歴史とともに進化する日本橋で飲みたい!
お江戸・日本橋という言葉があるように、日本橋は江戸時代に交通の要所として栄えた歴史ある街だ。近代に入ってからは金融・経済の一大拠点に。現代以降もオフィスビルや商業施設が次々と誕生し、東京きってのビジネス街となっている。多くの人がここで日々仕事に邁進している、ということは、その疲れを癒してくれる一杯を愉しむ居酒屋や飲み屋も多いということ。しかしただ飲めればいいということはなく、料理も一流でお腹もしっかり満たせることが日本橋界隈にある飲み処の特徴だ。日本の経済を牽引するビジネスマンたちがゆるりと羽を伸ばしながら酔いしれる、魅力的なお店11選をご紹介する。
日本橋(東京)で美味しいお酒と料理を愉しめるお店 11選(目次)
店舗 (クリックで詳細) |
特徴や内容 |
① 御かにめし 日本橋 かに福 | 旨みだらけのかに料理はまさに “口福” |
② 豚バルBYO-塊- 八重洲店 | 遊び心と本気が交わる豚肉料理専門店 |
③ 麦酒庵 日本橋本町店(ばくしゅあん) | 日本酒は150種類!酒好きのオアシス |
④ 日本橋LEON(レオン) | 気軽でも味は本格派のスペインバル |
⑤ 幸の鳥(こうのとり) | 朝〆鶏を使った唐揚げや焼き鳥が名物 |
⑥ 仙台旬風 冨和利 日本橋店(ふわり) | 素朴な味が心を癒す仙台の郷土料理 |
⑦ ニホンバシ イチノイチノイチ | あれこれ迷うのも楽しい創作和食 |
⑧ 石塀小路 豆ちゃ 日本橋 | プロの作る京のおばんざいでほっこり気分 |
⑨ 炭火焼ホルモン ぐう 日本橋 | 備長炭で焼く生ホルモンはぷりっぷり |
⑩ Allegro(アレグロ) | 豪快な塊肉を厳選ワインとともに |
⑪ 元祖紙やきホルモサ 本店 | 紙の上でグツグツと煮込むジンギスカン |
① 御かにめし 日本橋 かに福
旨みだらけのかに料理はまさに “口福”
日本橋駅から徒歩3分の場所にある風情あふれる店構え。昭和45年創業のこちらはその名のとおり、新鮮なかにを使ったあらゆる料理を楽しめるお店だ。コレド室町にも支店がある。
出汁をかけていただく名物の「御かにめし」(税込2000円~)のほか、かに三昧を堪能できる会席コースも複数用意しており、接待や慶事などお酒の席にも最適だ。
かにの鮮度は抜群なので奥深い旨みと自然な甘みを楽しめる。利尻昆布でとった出汁は、かにの味わいやさしく引き立てつつ、ふくよかな風味をプラス。
「かに鍋会席」(7000円税込)はずわいかににとわたりかにの美味を余すところなく。ぷりぷりの食感がたまらないお刺身や、洋食屋顔負けのかにクリームコロッケも自慢の逸品。
おみやげ用の「御かにめし」(2408円税込)と「たらばかに 押し寿司」(3519円税込)もあり。接待の席では相手方へのお持たせとしても重宝する。
極上のかには、お酒との相性も抜群。全国から厳選して取り寄せた焼酎や日本酒を幅広くラインナップしている。気になる銘柄があればスタッフに声をかけてみよう。
[金曜・土曜・日曜・祝日] 11:00-15:00/17:00-23:00
② 豚バルBYO-塊- 八重洲店
遊び心と本気が交わる豚肉料理専門店
日本橋駅から徒歩5分。長谷川自然熟成豚、鹿児島県産黒豚、イベリコ豚、松坂ポークなど、全国の有名銘柄の豚肉をとことん楽しめるポーク料理専門店。
都内の飲食店に先駆けて「BYO(=Bring Your Own)」を導入。好きなお酒を999円で自由に持ち込むことができるから、自宅にいるようにくつろいだ時間を過ごせる。もちろん店内にずらりとそろえるさまざまなワインもオーダーでき、表示されている定価+999円を支払うシステムだ。
シェフの本気度が伝わる目にも鮮やかなオードブルの盛り合わせ。メインへの期待が高まる。
「豚肉のボルケーノフランベ」。壺の中にブランデーを注ぎフランベするとみるみるオレンジの炎に包まれる。これで中の豚肉を蒸し焼きに。
噴火(?)を終えた壺の中から芳醇な香りをまとった豚肉が登場。噛みしめるとコクのある甘い肉汁が口の中にあふれ出す。手作りのソースはフルーティで上品な味わいだ。
