スターが愛した札幌の名物
さらっとスパイシーなスープにごろっとした具材が特徴のスープカレー。野菜がふんだんに用いられ、スパイスもパプリカ、コリアンダー、カルダモン、ナツメグなど、店によっては数十種類ものスパイスを調合するヘルシーさもその魅力。
北海道出身のスターが、全国にその魅力を発信したことが名物として定着した理由ともいわれる。
この記事では、食べログ百名店がひしめく激戦区札幌・すすきので、【食べログ3.5以上】の評価を得る名店だけを厳選してご紹介。ランチにも、ハシゴの〆にも利用できるオールラウンドな専門店がずらり。
①イエロー
高圧釜のパワー
豊水すすきの駅から徒歩1分。「イエロー」は食べログ百名店「カレーEAST2019」にも選出された名店だ。各線すすきの駅、大通駅など「すべての駅の改札出口の大型周辺地図に当店が掲載されております」という。さすがは超人気店。
ライス付きのスープカレーは「チキン野菜カリー」、「角切り炙りチャーシューとオクラのカリー」、「豆腐カリー」などから選べる。
札幌に数あるスープカリー専門店の中で唯一、高圧釜を使用してスープをとっている。136℃、3.2気圧で素材の旨味を逃さず抽出したスープはまさに唯一無二の異次元スープだ。
一番人気のチキン野菜カリー。基本野菜(ナス、ニンジン、ヤングコーン、ピーマン、イモ、うずらの卵)のほかに、骨付き鶏モモ肉、ブロッコリー、かぼちゃ、オクラなどが入っている。旨味の効いた、スパイシーな口当たり。
チキンは身がホロホロで柔らかく、骨離れがよい。ライスは、北海道川上産ななつぼしに大麦、もちきび、もちあわ、黒大豆、緑豆、小豆、黒米、黒ゴマ、アマサンス、秋ウコンで炊き上げた9穀米。
クラフトビールが樽生で飲めるのも特徴だ。名水100選にも選ばれている千歳市のナイベツ川の湧水で仕込まれた純粋生ビール。ビールの原料を定めた本場ドイツの「ビール純粋令」に習い水、麦芽、ホップ、酵母のみを使用した至極の一杯だ。
②スアゲ プラス 本店
素揚げ野菜と炭火の知床鶏
こちらも百名店。すすきの駅から徒歩2分と、百名店が隣り合うような立地。店名の通り、素揚げした野菜がカレーに食べ応えをプラス。こだわりの食材をごろっと味わうスープカレーが人気だ。
辛さが6種類選べるのに加え、エビエキスでコクと旨味を加える「エビ赤」、さらにディープなコクの「イカ黒」、マイルドな白スープ「ココナッツ白」など、ベースのバリエーションもチョイスできる。
定番の「パリパリ知床鶏と野菜カレー」。じゃがいも、人参、かぼちゃ、茄子、ピーマン、舞茸、ゆで卵、それに知床鶏。これは炭火で焼かれてジューシーかつ柔らかい。肉に味がしっかり染みている。串に刺さった野菜がゴロゴロ。この野菜がまた美味。
牡蠣のスープカレーもおすすめ。「海のミルク牡蠣カレー」はブリリンとした大きな牡蠣がごろっと。身もしっかりと厚い。
③ZORA
メディアにも登場する超人気店
行列が出来る人気店「SUAGE+」から独立した「ZORA」。その後「秘密のケンミンSHOW」で紹介され、2019年には「SUAGE+」と揃って百名店入りするという見事なサクセスストーリーだ。
8時間以上かけてじっくりと炒めた玉ねぎとトマト、鶏ガラなどをベースにしたコク旨スープが自慢。「Mama KAYのジャークチキンカレー」は、スタッフがジャマイカ留学中に出会った思い出の味を再現。スープを一口すすると複雑に混ざりあったスパイスの風味が爽快に鼻腔を駆け抜ける。
