豊洲市場でグルメなランチを楽しもう!
豊洲市場でランチをするなら、どの店で食べるか、またはどの施設へ行くかを決めよう。市場内で飲食店エリアがあるのは、「水産仲卸売場棟(22店)」「管理施設棟(13店)」「青果棟(4店)」の3つ。飲食店は全部で39あり、すべて築地市場からそっくり移ってきた老舗だ。
朝はマグロのせりがはじまる5時、または6時頃に開く店が多く、ほとんどが14時頃に閉まる。朝食目当ての人もたくさんいるので、人気メニューは早々に売り切れてしまうことも。豊洲市場でランチをする場合は、なるべく早めに着くように心がけたい。
市場が閉まっている日(休市日)は飲食店もお休みになる。休市日は日曜・祝日と、だいたいの水曜。2024年の休市日はこちらで確認しよう。
豊洲市場で人気のランチスポット 14選(目次)
店舗 | 場所 | ジャンル |
小田保 | 水産仲卸売場棟 | とんかつ・フライ |
粋のや | 水産仲卸売場棟 | 海鮮丼・和食 |
印度カレー 中栄 | 水産仲卸売場棟 | カレー |
寿司大 | 水産仲卸売場棟 | 寿司 |
鳥めし 鳥藤 | 水産仲卸売場棟 | 親子丼 |
禄明軒 | 水産仲卸売場棟 | 洋食 |
磯寿司 | 水産仲卸売場棟 | 寿司 |
ふぢの | 水産仲卸売場棟 | ラーメン |
八千代 | 管理施設棟 | フライ・洋食 |
やじ満 | 管理施設棟 | 中華 |
寿司処 やまざき | 管理施設棟 | 寿司 |
魚河岸トミーナ | 管理施設棟 | イタリアン |
大和寿司 | 青果棟 | 寿司 |
天房 | 青果棟 | 天ぷら |
小田保(おだやす)
サクサクのとんかつを定食で
カフェを思わせるようなおしゃれな店構えで入りやすい「小田保」。揚げたてのとんかつを定食でがっつり食べられる。
五つ星お米マイスターが選んだ米で炊いたごはんもおいしい。
秋から春にかけてに出会える「牡蠣ミックス定食」は、サクサクの牡蠣フライと濃厚な牡蠣バターを一皿で。単体の「カキフライ定食」も人気。
丼ものもいろいろあり、「はも丼」「海老カツ天丼」「ロースかつ丼」など。半熟卵と衣に染みた甘辛タレのマリアージュに思わずうっとりしてしまう。
アジフライ、さわらフライ、カニクリームコロッケ、いさきのバター焼きなど、メニューは多彩なので何度でも来たくなるお店だ。
粋のや(いきのや)
フォトジェニックな海鮮丼も人気
築地市場の老舗「和食 かとう」が豊洲市場で店名もあらたにリニューアル。生まれ変わったあとも、上品で、どこか懐かしい和食の味はそのままだ。
豊洲市場にはいくつか海鮮丼の有名店があり、粋のやもそのひとつ。
マウンテン系の「いただき丼」が名物で、価格は2,400円~3,600円とお手頃価格なのもうれしい。
メインがうに、大トロ、帆立などいくつかあり、どのいただき丼にもいくら、まぐろ、サーモン、鯛など10種類のネタが入っている。味噌汁、小鉢、香物つき。
また、「粋のや」といえば、昔ながらの魚定食も人気だ。「銀だらの西京焼き御膳」や「ぶりの塩焼き御膳」など、なじみ深いメニューを一口味わえば、料理人の技が織りなす和食の粋を感じられるだろう。
印度カレー 中栄(なかえい)
100年の歴史を誇る老舗のインドカレー
大正元年に日本橋で創業。1935年の築地市場開設にともない築地市場に移転し、その後豊洲市場へ。
東京魚河岸の歴史とともに歩んできた味わい深いインドカレーを召し上がれ。
700円の「印度カレー」、「ビーフカレー」、「ハヤシライス」から2品を選んで「あいがけ」にする人が多い。
印度カレーは香り高いスパイスとほどよい辛みがクセになる。ビーフカレーはやや甘口で子どもでも食べやすく、ハヤシライスはトマトの風味がどこか懐かしい味わい。
また、魚介の旨みが溶け込んだ「築地魚河岸シーフードカレー」や食べごたえ十分の「炙りチャーシューカレー」も必食。山盛り千切りキャベツをカレーに浸しつつ、大正のハイカラグルメを令和の豊洲で堪能しよう。
寿司大(すしだい)
行列の先にある珠玉のにぎり
“豊洲でもっとも行列ができる店” との異名をもつ「寿司大」。大げさではなく2~3時間待ちはざらで、早いときは10時台に受付が終わってしまうこともある。
受付に間に合って整理券をもらえたら、時間になるまで周辺を散策していてもよい。