至高の豚肉料理にはおいしいワインが欠かせない。持ち込みももちろんOK、店内にも世界のあらゆる銘柄をとりそろえているから、きっと好みのワインが見つかるはず。
金曜以外の毎日19:00まではハッピーアワーで「本日の一皿」が100円、毎週月曜と土曜はボトルワイン割引きなど、お得なサービスもぜひお見逃しなく。
[土曜] 17:00-23:30
③ 麦酒庵 日本橋本町店(ばくしゅあん)
日本酒は150種類!酒好きのオアシス
三越前駅から徒歩3分、日本橋駅からは徒歩7分。全国から仕入れた旬の牡蠣と海鮮、そしておいしいクラフトビールと約150種類の日本酒を楽しめるのん兵衛必見の居酒屋。
店オリジナルの「オイスタードライスタウト」をはじめ、12種類のクラフトビールを蓄えた生樽は見た目のインパクトも大。すべてグラスで提供しているからいろいろな味を試してみよう。日本酒はあまりの種類の多さに迷ってしまうが、スタッフに相談すると、好みや料理との相性をふまえて最適なものをすすめてくれる。
「牡蠣の3種食べ比べ」(1500円税込)はその時期一番おいしい牡蠣を味わえる。どれもうなるほどの逸品だが、噛みしめたときの食感や味わい、鼻に抜ける香りがそれぞれに違う。数量限定なので予約をしておくと安心だ。
宮城や小田原の市場と直接取引して仕入れた鮮魚のお造り。宮城の魚は神経締めをしているので格上の味と鮮度。
播州一献酒粕と使った「佐助豚の酒粕西京焼き」はシナモン味噌とバルサミコ酢で意外性をプラス。得意とするのは海の幸だけではない。
品書きを見ると値段が表示されていないものもあるが、最後には明朗会計ぶりに驚くはず。お客さんと一緒に「この料理にはあのお酒、その気分にはこのお酒」とあれこれ考えるスタッフの様子はいつも楽し気で、酒好きが自然と集まるというのはうなずける。
地下鉄「日本橋駅」から徒歩7分
[土曜・祝日] 15:00-21:00
④ 日本橋LEON(レオン)
気軽でも味は本格派のスペインバル
日本橋駅から徒歩3分。スペインの田舎町にある気軽なバルをコンセプトに据えるお店。木のぬくもりあふれるくつろぎの店内で、経験豊富な料理人が腕をふるう本場のスペイン料理をバラエティ豊かに楽しめる。
フルーティーな自家製サングリアをはじめカクテルの種類も多く、グラスワインは380円からとお財布の心配をしなくていい気楽さがうれしい。
芳醇な香りもごちそうの「ムール貝のシェリー蒸し」(680円税別)。貝の旨味が溶けだしたスープはバゲットを浸して最後の一滴まで堪能したい。
ホクホクとしたトマトスープが素朴な味わいの「スペイン風モツ煮込み」(850円税別)は看板メニューの一つ。たのもしい弾力のモツはコラーゲンたっぷりで女性にも人気。
定番の「パエリア」(2人前・2900円税別)は魚介と鶏肉がたっぷりのって食べごたえ満点。おいしさが凝縮した鍋肌のおこげはスタッフにたのめば上手にこそげとってくれる。
仲間とワイワイもいいし、一人でふらっと飲みも大歓迎。おいしいバル料理とサングリアで日々の疲れを心地よくリリースしよう。
[土曜・祝日] 17:00-22:00
⑤ 幸の鳥(こうのとり)
朝〆鶏を使った唐揚げや焼き鳥が名物
東京駅直結の八重洲地下街、日本橋駅からも歩いて3分とアクセス至便。「幸の鳥」は、職人が繰り出す極上の唐揚げと焼き鳥が評判のお店だ。これをつまみに仕事帰りに一杯ひっかけたり、昼時にはボリューム満点のお値打ちランチでお腹を満たす会社員は多い。
ドリンクはビールからワイン、日本酒、焼酎とまんべんなくそろえるが、強炭酸の刺激が痛快な「氷結焼酎サワー」はぜひ一度飲んでみてほしい。
自家製ダレに漬け込んだ揚げ立ての唐揚げ(510円税込)は、ピリリと胡椒がきいてやみつきなるおいしさ。ふとしたときに無償に食べたくなるというファンもいて、毎日30キロを仕込む店の看板アイテムだ。
数量限定の「鶏ハラミ」をはじめ、焼き鳥は朝〆の鶏を使っているから新鮮そのもの。「えんがわ」や「おび」などの希少部位もおためしを。
思わずお酒がすすむ「鳥もつ煮込み」(520円税込)もてっぱん。旨みがたっぷり染み出たスープでが体の芯まであたたまる。
「そぼろご飯」や「鳥だし茶漬け」、「親子丼」などのごはんもの人気。また、昼飲みプランや土日限定の焼き鳥セットなど使い勝手のよいサービスを多々用意しているので、その日の気分で気軽に利用してほしい。
