しっぽり飲めるお店
居酒屋といっても、その用途やコンセプトはさまざま。閑静な住宅街として知られる自由が丘の街には、静かな雰囲気が売りの居酒屋が多数ある。
この記事では、しっぽり語りあいたい大人のための、デートのシメに訪れたい若人のための、個室/半個室で静かに飲めるお店を紹介する。どのお店もやや高級志向、グルメに凝ったお店を厳選。
①本家 比内邸
鳥刺しと地酒でぐびっと
自由が丘駅から徒歩1分。高級地鶏をさまざまな料理で楽しめるお店が「比内邸」だ。
比内地鶏は主に秋田県北部で古くから飼育されているブランド鶏。「薩摩地鶏」「名古屋コーチン」と並び日本三地鶏に数えられる。
赤みが強く適度な歯ごたえがあり、鶏肉を鍋に入れたときに細やかな脂肪が浮き、鶏肉本来の持つコク・香りが強く感じられる。味はキジ・ヤマドリと同じような風味と香味を持っていて、噛みしめるほどに味が出る。
おすすめは比内地鶏の「炙り刺し盛り合わせ5種」だ。もも肉・むね肉・ささみ・砂肝・白レバーの5種類を一挙に堪能できる贅沢な逸品。新鮮な比内地鶏を使用している専門店だからこそできる鳥刺しは、本来の味や肉質をしっかりと味わうことができる。
比内地鶏にかかれば定番のから揚げ、炭焼きもまるで別次元。
とくに親子丼は店の名物となっている。
癒しとくつろぎの空間個室は2-6名から利用可能。
月曜-金曜 15:00-17:00はハッピーアワー
ランチ 土日祝日 11:30-15:00(14:30LO)
②酒場シナトラ
素材を活かす和食バル
自由が丘駅南口から徒歩2分。和モダンだけど、あたたかみある外装の酒場、「シナトラ」。
旬の鮮魚や野菜、肉等、素材のもつ素晴らしさを活かした和食の数々を、果実を用いたサワー、唎酒師厳選の日本酒、豊富な焼酎と共に楽しめる。
看板メニューの肉豆腐。かなり濃い色をしているがしつこくなく、深いコクを感じる。肉豆腐の醤油には宮内庁ご用達の関ヶ原たまり醤油を使用。関ヶ原たまり醤油は天然だし大豆を用いてもろみを作り、1年以上日数をかけて作る。たまり醤油独特の旨味が特徴。
ここでしか味わえないであろう、極上の牛刺しはリピーター多数。薄くスライスされた秋田牛を一番贅沢な食べ方で。肩ロースの牛すき焼きもぜひモノだ。
土曜・日曜・祝日11:00-15:00 (LO 14:30)
17:00-23:00 (LOフード22:00 ドリンク22:30)
③SORA 自由が丘
手打ちそばと厳選ワイン
「ゆったりとした大人の贅沢な時間」をコンセプトとする和食ダイニング。
お店に一歩入ればガラス張りの明るく清潔な店内。カーテンの奥にはソファ席の半個室を完備している。落ち着いた雰囲気の店内で、豚と蕎麦の美肌健康料理をゆったりと楽しめる。
沖縄自然薯を使用した唯一無二の店内打ち立て蕎麦、会津や熊本の馬刺し、山形・庄内野菜など日本全国の美味しい素材が集まっている。
「元祖」と名乗るトマト鍋はトマト、旬野菜、チーズを三元豚の挽き肉と椎茸をベースにした出汁でいただく。産地直送のトマトは、千葉県産、山形県庄内産など季節によって産地が変わるそう。
三元豚のロース肉の甘み。あっさりとしたトマトのだしが旨みを引き立てる。さらに柚子胡椒ポン酢がアクセントに。〆はトマトだしのリゾット。パルミジャーノをたっぷりとかけて楽しむ。
17:30-20:00
④SAKABA SOU
灯台下暗しの隠れ家バー
自由が丘駅南口から120メートル。ウッド調のインテリアにワインレッドを中心としたオリエンタルな雰囲気が人気を博するダイニングバー、「SAKABA SOU」。バーカウンター、テーブルに加え半個室のソファー席もある。
酒の肴としてもサパーとしても満足度の高い料理も売りのひとつ。「ホタルイカとトマト・ジャガイモのアヒージョ」は兵庫県産のホタルイカを使用している。アツアツのオイルで温められた食材は食感・香り・味わい全てが最高のバランス。「しらすと長ネギ春キャベツのペペロンチーノ」は旬のしらす・春キャベツを使った、シンプルなペペロンチーノ。春キャベツの甘さがほんのり春を感じられニンニクの味わいが引き立つ。