人気の「おまかせセット」(5,000円)は、その日おすすめのお好みのにぎり9貫、玉子焼き、巻物、味噌汁、そして最後にお好みの1貫を選べるサービスがうれしい。
‟極上” 出なければ仕入れない徹底ぶりを貫く寿司大。陽気な板前との会話も楽しみながら、極上の1貫を心ゆくまで堪能しよう。
鳥めし 鳥藤(とりとう)
名物の親子丼、味の決め手はスープにあり
明治40年創業の鶏肉専門卸「鳥藤」が営む鶏料理のお店。築地エリアの3店舗に続き、2018年に豊洲市場内にオープンした。
鶏一筋のこだわりがあらわれるのは。これをベースとした割り下で作る「親子丼」が店の看板メニューだ。
国産地鶏の弾力と割り下のやさしいコク、半熟卵の柔らかなとろみがたまらないおいしさ。より食べごたえのあるランチが希望なら「親子カレー」をためしてみて。
また、早朝から8時間炊き続ける鶏だし白湯スープを使った「鶏そば」もおすすめ。上品でやさしい味わいに思わず笑顔がこぼれる。鶏肉とつくね入りでボリュームもしっかり、ランチにぴったりの一皿だ。
禄明軒(ろくめいけん)
コスパ抜群の本格洋食メニュー
豊洲市場内でも数少ない洋食を食べられるお店で、市場関係者も多く利用している。ほぼ全品750円と安いので、高予算になりがちな豊洲市場ランチでも、安心して利用できる。
価格は安くても、味はしっかりおいしいから感激ものだ。
おすすめは「カキバター焼きライス」。香ばしくソテーされた大ぶりの牡蠣を噛みしめると、海の香りと醤油バターのまろやかさが口の中であいまって至福。
また、肉厚ボリューミーな「アジフライ」、甘辛タレがあとをひく「豚の生姜焼き」、粗びきの牛肉が旨味たっぷりの「ハンバーグライス」など。一見ふつうのメニューでも、食べてみればプロの技とこだわりが感じられる。
磯寿司(いそずし)
マグロ好きは食べ逃し厳禁
築地時代から常連客の多かった「磯寿司」。店の自慢はマグロで、店主の知人が営むマグロ問屋から、最高級のマグロをまるまる一本買いしている。
脂のり抜群でとろけるようなマグロは、一度食べたら忘れられないおいしさだ。
そのマグロの希少部位「脳天」を炙って塩でいただくにぎりや、薔薇色一色の「マグロづくしにぎりセット」、「マグロづくし丼」などが看板メニュー。
もちろんマグロ以外のネタも最上級。厚切りの食べごたえのよさもうれしい。「特上にぎりセット」「上にぎりセット」「刺身・にぎりコース」「おまかせ15貫セット」など、いろいろなメニューから選べる。
地方のめずらしい地酒や焼酎と一緒に、ちょっと贅沢な市場ランチを楽しんでみては。
ふぢの
辛みがくせになる酸辣麺はリピ必至
築地時代から市場で汗を流す人々のおなかを満たしてきた「ふぢの」。この店のラーメンを食べると不思議と元気がわいてくる、という声も少なくない。
あっさりとした醤油ベースが素朴な味わいの「ラーメン」をはじめ、酸味と辛味のコラボレーションを楽しめる「酸辣麺(スーラーメン)」、ほろほろとくずれる自家製豚バラチャーシューが5枚ものった「チャーシューメン」などが人気だ。
また、ワンタン、中華丼、炒飯、半チャンラーメン(チャーハン半個つき)など町中華風情のメニューもラインナップ。価格平均は850円ほどなので、豊洲市場でおいしいコスパランチを探している人におすすめしたい。
八千代(やちよ)
ふわふわアジフライは一食の価値あり
小田保と同じくとんかつの人気店で、市場内の人もひいきにする庶民はランチを食べられるお店だ。
ボリューム満点のメニューがいろいろあるので、今日は何をオーダーすべきか悩んでしまいそう。
ランチのおすすめは「C定食」(2,000円)。驚くほどふわふわのアジと、プリッと弾力がたのもしい車エビ、絶妙なレア感がたまらないホタテの豪華3点盛りだ。
また、フライとならぶ名物メニューが火・木・土曜限定の「チャーシューエッグ定食」。自家製の甘ダレがたっぷりと染みたぶあついチャーシューを、とろとろの卵とからめて口いっぱいにほおばろう。
プラス100円でカレーをかけてくれるサービスもうれしい。
やじ満(やじま)
牡蠣ラーメンは染みわたるおいしさ
朝早い市場の人がパパっと食べてパパっと帰る、そんな流儀が今も健在な中華屋「やじ満」。豊洲市場のありのままの姿をかいまみられるスポットだ。
豊洲市場内の町中華といった風情で、メニューはラーメン、炒飯、一品料理に定食と、とにかくたくさんあって目移りしてしまう。