地下鉄「日本橋駅」A3出口から徒歩3分
⑥ 仙台旬風 冨和利 日本橋店(ふわり)
素朴な味が心を癒す仙台の郷土料理
日本橋駅B1番出口を出てすぐ、中央通りを折れたところにある「冨和利(ふわり)」は、仙台の郷土料理やおいしい地酒を心ゆくまで楽しめる居酒屋。
「牛タンしゃぶ」や「厚切り牛タン炭火焼」、牡蠣入りの「塩釜おでん」といった仙台名物のほか、焼魚や唐揚げ、牛はらみ丼などの定食を昼夜かまわずいただけることも魅力だ。
「牛タンしゃぶ」(2500円税別)は、醤油ベースの自家製吟醸スープに新鮮なタンをさっとくぐらす。つけ汁なしでタンのおいしさをダイレクトに味わう。野菜をたっぷり食べられることもポイント。
縁結びで有名な定義山の「三角揚げ」を仙台発祥の炉端焼き(900円税別)。香ばしくこってりとしたねぎ味噌が食欲をそそる。炉端焼きやイカの一夜干しやホッケのほか、「本日の炉端焼き盛り合わせ」なら旬の食材を楽しめる。
食べればやさしい気持ちになれるような家庭的な定食(1000円税別、夜はプラス50円)。「塩釜おでん」はあっさりしていても奥深い風味がやさしい余韻を残す。
昔ながらの居酒屋風情のある店内は気取らない雰囲気。ゆったりとした掘りごたつの席は団体にも対応し、貸切も可能だ。
[土日祝] 15:00-22:00
⑦ ニホンバシ イチノイチノイチ
あれこれ迷うのも楽しい創作和食
歴史ある日本橋のたもとにたたずむ、こだわりの食材が自慢の和食バー&レストラン。川沿いのテラス席やムーディーなバーエリア、ハイセンスなレストランフロアがあり、目的に合わせて利用できる。
名物の「真鯛の土鍋飯」や「あんこう鍋」から刺身、揚げ物、焼魚、珍味まで、とにかくメニューの幅が広いことが魅力。最近ではテラス席限定の「缶つまBar」ものん兵衛の心を鷲づかみにしている。
女性ファンの多い「雲丹グラタン」(1480円税別)は濃厚で奥深い味わいがあとを引く。ワインが順調にすすむ逸品だ。
「牛カルビ肉のほう葉味噌焼き」(1780円税別)は低温でじっくり焼き上げた赤身肉と芳醇なもろみ味噌が黄金マッチ。ワインや日本酒も合うが、炊き立てごはんもほしくなる。
日本橋を眺めながらテラス席で楽しむ「缶つまBar」。「霧島豚のビール煮込み」は、こってりと甘辛い角煮にとほろ苦いビールが大人の味わい。プレミアムな缶詰をつまみにお酒をお酒をたしなむ時間はなかなかオツだ。
手間ひまかけた独創的な料理と非日常的な空間で、日々の雑事を忘れるようなワンランク上の食体験を満喫しよう。
[土日祝] 11:00-15:00/17:00-22:00
⑧ 石塀小路 豆ちゃ 日本橋
プロの作る京のおばんざいでほっこり気分
コレド日本橋4階。シックで落ち着いた和の空間で、ゆっくりとお酒を飲みながら家庭的な京のおばんざいを味わえるお店。プロが手間を惜しまず丁寧に作るおばんざいは、家庭的ながら京都らしい気品に満ちている。
豊洲直送のお造りや鯛羽釜ごはんなど、名物を盛り込んだコースのほか、ランチタイムは栄養バランスのとれた定食が健康を気にかける男性サラリーマンにも人気だ。
一つひとつがじんわりと染みわたるようなやさしいおいしさ。丁寧に手作りされた料理を食べると、心洗われるような気持ちになるから不思議だ。
ふんわりと出汁の香る「だしまきたまご」はホッとする味わい。シンプルだがこのクオリティを家庭で実現するのはなかなか難しい。
デザートも別腹でぜひ。「京都藤井茶園の抹茶ロールケーキ」(790円税別)は甘すぎないので食後でも難なく完食。
一人ごはんやお茶タイム、仲間とのゆっくり飲みなど、さまざまな使い方ができるのもこの店の魅力だ。
[月曜-金曜] 17:00-23:00(L.O.22:00)
[土日・祝] 17:00~-22:00
⑨ 炭火焼ホルモン ぐう 日本橋
備長炭で焼く生ホルモンはぷりっぷり
日本橋駅から徒歩2分の路地裏にたたずむ「ぐう」は、熟練の職人が備長炭の炭火で焼き上げる生ホルモンが看板。そのホルモンも肉も、毎朝芝浦市場から仕入れているため鮮度は折り紙つきだ。フレンドリーなスタッフのあたたかな接客で居心地がよく、女性グループも和やかに飲みや食事を楽しんでいる。