もちろん、バーだけあってお酒の種類はかなり豊富だ。100種はあろうかというウイスキー、ジンをはじめとする蒸留酒。6種のビール、あまおうやりんごを使用したフレッシュカクテル、アイリッシュコーヒーやヴァンショーなどのホットカクテルも数多く取り揃える。
サラダ、前菜、揚げ物、メイン、シメ料理までついた飲み放題コース(4000円)もおすすめ。
L.O.25:00
ドリンクL.O.25:30
⑤三拍子
もつと日本酒
「三拍子」では和牛もつ鍋と牛たんをはじめ、こだわりの肉と旬野菜を使った和食を楽しめる。お酒に合うおつまみを京風モダンな雰囲気でゆったりと。
店主は「日本酒ソムリエ」ともいわれる資格「唎酒師」を有しており、酒のことならなんでも頼れる。純米酒にこだわって全国各地から厳選した十四代、新政no.6、醸し人九平次、鍋島などなかなか飲めないプレミアムなお酒や、季節限定のお酒も。食事や好みに合った1杯を提案してくれる。
グルメな酒豪の方にも名物「和牛もつ鍋」は大好評。だしは黒醤油、白味噌、辛味噌、あっさり塩、こってり塩から選べる。おすすめは黒醤油。石川の魚醤、熟成たまり醤油と鰹出汁を効かせた王道だ。白味噌は京都の白味噌と豆乳を合わせコクがありまろやかな味わい。
お食事に合わせていただきたい日本酒は、醸し人九平次、獺祭など30種類以上を楽しめる「2時間飲み放題プラン」(1人2,000円)が店主イチオシ。
⑥魚斉
一流料理人の酒場
バングラデシュ大使館でも料理をふるまった日本を代表する料理人、関斉寛氏が手がける居酒屋だ。会食にも使える完全個室もある。
食材そのものの味わいを大切に考え、味付けや提供の仕方にもこだわりを持って調理をしている。彩り鮮やかな料理の数々は、お箸をつけるのがもったいないほどの美しさだ。
日本料理の大きな特徴は「出汁を取る」ということだという。他の料理にはない「旨味」。出汁は、素材と素材の掛け合わせによって味も香りも変化があり、料理によって、料理人によって様々な味わいを感じることができる。日本には旬というものがあり、季節によって採れる食材の良さを見極め、そして掛けあわせることで料理人ならではの出汁を作っている。
居酒屋メニューならではのうまさと、一流料理人の繊細な技が織りなす一品料理は美味。「ズワイガニのカニ味噌和え」はゲンコツ大のおつまみ。甲殻類特有の男らしい味わいに、濃厚で伸びやかな味噌のコク。日本酒が進む進む。
さまざまな懐石料理のなかで、異彩を放つのは「厚切りロースカツサンド」。これが肉厚で人気を博している。胡麻からしソースも心地よいアクセント。
「魚斉お任せ会席コース」は飲み放題付き、料理7品で5000円とお手頃。団体利用にもぴったりだ。
⑦鳥良 自由が丘駅前店
静かな個室で手羽先から揚げ
昭和59年の創業当時から変わらない、看板料理「手羽先唐揚」をはじめ、製法特許取得の豆腐、名古屋名物どて焼きなど名物料理の数々。ジャズの流れる寛ぎの空間で楽しめるお店。自由が丘から徒歩1分のアクセスもうれしい。
おすすめはやはり手羽先。甘口、中辛、大辛と選べるタレは創業者の試行錯誤によって生み出された門外不出の味。辛口を食したあとは手をなめたくなるほどスパイシーで旨い。
焼き目が美しい月見つくねも人気メニューだ。
内観、座席、お手洗いにまで行き届いた清潔感ある店内は女性にも好評。東京近郊で「落ち着いて」手羽先にぱくつきたかったら、「鳥良」へ。
日曜~木曜・祝日17:00-23:30
⑧直出し ワインセラー事業部
死角なしのワインバー
店内中央の”ワインセラー“には、世界中のワインが並んでいる。お客は直接手に取って選ぶことができる。ワインを彩る、カテゴリーにとらわれない無国籍料理が楽しめる。魚料理を中心に、肩ひじを張らない酒場のツマミで、「友人の別荘で、持ち寄ったワインを仲間とがぶ飲みする」ような空間でくつろぎ、盛り上がるというのがコンセプト。掘りごたつタイプの完全個室もある。
しらすのペペロンチーノはテーブルで山盛りのしらすをかけてくれるという演出付き。パスタが見えなくなるほどしらすをかけてくれる。しらす自体そのまま食べると塩っ気があるので、ワインとの相性が抜群。
気の置けない友人と、靴を脱いで飲み明かせる楽しいお店だ。
[日曜・祝日]16:30-23:00(L.O.22:30)