スイーツ探究にも、シメにもカフェ
味噌ラーメン、スープカレー、ジンギスカン、海の幸などのグルメが充実している、札幌すすきのの街。これらのしょっぱいグルメを食べたあと、お酒のあとは「シメ」がほしくなるものではないだろうか。そういうニーズから、北海道ではシメに食べるパフェ=シメパフェが近年、にわかにトレンドになっている。
この記事では、喫茶店、スイーツが人気のおしゃれカフェから、夜まで開いている「夜パフェ」の話題店まで、【食べログ3.5以上】だけを厳選してご紹介する。
①さえら
絶品サンドイッチの老舗
「さえら」は1975年にオープンしたサンドイッチ専門店。地下鉄大通駅19番出口すぐ、一等地で長く愛され続ける老舗だ。
「フルーツサンド」が人気を集める。おすすめはいちご、キウイ、黄桃、りんご入り。フレッシュなフルーツを甘さ控えめのホイップクリームとパンに塗ったバターの塩気とコクが絶妙だ。
タラバガニの脚とフレークをたっぷり使った「たらばがにサラダサンド」も看板メニュー。身厚な繊維質、キャベツの甘味が美味。
注文後に揚げる「えびカツサンド」や、オーナーが「毎日のように食べている」スモークチキンサンドもおすすめ。
ふわふわの食パンは札幌市・発寒にある業務用食パンメーカー「おかめや」から仕入れている特注品で、毎日焼き立てを届けてもらうそう。耳を切り落としたフワッとしており、パンケーキのような柔らかさだ。
②ミルク村
魅惑のリキュールパフェ
すすきの駅から徒歩2分、夜23時40分まで営業している夜行性のカフェ「ミルク村」。「スイーツ EAST 百名店 2020」に選出された名店だ。その目玉はなんと言っても「夜パフェ」。
外観・内観はかなりメルヘンチックで、ちょっと幻想的ですらある。これが女性に人気の理由だろうか。
看板の「夜パフェ」ことリキュールアイスクリームは、その名のとおり数種類のリキュールをアイスにかけて食べる大人のスイーツだ。選べるリキュールの種類はなんと全部で100種類。
なかでも女子を中心に評判高いのが、サービスの「紅茶リキュール」。紅茶の香りとリキュールの風味がなんとも絶妙なコラボレーションをなす。
アイスの食べ方は案内がある。カップアイスクリームのとんがり部分を食べる。ここで濃厚なクリームを味わう。とんがりがなくなったら、スプーンで2/3掬ったアイスをカップに水平に置き、そこにリキュールを一杯かけて、ひと口で食べる。
リキュールと甘味が織りなすハーモニーは、一度食べたら病みつきかも。
[水曜]17:00-23:40
③イニシャル
レトロでモダンなパーフェクトスイーツ
パフェの語源をご存知だろうか。もとはフランス語で「完全な」という意味の「パルフェ(Parfait)」。その通り、誰が食べてもおいしい、見た目も華やかで完璧なスイーツだ。
すすきの駅から徒歩3分、狸小路アーケード内にあるカフェ「イニシャル」は、〆パフェブームの先駆けとされている。お酒やハーブを組み合わせた独創的な品々。見た目にも美しい、大人のパフェを楽しめる。
ムーディーな装いの店内も人気の秘訣。落ち着いたエジソンランプの、温もりのある光に照らされたレトロ、それでいてモダンな空間で、デートに女子会にあらゆるシーンで利用できる。
イチオシは「パルフェ・ベッシュ」。桃を丸ごと一個使用した贅沢な桃パフェだ。桃の生産量日本一の桃の山梨県から、「白川白凰(ひかわはくほう)」という品種を利用する。あっさりした口触りながらミルキーな北海道牛乳のソフトと、ヨーグルトとブラックペッパーのムース。下段には白ワインのと桃のジュレが。最後の最後まで抜け目なく楽しめるパフェに仕上がっている。オリーブオイルと北海道産パルメザンチーズが隠し味だ。
