川崎の隠れ激戦区?
武蔵小杉は川崎随一の新興住宅街。学生の寮や一人暮らしも多く、「おひとりさま」の需要は意外と高い。
豚骨、塩、味噌などあらゆるジャンルの名店がひしめくラーメン激戦区でもあるこの武蔵小杉、元住吉、新丸子のエリアから、各ジャンルおすすめの名店を10店厳選し、ご紹介。
①ラーメン丸仙
名古屋コーチンが効いた醤油
武蔵小杉駅南口から道路を渡って、元住吉に通じる道を入るとすぐ。ポップでどこか懐かしい看板がお出迎え。
定番の支那そば。スープは透き通ったあっさり醤油味。名古屋コーチンをベースに豚ガラ・野菜などを濁らないように6時間以上じっくり煮込んだストレートな一杯。隠し味にバナナを加えているとか。
店舗独自だという麺は細めながら弾力がある。麺は長野県中野市にある志賀麺業に特注している。四角い断面でゆるやかなウェーブがかかっている。麺肌は滑らかで喉越しは抜群。大判のチャーシューの食べ応えもバッチリ。
17:00-22:30 [土曜・日曜・祝日]11:00-22:30
②徳島ヌードル ぱどる
豚バラが決め手
お隣、元住吉駅から。
徳島ラーメンは、地元では「おかずラーメン」とも呼ばれる豚骨ベースのラーメン。徳島に豚骨ラーメンが広がったのは、日本ハムの前身である徳島ハムの工場が近くにあり、安いとんこつが大量に入手可能であったためといわれている。大きく大量のメンマ、豚バラがその特徴だ。生卵をかき混ぜ豚バラにくぐらせたり、黄身をラーメンに落としたりするその独特の食べ方から関東では「すき焼きラーメン」とも言われている。
ポイントとなる豚バラは甘辛く、ご飯との相性がバッチリ。ライスの注文をお忘れなく。
[土・日・祝]11:00-15:00、17:00-21:00
③麺や でこ
煮干しに追われて
武蔵小杉駅から徒歩5分、新丸子駅から徒歩3分。日本医科大学武蔵小杉病院のそばにある。
「特製追い煮干しそば」(1100円)が看板メニュー。スープは深い色味で緑がかっている。これが煮干しのダシがでまくっている証拠か。深いコクのあるダシ、脂も比較的すっきりしている。
麺はストレート、細麺。スープの絡みが良好だ。
2種類のチャーシューがのっている。ももチャーシューと赤身が残る肩ロースのチャーシュー。ももチャーシューはあっさり。厚切りの肩ロースは肉の旨味をどしっと感じる。どちらも柔らかで高いクオリティ。
【土曜】昼 11:00-15:30 夜 17:30-22:00
【日曜】昼 11:00-15:30 夜 17:30-21:00
④ヌードルキッチン ガナーズ
ラーメンのプレミアリーグ
「Gunners」はイングランドサッカー・プレミアリーグ所属クラブ、アーセナルの愛称だ。サッカーファン店主の提供するゴラッソな一杯に熱視線。
店内にはサッカーゆかりの写真パネルや旗などが飾られている。ラーメン店らしからぬちょっとおしゃれな空間。
「汐そば」(800円)はホタテ、ハマグリ、アサリをダシにとったすっきりした味わい。麺は三河屋製麺の細麺で、きれいに揃えられている。加水率は低いが、なかなかのコシがある。山形産庄内豚の豚肩ロースと最上鴨のチャーシューに、穂先メンマものっており、満足感もしっかり。烏賊の切り身やホタテの貝柱などが脇を固める。
[日・祝]11:00-22:00
⑤自家製麺 然
硬麺とチャーシューの食べ応え
ツルツルの食感にして強いコシ。無骨な太麺を愛するラーメンマニアにはドンピシャかもしれない。
