Uber Eats(ウーバーイーツ) 配達員の報酬(給料)の仕組みや時給相場、確定申告の基準は?

すっかり浸透した Uber Eats(ウーバーイーツ)は、仕事としても依然人気があります。自分のペースで気軽に働けることが魅力の配達パートナーですが、どのくらい報酬(給料)を得られるのでしょうか? 料金体系や “給料日”、時給相場から確定申告まで、わかりやすくご紹介します。

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の報酬はどのくらい?(目次)
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の報酬の仕組み
Uber Eats(ウーバーイーツ)報酬額の相場は?
Uber Eats(ウーバーイーツ) 報酬(給料)振込みの時期と方法
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の時給は1,300円?
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員が高収入を得る方法
Uber Eats(ウーバーイーツ) 配達パートナーは確定申告が必要?

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の報酬(給料)の仕組み

自転車とデリバリーのバッグ

Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーは、どのように収入を得ているのでしょうか。

配達パートナー(配達員)は、Uber Eats や飲食店に雇われるのではなく、個人事業主として契約します。このため、収入を得る仕組みは、給料制ではなく、報酬制です。

配送1件あたりの報酬額は、次の図のように計算されます。

報酬の仕組み

報酬の中身を具体的に見ていきましょう。

配送料とは

「配送料」とは、配達パートナーが得る報酬のベースとなる部分です。「基本金額」「配達調整金額」からなります。

 基本金額

基本料金は、配送料の基準となる金額です。

商品の受け取りにかかる時間と距離、また、受け取りや届け先が複数あるかどうかにより、算出されます。

配達調整金額

基本金額にくわえて、以下のようなときに追加で支払われる金額です。

  • 通常より交通状況が混雑している。
  • 通常より店舗での待ち時間が長い。
  • 通常より配達員の数が少なく、需要が高い。

ピックアップ時に料理ができていなくて待ち時間ができても、その分いくらかは支払われるので、ストレスが少なくなります。

青空とカード

インセンティブとは

インセンティブ(アプリ上ではプロモーションという)は、Uber Eats の配達員が得られる追加報酬のことです。

以下の3つの種類があります。

① ブースト

注文の多い時間や場所で配達をする場合に、「基本金額」が増額(1.1倍、1.4倍など)される仕組みです。

ブーストが発生する時間や場所は毎週変わり、配達パートナー自身が、アプリ上で確認できます。時間は、ランチタイムやディナータイム(11:00~14:00、18:00~21:00)がねらいめです。

② ピーク料金

「ブースト」と同じく、注文の多い時間帯やエリアに発生する追加報酬です。昼夜の食事どきや悪天候のときに、アプリ上でヒートマップがあらわれます。

ピーク料金は、発生しない都市もあります。

③ クエスト

配達件数に応じて、個々にもらえるインセンティブが「クエスト」です。

たとえば、「4回配達完了で400 円を獲得」「8回配達完了で1,000 円を獲得」などのクエストが存在します。期間は1日のこともあれば、週単位のこともあります。

クエストの内容や、発生するタイミングは、人により異なります。

なお、「ブースト」「クエスト」「ピーク料金」は、同時に発生した場合、併用が可能です。

サービス手数料とは

配送料の10%にあたる金額が、「サービス手数料」として、報酬から差し引かれます。

ちなみに、プロモーションやチップ(以下で説明)は、サービス料金の差し引き対象外となり、全額を配達員が受け取れます。

チップとは

Uber Eats のチップ選択画面
<注文側のチップ選択画面>

場合によって、チップをもらえることもあります。

タイミングは “注文者が渡したいとき”

悪天候だったり、ルートがわかりづらいなど、大変な配達をこなしたときに、注文者が感謝を示す手段として、チップを渡してくれることもあります。(アプリ上で、または現金で手渡しも可)

チップの金額は注文者の任意

チップの金額は、注文者がUber Eats のアプリ上で選択するか、希望する金額を設定することも可能です。

チップからはサービス料が差し引かれないので、全額が配達パートナーの収入になります。

Uber Eats(ウーバーイーツ)報酬額の相場は?