10月~3月限定の「牡蠣ラーメン」は、大ぶりの牡蠣が4、5個入っていて満足感大。牡蠣はラーメンにのせる前に片栗粉をつけてソテーする一手間も惜しまない。
時期以外だと、麺ものなら「チャーシューワンタン麺」
ボリューミーなシャーシューととろけるワンタンがくせになる「特製チャーシューワンタン麺」や「焼きそば」がおすすめ。
また、パラパラに仕上げた炒飯も、シンプルかつ最高の一皿(写真は搾菜炒飯)。炒飯のおともに名物の「ジャンボシューマイ」もいちおしだ。
寿司処 やまざき
名店ならではの味とホスピタリティ
90年超えの歴史が培ってきた技術と人脈、たしかな目利きで、つねに最高品質のネタだけを追求する「やまざき」。
一方で仕入れによる価格の変動は最小限にとどめ、本物の寿司を気兼ねなく食べてほしいと心を配る。
朝食もランチもおまかせのセットが人気。天然本マグロ、ウニ、その日のおすすめ10貫と巻物がつく。
値段は仕入れにより時価となるが、だいたい7,500円前後。これより安い店もあるが、食べてみればむしろリーズナブルと感じるかも。
また、その日の仕入れによってメニューに載らないネタに会えることもしばしば。今日はどんなネタがあるだろう? そんなワクワクした気持ちにさせてくれる「やまざき」は、ファンが多いことも納得だ。
魚河岸トミーナ
豊洲市場で唯一のイタリアン
豊洲市場でイタリアンといえば唯一無二の存在「トミーナ」。市場で仕入れたばかりの新鮮な魚介を使ったパスタやピザは、他のイタリアンレストランでは味わえない贅沢だ。
仕入により季節ごとの出会えるメニューがいろいろあることも楽しみの一つ。
看板メニューの「ズワイガニのカルボナーラ」は、濃厚クリーミーなソースに蟹の旨みがぎゅっとつまってあとをひくおいしさ。
大きなあさりがたくさん入った「ボンゴレ」や、香り高い「はまぐりのジェノベーゼ」も、豊洲らしい一皿だ。
縁までこんがりと焼き上げた「シーフードピザ」は、海老、タコ、帆立などの海鮮がゴロゴロ入って満足感いっぱい。
ピザを焼くのは御年95を超える土井スズ子さん。この熟練ピザ職人に会いたくてトミーナと訪れるファンもいる。
大和寿司(だいわすし)
大トロのとろける味わいに悶絶
市場前駅に一番近い青果棟の1階にある「大和寿司」。豊洲市場で一、二を争う人気の寿司店のため行列は半端ないが、店内は比較的広いので回転は速め。
経験豊かな仲卸と仕入れ担当が厳しく目利きした最高のネタと使った、至高の寿司を堪能できる。
つやつやと光るネタは大ぶりで、はずむような弾力の江戸前寿司。メニューは「おまかせ」または「おこのみ」のどちらか。
「おまかせ」は、にぎり7貫、巻物1本、玉子、汁物がついて6,600円(税込)だ。単品を追加で注文することも可能。
単品は300円台からあるので、気軽に楽しめる。板前さんはフレンドリーで話しやすいので、カウンター越しに旬のおすすめを聞きながら「おこのみ」をじっくり選んでみるのもいいだろう。
天房(てんふさ)
豪快な天丼は豊洲市場の “力めし”
豊洲市場内で働く人が朝食をとる姿もよく見られるてんぷら専門店「天房」。
大豆油とごま油をブレンドした特製の油で揚げられたてんぷらはからりと香ばしく、サクサクと軽快な音が耳にも心地よい。
いちおしは大きなネタがダイナミックに丼からはみ出す「大えびあなご天丼」。こっくりとしたタレをたっぷりとかければ最後のごはん一粒まで残したくない。
また「本日の天丼」はその日の仕入れによって変わるネタも楽しみ。ホタテ、キス、ヤリイカなど一期一会の新鮮な食材をじっくりと味わおう。
くわえて最近ではの豊洲移転後の新メニュー「まぐろ刺身定食」も要チェック。新鮮なまぐろの刺身と名物のてんぷらを一緒に食べられるということで人気アイテムの仲間入りを果たしている。
場内の人が丼ものを食べるときには、山椒をたっぷりふりかける。こうすると朝からあっさりと食べられるのだとか。豊洲市場の活気を支える “力めし” で午後へのパワーチャージは完璧だ。
歴史を受け継ぐ豊洲市場で特別なランチを
豊洲市場でランチをするのにおすすめのお店をご紹介した。寿司屋や海鮮丼はもちろん、洋食や中華、イタリアンなど多彩なランチを楽しめる。ここに掲載していないお店も、市場内の人や観光客に愛される名店ばかりだ。日本橋魚河岸から連綿と歴史を受け継ぐ豊洲市場で、ほかでは体験できない一流の味に出会ってほしい。(執筆者:めしレポ編集部)