ライフスタイルの多様化により、フードデリバリーがすっかり浸透しました。飲食店がデリバリーを導入すれば、新規ファンを増やして売上アップが見込めるでしょう。とはいえ、いちから自分で始めるとなれば、準備の大変さは否めません。そこで利用したいのがUber Eats(ウーバーイーツ)の仕組みです。お店の負担は少なく、気軽にデリバリーをスタートできます。
この記事では、Uber Eats の出店にあたり大切な登録方法や費用、受注のながれなど、基本的な情報をご紹介します。Uber Eats の加盟店契約をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店のメリット・デメリット

Uber Eats(ウーバーイーツ)へ出店すると、どんなメリットがあるのでしょうか? 逆に、デメリットはどんな点なのでしょうか。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店のメリット
- 出店料、月額利用料、解約金、違約金すべてなし
- 新しい顧客を獲得できる
- 少ない必需品ではじめられる
- 始業時にタブレットをON、休みたいときはOFFにするだけ
- 無償の管理ツールで、メニューや営業時間を簡単に変更できる
- 無償の管理ツールで、売上や受注履歴を確認できる
- 閉店時の解約金や違約金がない
- キャンペーンを打てる
- 自店の配達員とUber Eats の配達パートナーを併用できる
- 世界的なサービスなので外国人観光客の集客も見込める
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店のデメリット
- ピークタイムはイートインと注文が重なり、忙しくなる
- デリバリー用の容器を店内に在庫するスペースが必要
- 機械が苦手な人はタブレット操作に慣れるまでが大変
- 手数料がかかる(記事内で説明)
Uber Eats に出店するメリットとデメリットは、それぞれにあります。ただ、総合的にみると、店舗の得になることのほうが多いかもしれません。
これまでより忙しくなることはほぼ確かなので、オペレーションの効率化をつねに意識するといいでしょう。

Uber Eats(ウーバーイーツ)出店で必要なもの
続いて、いざ出店をするにあたり、取り急ぎ何が必要でしょうか。
答えは、
- タブレット
- デリバリー用の容器、カトラリー、紙袋
- インターネット環境
です。
Uber Eats での受注や売上管理などは、タブレットを使い、オンラインでおこないます。
インターネット環境がない場合は、Wi-Fi 通信ではないタブレット(LTEモデル)を使う選択肢があります。
タブレットはレンタルも可能
自分でタブレットを持っていれば、それを使えます。持ってない場合は、Uber Eats から有償でレンタル可能です。
レンタルにかかる費用は、22,500円です。詳しくは次の項目で説明します。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店でかかる費用

Uber Eats(ウーバーイーツ)に出店するうえでかかる費用を見ていきましょう。
費用は大きく分けて2つあります。
- 登録料
- 手数料(出店後)
それぞれ具体的に解説します。
① 登録料
Uber Eats 出店の際にかかる費用は登録料のみです。登録料はタブレットのレンタル費用と、撮影費用があります。
タブレットも写真も自分たちで用意できる場合は、この登録料はかかりません。
2つの費用について詳しく見ていきましょう。
タブレットのレンタル費用
出店後、Uber Eats(ウーバーイーツ)の受注や売上の管理は、タブレットでおこないます。タブレットをもっていなくて、Uber Eats から借りる場合は、レンタル費用がかかります。
レンタル料はWi-Fiモデル、SIMモデル(ネット環境がない場合に使う)ともに22,500円です。
一括払いではなく、15週分割(1か月1,500円)され、出店後に毎月の売上から差し引かれます。
SIMモデルをレンタルする場合は、これにくわえて毎週250円の通信費がかかります。
料理の撮影費用

Uber Eats での店舗運営には、「Uber Eats Manager(ウーバーイーツマネージャー)」というアプリを使います。
アプリ内でメニューの設定をする際に、料理の写真を自分で撮影するのではなく、Uber Eats に撮ってほしい場合は、撮影費がかかります。
料理の撮影料金は、1時間(メイン写真1枚とメニュー写真15枚)13,000円です。10週分割により、売上から差し引かれます。
② 手数料(出店後)
一方、「手数料」は、Uber Eats(ウーバーイーツ)に出店してからかかる費用です。料理の注文を受けるごとに、Uber Eats へ手数料を支払う必要があります。
手数料は、
です。
【例】パスタ(¥1,000)・ピザ(¥1,000)の注文 ※1回で
¥2,000(1,000 + 1,000)× 0.35 = ¥700
手数料は ¥700
なお、手数料はUber Eats が配達パートナーに支払う報酬や、Uber Eats のプラットフォームの運営費にあてられます。
手数料を支払う方法
35%の手数料は、毎週、Uber Eats から売上金額が振り込まれる際に、差し引かれます。
自分たちで配達する場合は15%
Uber Eats の配達パートナーをつかわず、自分のお店のスタッフが配達をする場合は、手数料が35%→15% に下がります。
手数料分は価格に上乗せ
手数料で店舗の売上がマイナスになってしまう分は、商品の販売価格に上乗せすることが通常です。くわえて、包材やカトラリーにかかるコストも価格に組み込む必要があるでしょう。
とはいえ、あまりに値段が高いと売れ行きが鈍くなってしまいます。お客さんの手が届き、利益もきちんと出る、ほどよい塩梅の価格に設定することがポイントです。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店にかかる時間
「Uber Eats でお店を出そう!」と考え、会員登録をし、実際に営業をスタートするまで、どのくらい時間がかかるのでしょうか?
早ければ2週間で出店
多くの店舗は、1か月以内にUber Eats での営業をスタートしています。
申請書類に不備がなく、メニューの設定や写真の撮影などもスムーズにいくと、早い場合は1~2週間で出店できる場合もあるようです。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店の条件