「然」はその店名のとおり、完全オリジナルの極太麺がマニアを虜にする。
つけ麺、ラーメンともに人気を誇る二枚看板エースのお店。
ラーメンの麺は中太麺。赤茶系のスープをゴクッとすすると、魚介の香りが口いっぱいに広がる。スープは節系ベースで、表面はラードのような油が覆う。大きいチャーシュー1枚は厚く、鉄板で焼いたような焦げ目が美しい。
⑥らーめん 喜輪
家系のようで家系にあらず
チャーシュー、海苔、ほうれん草、豚骨の香り、黄金に濁ったスープ。その特徴はもう完全に家系ラーメンやないか。
ラーメン670円。安い。家系にしてはやや細め、平打ちっぽいストレート麺。スープも見た目の割にはさっぱり目で、卓上のカエシで濃さを調整するシステム。
豚骨やチー油の香りもしっかりしていて、それでいて出汁もかなり濃厚。ミルキーで美味しいスープだ。
チャーシューは肩ロースが1枚。脂がのっていてかなり柔らかい。
家系とはちょっと違う新ジャンルかも。
[日曜・祝日]11:30-翌1:30
⑦味噌や
札幌味噌!チャーシューも旨い
地域でも珍しい、札幌味噌ラーメンの店。白味噌と信州味噌などをブレンドした物に豚骨を合わせたスープ。マイルドながらしつこくない仕上がりで、生姜が隠し味。
麺は札幌の西山製作所の中太縮卵麺。加水率高めでシコシコした食感だ。チャーシューも絶品だ。肩ロース。弾力があり、肉のおいしさが広がる。しっかりした厚みのチャーシューが3枚入っている。
味噌ラーメンにはやっぱり、コーントッピングがおすすめ。
[日曜・祝日]11:00-翌1:00
⑧豚星
二郎インスパイアの星
ジロリアンの皆様お待たせいたしました。
ラーメンでもっともマニアが多いであろう二郎系の世界。「二郎」は、麺の上にたっぷりの野菜と「ぶた」とよばれるチャーシューが載せられる。東京三田の「ラーメン二郎」が発祥。豚肉を主な材料とした出汁に、チャーシューの煮汁をベースにしたタレ。
ここ「豚星」は数ある二郎系のなかでも特に評判高い名店。なんと「食べログ ラーメン EAST 100名店」に選出されている。
二郎の魅力を余すところなく伝えるその一杯は、ファンにもビギナーにも響くだろう。マヨネーズなどの独自の味付けもぜひお試しあれ。
⑨博多禿鷹 武蔵小杉店
正統博多ラーメン
イトーヨーカドー前。博多釜炊きとんこつの本格派。
豚骨らーめん650円。
100%国産の豚の骨だけを使い、強い火力で長時間炊き上げた本場博多ならではの完全オリジナルスープ。厳選されたダシと麺の組合せは関東圏には数少ない本格派博多ラーメンだ。
低加水細麺、玄人の方はハリガネでどうぞ。
豚骨を食べると、ついつい食券が増えがち。店自慢のチャーシュー丼も相性バッチリ。オリジナルのチャーシュー丼専用タレをかけ、チャーシューをバーナーで炙って香ばしく仕上げた逸品。
ディナー15:00-翌2:00
⑩横浜ラーメン 渡来武 総本店
逆輸入家系
自由が丘、横浜家系ラーメンの名店「渡来武」。食べログ3.5以上の高評価を誇る名店が、満を持して神奈川にやってきた。
「渡来武ラーメン 並」1000円。扁平断面の中太軽ちぢれ麺。家系の中では細い方か。スープはオーソドックスな家系の豚骨醤油でありながら、醤油感は控えめ。鶏油が贅沢に使われている。
チャーシュー。脂が乗っていて肉の旨味が濃厚で、かみごたえもしっかりめ。
ほうれん草は茎のシャキシャキ感が感じられる茹で加減。
ライス無料は家系のトレンド。お腹を空かせて行きましょう。