④ぴーぷる・ぴーぷ
個性的マスター 珠玉の〆パフェ
まるで秘密基地のようなミステリアスな店構えの人気店が、「ぴーぷる・ぴーぷ」。このお店、待ち時間の長さも有名で、並んでから食べられるまで2〜3時間かかることはザラだとか。それでも全国のスイーツ好きが列をなす、超人気店の味やいかに。
こちらの売りは自家製アイス。天然バニラビーンズに季節の果物と自家製アイスを混ぜて、上には生クリームがのっている。現在主流のなめらかなものとは違い、どこか懐かしいシャリっとした食感だ。
クリームチーズパフェ。個性的と評判のマスターから「チーズ温かいからねぇ」、「よーく混ぜてねぇ」と事前アドバイスが。アイスとアイスの間、しょっぱいクリームチーズとアイスクリームの相性は抜群だ。やはりよく混ぜて召し上がれ。
⑤パフェ、珈琲、酒、佐藤
和モダンの極上パフェ
大通駅、豊水すすきの駅から徒歩2分。読んで字の如く、佐藤はパフェと珈琲と酒の店だ。北海道産の牛乳を使用したソフトクリーム、アイスクリームやソルベ、ムースや焼き菓子なども自家製にこだわり、食感や味の変化も緻密に計算し尽くされている。
『佐藤』のパフェは口溶け・食感・ハーモニーなどはもちろん、見た目もおいしさのひとつと捉え、ビジュアルにもこだわっている。だから映え度抜群。
塩キャラメルとピスタチオパフェ。底にりんごのジュレ、中ほどにベリー系のムース、トップに塩キャラメルのアイスとピスタチオのアイスがのっている。アーモンドチュイールのようなものが添えてある。ムースの味が上品、塩キャラメルとトッピングの塩が個性的、ピスタチオアイスは濃厚な逸品だ。
パフェと一緒にいただきたい珈琲はオーナーが惚れこむ札幌の人気隠れ家カフェ「roachroaster」で焙煎した豆を使用。ほどよい酸味が特徴のマイルドローストと、深い焙煎のイタリアンローストの2種を丁寧に抽出。
[土曜]13:00-26:00、[日曜]13:00-24:00
⑥ミンガスコーヒー
香り高いコーヒーとジャズと
続いてはコーヒー専門店のご紹介。大通駅、テレビ塔にほど近い「ミンガスコーヒー」はコーヒー好きが集う隠れ家のような店だ。モーニングから夜カフェまで使え、オシャレで落ち着いたインテリアにも癒される至極の空間。
大きなスピーカーからジャズが心地良く流れている。アクセス良好ながら、都会の喧騒を忘れさせてくれる。
深く濃いフレンチコーヒーは、雑味がなく香り高い仕上がり。注文が入ってから豆を挽き、丁寧にネルドリップで抽出。マイセンのカップがカフェタイムを演出する。
そしてコーヒーのおともには種類豊富なスイーツもはずせない。こっくりとほろ苦いガトーショコラ、ふわふわ感が信条のシフォンケーキ、レーズンがアクセントのしっとりプリンなど、ぜひお好みを見つけてほしい。
西4丁目駅から344メートル
[水曜]17:00-23:40
⑦ペンギン堂
レトロでモダンなパーフェクトスイーツ
豊水すすきの駅から徒歩2分、札幌の中心部にある、夜にパフェとお酒が楽しめる店。店内は木目調の落ち着いた雰囲気をまとっている。バーとパーラーを掛けて「バーラー」を謳う。パフェはここでは「パルフェ」と呼び、果物のソルベを使ったものとジェラートを使ったものがある。お酒も好きな甘党、甘党とお酒好きのカップルなど、様々な人を満足させるコンセプトだ。
お酒も豊富。シャンパンを始め、シェリーやワイン、スコッチやバーボンウイスキー、ラムなどがラインナップ。カジュアルなバーとしても使えるし、パルフェが出来るまで一杯引っかけながら待つ、なんていいかも。