Uber Eats の配達1件あたりの報酬額は、350円~550円が相場のようです。

報酬額が変動する理由は、配達にかかる時間や距離、インセンティブ(追加報酬)の有無などが左右するためです。

報酬額は事前に確認できる

1件の配達でもらえる報酬額は、注文リクエストが届いた時点で確認できます。画像(下)のようにアプリ上で報酬額が表示されるからです。

なお、この金額はサービス手数料が引かれた後の確定金額なので、この金額は必ず受け取ることができます。

<画像元:Uber Eats>

配達場所や距離、時間もわかる

また、報酬額だけでなく、レストランの名前や届け先までの距離、配達にかかる時間も表示されます。

これらの情報をもとに、配達員はリクエストを受けるか否かを決定できます。(リクエストを無視しても、評価が下がることはありません)

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員 時給は1,300円?

時計と計算機

サラリーマンのようにお給料をもらうのとは違い、成果報酬を受け取る仕組みのUber Eats 配達員の仕事。その報酬を時給換算するとどのくらいなのでしょか?

配達パートナーの時給相場は?

Uber Eats の配達は、天候や注文の混み具合など、その時々の状況でこなせる件数が異なります。このため、時給換算は難しいことが実際です。

ただし、Uber Eats 公式の発表によると、東京の配達パートナーの平均的な売上は、1時間あたり 1,340円 (2022年10/24~11/14)となっています。
東京以外の地域では、この金額よりも低い可能性があります。

慣れれば時給アップが見込める

ウーバーイーツ配達員を始めたばかりであれば、1時間で2件こなすのがやっとかもしれません。

しかし、回数を重ねるうちに配達できる件数が増えるでしょう。

ベテランは効率的に高収入ゲット

複数の注文をかけ持ち(ダブルピック)して、効率的に報酬を得る人も少なくありません。

ベテランの配達員になると、時給2,000円以上の報酬を得られるケースもあるようです。

Uber Eats(ウーバーイーツ)報酬(給料)振込みの時期と方法

次に、Uber Eats 配達員が報酬を受け取る日、会社員でいうところの “給料日” について説明します。

Uber Eats の “給料日” は週に1回

Uber Eats(ウーバーイーツ)の報酬は、週払いです。つまり、週に1回、報酬が支払われます。

締め日は毎週月曜の午前4時です。その後、登録済みの金融機関に送金されます。

振込日は金融機関により異なる

着金(実際に口座に振り込まれる)がいつになるかは、金融機関により異なります。気になる人は、金融機関に問い合わせてみましょう。

海外からの送金ということもあり、国内よりは時間がかかる傾向にあるようです。

入金のスケジュール

Uber Eatsに「給料明細」はある?

業務委託の配達パートナーの仕事で「給与」は支払われないため、いわゆる「給料明細(給与明細)」はありません。

報酬の明細はダウンロード可能

獲得した報酬についての明細は、ドライバーアプリ上で確認できます。データーをダウンロードしてExcelなどで開くことも可能です。

データは消えてしまう可能性もゼロではないので、こまめにローカル保存しておくといいでしょう。年末の確定申告もスムーズにできます。

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員が高収入を得る方法

植木鉢とコイン

Uber Eats 配達パートナーの仕事で高収入を得るには、回数を重ねて慣れることのほかに、コツをつかんで効率的に働くこともポイントです。

いちばんの方法は、インセンティブを有効に使うこと。以下の5点を意識してみましょう。

(1) 土日をねらう

土日や祭日は、平日とくらべて注文数が大幅に増えます。また、インセンティブの発生率も高い傾向にあります。

平日が忙しい人も、土日の稼働で効率的に収入アップが期待できます。ただし、休養日がなくなって体をこわさないように気をつけてください。

(2) 昼食時、夕食時のピークタイムをねらう

11:00~14:00、18:00~21:00のランチおよびディナータイムは、注文数が多くなります。

インセンティブも発生して1件あたりの報酬が上がるほか、配達ごとにたまるポイントも追加付与されます。

(3) 雨の日をねらう

雨や雪など、天候の悪い日も、注文数やインセンティブが増えます

場所や時間帯によってはリクエストが途切れないこともあるでしょう。

ただし、急ぎすぎて商品を落としてしまったり、悪天候でのスマホや自転車の操作に難航することも。ふだんよりも一層、安全への配慮が求められます。

(4) 激戦区の朝をねらう

注文がたくさん入る激戦区にしぼることは王道の戦略です。

さらに、他の配達員が少ない朝の時間帯をねらうこともおすすめします。朝や午前中も、思いのほか多く注文が入るようです。(ただし十分な体力必要)

なお、東京でいうと激戦区は、新宿、池袋、赤坂、六本木などの繁華街のほか、月島、勝どき、晴海、田町、芝浦などのタワーマンションエリアも含みます。

(5) 店の近くで待機する

注文がよく入るお店の近くで待機するのは効率的です。ただし、店舗の目の前ではお客さんや通行人の妨げになり、店側に迷惑をかけてしまいます。

お店から少し離れた場所で待ちましょう。

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員は確定申告が必要?