意外と値が張ることも多いスープカレーだが、1000円〜とリーズナブル、そして提供のスピーディーさも人気の秘訣だ。
④SoupCurry ATMAN
スパイスで勝負
すすきの駅から徒歩1分、スパイスが決め手のスープカレー店、「ATMAN」。絶品のカレーはもちろん、インド風の小料理も楽しめる。
その日仕入れた旬の食材を使うため、メニューは日替わり。野菜は石狩農家から直接仕入れている。
「チキンと4野菜」。スープは運ばれるや否や香りを漂わせる。スパイスの調合は超絶怒涛。ミルされたハーブを最後に振りかけられていることで一層爽やかさを楽しめる。薬膳スープと聞けば割高のスープカレーを連想するが、ATMANは店主オリジナルブレンド香辛料をバランスよく手頃に提供する。
すすきのでパァーっと飲んだ次の日は、薬膳カレーがあなたを癒す。
⑤GARAKU
和風だしのアクセント
地下鉄大通駅徒歩1分。「GARAKU」は旨みが深いまろやかスープが売りのスープカレー店。
豚骨、鶏の三箇所の部位、たっぷりの香味野菜をベースに飴色になるまで炒めたタマネギ、香草、洋酒、完熟トマトなど30種類の食材を使用したブイヨン。21種類の独自ブレンドの秘伝スパイスが効いている。さらに天然素材から抽出した和風だしがアクセントを加える。
定番のやわらかチキンレッグをはじめ、上富良野ラベンダーポークの豚しゃぶ、とろとろ炙り焙煎角煮、やさい15品目大地の恵など種類豊富なスープカレーを楽しめる。
ご飯は北海道産のななつぼしに五穀米のブレンド。もちっとしたところが混ざっていてスープによく合う。
⑥ソウルストア
野菜ごろごろのスープカレー
資生館小学校前電停から徒歩で3分ほど、2018年6月に狸小路に移転してきたスープカレーの人気店だ。
「紅茶豚と大きいなめこのカリー」とちょっと珍しくも思える組み合わせだが、こちらでは定番。
スープは濃厚かつコクがある。ゴボウバーは、軟らかく煮込んだゴボウをパリッと揚げており、面白い食感。これがどう出るか、という大きななめこは、シャキシャキした食感で美味しい。山椒の痺れや生姜がバッツリと入った、マイルドの中に刺激あるスープが具材にベストマッチ。
パンチを求めるなら「自家製麻辣醤スープ」の「激!!」もまたおすすめ。激で増えるのは痺れで、辛さも自在に調整できる。辛党にも人気の本格シビ辛もお試しあれ。
⑦ベンベラ・ネットワークカンパニー
スープのコクが違う百名店
狸小路の先端7丁目の入り口そばのビルの奥にある、スープカレー専門店。店内は様々な小物が雰囲気を醸す、アメリカンダイナーのよう。いや、さらにエキゾチックなアート空間というべきかもしれない。
十勝餃子ベジタブルカレー。具材はどれもちょうどよい固さに茹でられておりスプーン1本で食べられる固さで食べやすい。キクラゲや麺も入っていて独創的だ。スープは力強いチキン系のスープでスパイスたっぷり。クミンシードとフレッシュパクチーが口一杯に香る。全体のスパイスバランスとしても絶妙だ。
「チキントマトベジタブル」。有料の辛さ増しでお店MAXにするととてつもなく辛い。即効性、遅効性どちらの辛さも抜群だ。
一方、サラりとしつつもなめらかさあるスープは、強めのコクに重なるハッキリとした味付け。さっぱり酸味を加える生トマトはいい味変だ。
⑧カオスヘブン 札幌店
北海道産牛乳の濃厚ミルクスープカレー
豊水すすきの駅から徒歩5分。36号線沿いで車でのアクセスも良い立地に佇むのが、1階は服屋で2階がスープカレーのカオスヘブンだ。カオスなヘブンとは、一体。