丁寧に下処理をした生ホルモンはくさみとは無縁で弾むようにプリプリとした食感が魅力。クリーミーな味わいの「シビレ」やサクサクと心地よい歯切れの「ハツ」、ふくよかな旨みの「豚レバー」などが人気。
希少部位「イチボ」(牛のお尻まわりの肉)は、赤身ならではの肉肉しさとジューシーな脂のりのおいしいとこどりを楽しめる。
まだまだお腹に余裕があるなら「宮崎辛麺」をためしてみて。辛党はMAXのレベル25に挑戦すべし。ほかにも本場から取り寄せる「盛岡冷麺」や人気のまかないごはん「肉めし」、荏胡麻葉の風味がポイントの「チャンジャ巻き」なども〆メニューとしておすすめだ。
千切りキャベツと味付けネギがお替わり自由という気前のよさにも感動。お得な飲み放題付きプランもあるので、滋養満点の肉&ホルモンをたらふく食べて、疲労もストレスも吹き飛ばそう。
JR東京駅から徒歩2分
※金曜・祝前日は20:00まで
⑩ Allegro(アレグロ)
豪快な塊肉を厳選ワインとともに
日本橋駅から徒歩1分と好立地のアレグロは、レトロ風情の落ち着いた空間が素敵なイタリアンバー。大きな窓から差す日の光で店内はつねに明るく、笑顔あふれるスタッフのあたたかな接客も気持ちがいい。
肉好きシェフが自信をもって贈る「炭火焼塊肉」や、毎朝天然酵母を使って生地を発酵させるこだわりのピッツァなど、お目当てを食しに昼夜ともに常連客が足繁く訪れる。
塊肉を備長炭とワインの木で時間をかけて焼き上げることで、肉本来の旨みをじわじわと引き出す。「本日の牛炭火焼き」(税込2480円~)はその日の仕入れによりどの部位に出会えるかはお楽しみ。NZ産ラムや豚も選べる。
500℃の超高温で焼き上げたピッツァ(税込1200円~)は表面はクリスピー、中はもっちり。サイズは大きいながら軽い口当たりでペロリと食べられるので、何種類かたのんでシェアするのもおすすめ。
パスタも存在感ある食材たちが華やかな個性を放つ。「トリッパアラビアータ」(1300円税込)はハチノスの弾むような食感とトマトソースのパンチの効いた辛さが美味。
料理にあうワインを知りたいときは、女性ソムリエに尋ねてみよう。リストに載っていないシークレットワインを選んでくれることもある。
[土曜] 18:00-22:00 ※要連絡
⑪ 元祖紙やきホルモサ 本店
紙の上でグツグツと煮込むジンギスカン
日本橋駅から徒歩5分。ほかにはない食体験を約束する元祖「紙焼き」のお店。「紙焼き」とは、一枚の紙の上でマトンや野菜をじっくりと煮込む鍋料理のこと。野菜やナッツ、スパイスを使った秘伝のタレをかけていいただく。3代目が継承する伝統の味を求めて著名人もお忍びで訪れるという。低カロリーで良質なたんぱく質とビタミンが豊富にとれるため、ヘルシー志向の女性やアスリートにも評判だ。
ベジナッツダレでいただくマトンセット(1480円税別)。ほかにラムやイノシシ、徳之島産の鳥豚も選べる。卓上のカレー粉やパクチーパウダーで味変させたり、トッポギ、春雨、チーズなどの追加トッピングで自分好みの鍋に仕立てるのも楽しい。
単品料理もいろいろあるので、あれもこれもとたのんでお酒のアテにするのもいい。「地養鶏上レバー」(980円税別)はくさみがなく、舌が溶けるようなクリーミーな味わいがくせになる。
「マトンロースのたたき」(1190円税別)は、野性味あふれるマトン本来のおいしさをじっくりと味わえる。山わさびをたっぷりかけて。
ラムやマトンの旨味を引き立てるワインは店主が厳選して集めている。めくるめく相乗効果に思う存分酔いしれよう。
地下鉄「三越前駅」B6出口から徒歩3分
多彩な顔をもつ現在進行形の日本橋を知る
日本橋でおすすめの飲み処11選をご紹介した。日本銀行本店や東京証券取引所も立地し、まさに日本経済のメッカともいえるこのエリア。銀行マンや株トレーダーをはじめとするビジネスマンたちにとって、界隈の飲み処は日々の疲れを癒す大切な場所かもしれない。くわえて近年ではおしゃれな商業施設もお目見えし、女性を中心に時代の流行を追いかける人々の新たなニーズも生まれている。日本橋でさまざまな顧客を満足させる飲み処を知ることは、日本橋という街の今を知ることかもしれない。