確定申告のイメージ

最後に、確定申告についてお話しします。

くり返しになりますが、Uber Eats 配達パートナーは個人事業主です。そのため、Uber Eats で得た収入は、確定申告をする必要があります。

そもそも確定申告とは

仕事をして所得(収入から経費を引いた額)を得ている人は、所得税を納める義務があります。

納める金額は、前年の所得を国に申告することで計算されます。この申告が、「確定申告」です。

個人事業主は確定申告が必要

会社などに雇われている場合は、毎月のお給料から所得税が天引きされるので、自分で申告する必要はありません。

一方、個人事業主の場合は、年度末に「確定申告」をする必要があり、Uber Eats の配達員もここに含まれます。

基準を超えれば要確定申告

ただし、すべての配達パートナーが確定申告をしなくてはいけないわけではありません。

所得が一定額を超えた人のみ、確定申告が必要です。

Uber Eats 配達員の人で、確定申告が必要になるのは以下の場合です。

専業の場合 → 年間所得が48万円以上
副業の場合 → 年間所得が20万円以上

条件にあてはまる人は、必ず確定申告をおこないましょう。

確定申告をしないと、税務署から罰金や利息支払いなどのペナルティが科せられます。

「所得」=「収入」ではない

「所得」と「収入(売上)」はちがいます。「所得」とは、収入から必要経費を差し引いたものです。

・自転車やヘルメットの購入費
・スマホの通信費
・配達エリアまでの交通費
・レンタサイクル代

などの必要経費は、ふだんから把握しておくと、確定申告であわてずにすみます。

ちなみに、自転車をプライベートでも業務でも使う場合は、業務で使う割合のみを経費にする必要があります。

掛け持ちの場合は所得を合算

出前館やWolt など、他のデリバリーの配達員と掛け持ちしている場合は、すべての所得を合算します。デリバリー以外であっても、フリーの仕事をしていれば、それらの所得を合算します。

合算した金額が、上記の基準を超えるかをどうかを確認しましょう。

基準未満でも住民税の申請は必要

所得にかけられる税金は、「所得税」のほかに「住民税」があります。

住民税は、お住まいの区や市が、確定申告書などをもとに計算します。確定申告がされていないと、住民税の計算ができません。

このため、Uber Eats などの所得が20万円未満・40万円未満で確定申告をしなかった人は、住民税の申告が必要になります。

「事業所得」か「雑所得」か?

確定申告が必要な場合、「事業所得」または「雑所得」のどちらかで申告します。

配達パートナーを本業としている人は「事業所得」、副業の人は「雑所得」で申告するのが通常です。

疑問点は近隣の税務署へ相談

ただし、副業の場合でも、実働時間や事業の規模により「事業所得」になることがあります。

迷うときは管轄の税務署に直接問い合わせてみましょう。

節税対策なら青色申告がおすすめ

節税対策を考えるなら、「青色申告」がおすすめです。

「青色申告」は、確定申告の一つで、Uber Eats 配達員を含む個人事業主が申告できます。

もう一方の白色申告より少し手間がかかりますが、最大65万円の課税所得控除を受けられます(税金を安くおさえられる=節税)。

青色申告をしたい場合は、その年の12月までをめどに、「青色申告承認申請書」「開業届け」を税務署に提出しましょう。

高収入も見込めるUber Eats 配達員の仕事

Uber Eats(ウーバーイーツ)配達パートナーの報酬(給料)について、テーマごとに説明しました。フリー契約であることから、自分の工夫や頑張りしだいで収入アップも見込めます。とはいえ、心身ともに元気でなければ元も子もありません。自分のからだや生活スタイルと向き合いながら、無理なく配達パートナーの仕事に取り組みましょう。(執筆者:めしレポ編集部)