モカのアイスも、口溶けなめらかで美味。さくっとスイーツを食べたい午後もアリかも。
⑧サタデイズ チョコレート ファクトリー カフェ
チョコレートの「おいしい」と「楽しい」を
「Saturdays Chocolate(サタデイズ チョコレート)」は、チョコレートをカカオの生豆から作る「Bean To Bar」のチョコレートの札幌ローカルブランド。
New York のMast Brothers Chocolate、San Francisco のDandelion Chocolateなどアメリカから始まった「Bean To Bar」「Small Batch」(小規模生産、手作り)のニューウェーブに共感して札幌でチョコレート作りを始めた。
「Choco Milk Classic」。チョコレートとミルクのバランスが程良い冷たいドリンク。コクがありつつサッパリとしていて飲みやすい。生クリームを溶かしてまろやかに。
「リッチチョコレートソフトクリーム」のはちみつ&カカオは染みわたるように濃厚なチョコレートのあとからはちみつの華やかさがふんわりと。季節にかかわらず楽しみたいクセになるおいしさだ。
⑨丸美珈琲店
珠玉の一杯、コーヒー専門店
札幌市中央区に本店を置く丸美珈琲店は、2006年にオープンしたスペシャルティコーヒー専門店だ。オーナー天性の研ぎすまされた五感と、豆の鑑定やローストの世界大会に積極的に挑んできた向上心で研鑽を積み、いまでは国内屈指のコーヒー鑑定のプロフェッショナルと称されるまでになった。
そんな丸美珈琲店が目指すコーヒーはけっして敷居の高いものではない。「コーヒーには詳しくないけれど美味しい一杯が飲みたい」という初心者から、 「”これぞ!”という納得いく味を探す」マニアまで、幅広い愛飲家のニーズに応える。
コーヒーの味はさることながら、自家製デザートもファンが多い。時期ごとにトッピングがかわるワッフルは、外側はこんがりクリスピー、中はしっとりもっちりのコントラストが後をひく。
ほかにも定番のコーヒーソフトや夏限定のアフォガードなども、コーヒー専門店ならではのスペシャリティだ。
[日曜・祝日]10:00-19:00
⑩夜パフェ専門店 パフェテリア パル
手間ひまかけた至高のパフェ
最後にご紹介するのは、高級志向の夜パフェ専門店。すすきので勃興するスイーツブームの波のなかでも、映え度ナンバーワンの呼び声高い「パフェテリア パル」だ。すすきの駅から徒歩3分。バーのような装いがスタイリッシュ。
ホイップした生クリームやコーンフレークたっぷりのパフェ、ではなく。生のフルーツをふんだんに使ったソルベやさっぱりとしたジェラート、手の込んだフレンチのデザートをイメージした品々。「飲んだ後の時間でもさっぱり食べれるよう甘さは比較的抑えてます」とのこと。
ジェラート、シフォンケーキのラスク、フランボワーズの寒天、白ワインとチアシードのジュレなど、ちょっとほかのパフェではお見受けしないこだわりのスイーツアイテムがせいぞろい。
それらがグラスの上で絶妙に組み合わさって、一つの完成されたストーリーを紡ぎ出しているようだ。パフェという “作品” を通してまったく新しい食体験を満喫したいなら、ぜひ一度訪れてほしい。
まとめ
札幌屈指の繁華街、すすきのでおすすめのカフェをご紹介した。飲み屋が多いことはもちろんだが、目線を変えてみると、またちがった名店の存在に気づくだろう。「今日はちょっとのんびりしたい」そんな気分になったら、落ち着いた空間や心に染みるような味を求めて、ぜひ扉を開いてみてほしい。