Uber Eats と契約する店舗は、「レストランパートナー」といいます。レストランパートナーとして出店するための条件を確認しましょう。(Uber Eats 公式では、マーチャントパートナーとも呼んでいます)
- 営業許可証がある
- 週4日以上かつ3時間以上営業
- メニューは5品以上
以上の条件を満たしていればUber Eats に出店できます。
なお、営業日数と時間いついては変動する可能性があります。また、5種類以上のメニューには、トッピングなども含みます。
※バーチャルレストラン(2店舗目)の場合は10品以上が必要です(うちメイン5品以上、他サイドも可)。
Uber Eats(ウーバーイーツ)店舗登録の方法
Uber Eats(ウーバーイーツ)への出店を決めたら、まず、公式サイトからレストランパートナーの登録をします。

登録から開店にいたるまでのながれは大まかに以下のとおりです。
- Uber Eats アプリの登録フォームへアクセス
- 店舗情報を入力
- 業務提携タイプを選択(配達/持ち帰りなど)
- メニュー一覧を提出(専用テンプレートあり)
- 営業許可証番号を入力
- 電子契約書に署名
- メニュー写真をアップロード(または撮影予約 → 撮影)
- 銀行情報の証明書類を提出
- タブレット端末の設定
- 最終確認
- Uber Eats で営業スタート!
一連の手続きのあいだに、Uber Eats のスタッフから電話がきて、適宜説明をしてくれます。
登録から実際に開店するまでの期間は、もっとも早いと1週間というケースもあります。
【出店後】受注のながれや売上の管理方法

さて、レストランパートナー登録をして契約を結び、お店がUber Eats に掲載されたら、いよいよ出店です。
Uber Eats は、初出店のお店についてプロモーションを打ってくれることが多いので、初日から注文が入るケースも期待できます。
受注から配達までのながれ
注文を受けて、お客さんに商品を配達するながれは以下のとおりです。
- タブレットに注文の通知がくる
- 商品を準備する
- 準備完了ボタンを押して、配達パートナーに知らせる
- 配達パートナーが商品を取りにくる
- 注文番号を確認して、商品を渡す
タブレット1つでおこなえるので便利です。
管理アプリでビジネス戦略
管理アプリ「Uber Eats マネージャー」は、受注だけでなく、さまざまな用途に使えます。
たとえば、日・週・月ごとの売上や、顧客満足度などが確認できます。
キャンセルになった注文の数や、商品の提供時間の他店との比較は、さらなるビジネス戦略を練る材料になるでしょう。
【出店後】売上金の振込日はいつ?
Uber Eats(ウーバーイーツ)の売上は、登録した銀行口座に週単位で振り込まれます。
ただし、海外から送金されるため遅れる場合があり、毎週同じ曜日に必ず振り込まれるとは限りません。
【出店後】テイクアウトは導入すべきか
Uber Eats では、デリバリーのほかにテイクアウトの業態も選択できます。(登録時と出店後いつでも)
注文者も、下の写真のようにアプリ上でデリバリーとテイクアウトを簡単に選ぶことができます。

テイクアウトのメリットは?
テイクアウトならではのメリットもあります。
手数料が安い
テイクアウトは、店舗が負担する手数料が安いことが一番のメリットです。
デリバリーの手数料が売上の35%であるのに対し、テイクアウトの手数料は12%です。
注文量が多い
Uber Eats の調査で、テイクアウトを使うお客さんは、デリバリーを使うお客さんよりも注文量が多い傾向にあることがわかっています。
デリバリーとの差別化で集客UP
テイクアウト商品の設定も、管理アプリ(Uber Eats マネージャー)でできます。
デリバリーとテイクアウト、それぞれのニーズをふまえてメニュー開発や料金設定をすると、効果的な集客を期待できるでしょう。
【出店後】Uber Eats(ウーバーイーツ)トラブル時の相談窓口
Uber Eats に出店したあと、何か困ったことがあったら、サポートセンターに相談できます。
フードデリバリーをめぐるトラブルが頻発している現状を受け、Uber Eats ではユーザーのサポートに注力する姿勢を見せています。
サポートには数日かかることも
それでも、最近は加盟店が飛躍的に増えていることから、即日のサポートは難しいかもしれません。
サポートセンターのスタッフは、店舗側の困りごとについて、親身に対応してれるはずです。
Uber Eats(ウーバーイーツ)出店でビジネスチャンスを拡大
Uber Eats(ウーバーイーツ)に出店するうえで大切な情報をご紹介しました。Uber Eats によると、調査対象の飲食店の80% が「Uber Eats に出店して売上が伸びた」と答えています。毎日忙しいレストランにとって、デリバリーという新たな業態を導入するのは容易ではないでしょう。でも、Uber Eats を利用すれば、そのハードルはぐんと下がります。お店の魅力をより多くのお客さんへ届けるために、ぜひ、Uber Eats への出店を検討してみてください。(執筆者:めしレポ編集部)