店内にはカウンター席とテーブル席。カントリー調でところどころにお洒落な小物があしらわれている。
スープは4種類用意。カオススタイルが基本のスープだ。他に有料だがトマトスタイル、ミルクスタイル、ココナッツスタイルとある。野菜は札幌近郊・道内産・国内産にこだわり、安心と美味しさを追求。
大人気の「チキチキ ミルクスタイル」は道産牛乳入りのスープで染み入るようなまろやかさ。しかしそのあとから突き抜けるようなスパイシーさが追いかけてくる。
肉はもちろん野菜もおどろくほど多品目とれるので、健康志向の人にもおすすめだ。
⑨ラマイ
アジアンテイストサッポロクオリティ
東西線「西11丁目駅」より徒歩6分。「ラマイ 札幌中央店」は店内に飾られたこれらの調度品や絵画は、全てバリ島現地にて買い付けた本物ばかり。まるで本場インドネシアにいるような店内の雰囲気だ。
ラマイのスープカレーはチキンベースのスープ。またフルーツやキャベツも沢山入っていることも特徴だ。スパイスを調理直前に挽きなおして、より香りを引き立てている。様々なスパイスといくつかの隠し味が絡み合ってラマイ独特の風味を醸し出す。インドネシア料理店だけあって、アジア的スパイス使いが生きたルーが独自の道を開拓した。
ライスはインドネシアではポピュラーな「ナシクーニン」。 数種類のスパイスをベースに、ココナッツ風味に仕上げている。
中央区役所前駅から336メートル
⑩デリー 札幌店
伝統の「カシミール」は必食
狸小路1丁目内にある、東京の有名カレー店「DELHI(デリー)」の暖簾分け店。
1番出るというカシミール。サラサラスープはそこそこ辛く、あっさりしつつもコク深でビターな旨味、なんとなくカカオっぽい風味も感じる。チキンはとってもやわらかだ。
デリーも同じくサラサラなスープ。こちらはスパイス感と旨味と辛味のバランスがとれている。シシカバブはスパイスが効いていて美味、卵もやや半熟でいい感じだ。ライスに添えられたタマネギのアチャールも美味しい。スパイスは全体になじませる穏やかな効かせ方。
⑪SOUP CURRY&HAMBURG 龍祈
望来豚を使ったハンバーグカレー
最後にご紹介するのは絶品ハンバーグと名物カレーの最強コンボが人気のダイニングバー。
圧倒的な人気を誇るのは「望来豚ハンバーグカリー」。アツアツの鉄板にのったハンバーグと10年以上の伝統が受け継がれた人気のチリトマトスープの組み合わせは絶妙。
高級ブランド望来豚は、石狩湾を望む小高い丘の上で育つ。生産牧場である「ノース・ベスト・ファーム」という広々とした農場の中で、豊かな自然の恩恵を受けながら、ゆっくりと、そして大切に育てられている。
鉄板で焼かれたハンバーグと色とりどりの野菜たちが音を立て現れる。肉汁溢れ出るハンバーグをスープカレーに漬け、口内に運ぶ。なんとも言えぬジューシーさと甘さが口の中を包む。
濃厚エビスープへのベース変更もまた美味。濃厚という言葉の通り、かなりエビの味が強い。ベースのチリトマトにエビを粉砕したものを入れたような感じ。
[金・土・祝前]ディナー:18:00-28:30
まとめ
札幌すすきのでおすすめのスープカリーのお店をご紹介した。さらっとした口当たりで食べやすいが、その奥に秘めた濃厚な味わいがどれも絶品。具材の豊富さもスープカリーならではで、自然の恵みを丸ごといただけるようだ。各店あついこだわりをもっているので、すみからすみまで食べ尽くして、お気に入りの一皿を見つけてほしい。