムステーキサンドや肉の旨みたっぷりのハンバーグサンド、クリーム添えのアーモンドトーストなど、軽めのランチやデザートとして、ほどよく小腹を満たしてくれる。

懐かし風情のかためプリン、ブルーや緑のクリームソーダなど、レトロメニューはほかにもたくさん。池袋の喧騒に疲れたら、昭和の薫るイニシエ空間でホッと一息。

③ セントポールの隣り

コスパごはんを食べるならここ！

「セントポール」とは立教大学のことで、その名のとおり立教大学のすぐ横にある限りなく食堂に近い喫茶店。同大学出身のマスターが、「後輩たちに安くて美味しいものを食べてほしい」と1978年にオープンしたお店で、アルバイトも代々、立教大学の学生がつとめている。

マスターの優しい気持ちを体現して、ボリュームたっぷりのお肉メニューがセットで高くても850円。温玉のせハンバーグ、シュラスコ風チキンソテーなどある中で「白いカツ丼」はぜひ一度食べてほしい。揚げ立てのジューシーなチキンカツに玉子のまろやかさとキムチの辛みがあいまって食欲をそそる。食後はプラス120円でコーヒーや紅茶をつけられるので、気取らない店内でゆっくりと過ごしてみては。

立教大学の学生にとってはマイホームのようなお店だが、もちろん一般のお客さんも大歓迎。終日お得なセットメニューをいただけるので、昼でも夜でも気軽に来店を。

④ ル・ポワール

買物帰りのごほうびタイム

東武百貨店5階にあるル・ポワールといえば、池袋のホットケーキツアーで欠かせないお店だ。厚焼き2段のカステラ風ホットケーキは、ふわふわの食感と卵が香る優しい味わいが魅力。たっぷり染みたメープルシロップと濃厚なバターの塩気が溶け合ってフォークが止まらない美味しさだ。

ほかにもクリームいっぱいのワッフルやバナナてんこもりのチョコレートパフェなど、甘党にはたまらないスイーツ天国。くわえてナポリタンやホットドッグ、ピザトーストなど、昔ながらのフードメニューもあるので、買い物途中のランチにもぴったりだ。

ちょっとレトロな店内は自然光が差し込んで明るい雰囲気。子どもの頃、お母さんとデパートに出かけた懐かしい思い出がよみがえってきそう。

⑤ 珈琲亭　蚤の市

地域の人々が集い、語らう場所

池袋東口から徒歩9分。界隈に住む常連客から喫茶店巡りを趣味とする若者まで、さまざまな人が訪れる人気店。ガラス窓から見える温かみのある店内はいかにも居心地がよさそう。吸い込まれるようにいざ来店。

年季入りの椅子に腰かけたとたん気分がくつろぐ。メニューに目をやるとおなじみの喫茶店メニューがずらり。まろやかな口当たりの後をコクと酸味が追いかけるブレンドをはじめ、エスプレッソやアイスコーヒー、紅茶やジュースの種類も多い。芳醇な風味のウイスキーティーや体の芯まで温まるホット・レモンもおすすめだ。

これらのドリンクと、トーストやサンドイッチが800円程度でセットになる。玉子サンドにはさまれるのは薄焼き玉子で、注文後にジャーッと焼かれる軽快な音からすでにご馳走。マスターと常連さんの軽快なおしゃべりを聞いていると、地域のコミュニティとして機能していることを実感する。

⑥ Dream Coffee（ドリームコーヒー）

昭和から変わらぬゆるやかな空気

池袋駅西口から徒歩7分。「池袋の主」と表現する人もいるこちらのお店は1973年創業の老舗だ。以前は煙草の煙がもくもくと店内にただよう様子が象徴的だったが、喫煙禁止となった今はすっかり景色がクリアになった。

愛煙家の常連にとってはさみしい現状にちがいないが、それでもなお定期的に通いたくなる独特の魅力があるのだという。ねらったわけではない、創業から自然とはぐくまれてきたレトロ感はなんともホッとする雰囲気。都会ではなかなか味わえない心地よいゆるやかさがクセになるのかも。

素朴な味わいのチーズケーキ、甘さが染み込むジャムトースト、こんがりトップの玉子トースト、変わらぬ味が訪れる人の心とお腹を優しく満たしてくれる。コーヒーも軽食も300円以下と庶民価格もあいかわらず。豆の販売もしているので隙間時間にふらっと足を運んでみたい。

⑦ 炭火焼珈琲　蔵

バランスのよい炭火焙煎コーヒーが自慢

「池袋の喫茶店といえば、蔵」そう答える人も少なくない、駅西口（北口）から徒歩2分の人気店。せわしない池袋の街中で独特の静けさを感じさせるたたずまいに目を惹かれる。

炭火で自家焙煎したブレンドコーヒーは、モカベースの粗びき豆を多く使用することで、濃厚ながらすっきりとした味わい。けれどモカが主張しすぎることもなく、甘みと旨みのバランスがとれて飲みやすい。また、暑い日にぴったりの「水出しアイスコーヒー」は、透明度99.9％のアルカリイオン水で半日をかけてじっくりと抽出。ワイングラスでいただく透き通った一杯は、豊かな風味と気品がただよう。

マンデリンやモカマタリをはじめ、高級品種も幅広く取り揃え。コーヒー通ご用達の専門店だが、コーヒーが不得意な人もオールウェルカムな優しい姿勢も好印象。ココアや紅茶、鎌倉チーズケーキなどのデザート類も手堅く美味しいので気兼ねなく訪ねてみて。

⑧ ファンシー小島屋

厚切りトーストに朝から感激！

池袋駅西口にある地下街、東武ホープセンターにある懐かし風情たっぷりの休憩処。昭和22年創業の小島屋乳業製菓株式会社が経営する喫茶店で、多くの古参ファンをもつ一方、最近はやりのレトロ萌えで若いお客さんも増殖中だ。

サンプルの並ぶショーケースは無条件に心躍らせるが、そのメニューは時代とともに増えてきた。オムライスやパスタ各種、ランチの定食など、ごはんものも充実していて腹ペコも大満足。デザートについてはさすが製菓の会社、パフェやケーキがそれぞれ種類豊富で思わず目移りしてしまう。あんみつやぜんざいなど和の甘味までそろって全方位に対応中だ。

さらに最近、若者にも熱視線を集めているのがドーンと分厚いボリュームトースト。高さ5センチほどのそれは食べ切れるかと不安になるが、バターの香りにうっとりしながら夢中でかぶりつくうちに気づけば完食してしまう。トーストやサンドイッチ、ホットサンドは7時半からのモーニングでお得に楽しめる。

日常にたたずむ喫茶店という非日常

喫茶店を舞台にした映画や小説はいろいろある。年季の入ったソファ、古ぼけた壁時計、寡黙なマスター、丁寧に淹れられたコーヒー、定位置に腰かける常連客……。現実と幻想が交差するような独特な時と空間が、作り手の創作意欲を刺激するのだろうか。そんな非日常への入口は、池袋然り、あらゆる街のふとした場所にひっそりと存在している。ちょっと疲れ気味だな、そんなふうに感じたら、異空間へとつながる扉を開いてみよう。あまりの居心地のよさに、日常へ戻ることを忘れないよう、気をつけて。