小田原ランチ、どこ行こう?
青空に映える白壁が美しい小田原城。小田原市のシンボルともいえるこの城は、戦国時代に活躍した北条氏の拠点であったことが有名だ。しかし実際はさらに昔、平安期頃から存続していたという記録があり、小田原市の城下町としての歴史の深さをうかがえる。続く江戸時代には宿場町として発展、明治時代には多くの政治家や文化人が移り住むなど、小田原の街は日本の歴史とともに歩んできた。
この記事では、そんなロマンあふれる小田原でおいしいランチをいただけるお店をご紹介する。小田原市のもう一つの魅力、港町ならではの豪快な海鮮丼をはじめ、心おどるグルメが目白押しなので、ぜひお腹を空かせながら読んでほしい。
小田原のおススメランチスポット13選(目次)
店舗 (クリックで詳細) |
特徴や内容 |
① サカナキュイジーヌ・リョウ | 大人数でもくつろげる海鮮料理店 |
② フュージョンダイニング エフ 小田原 | 老舗ホテルの味をお手軽に |
③ ラッコ アメーノ | 本格ナポリピッツァに舌鼓 |
④ そば処 橋本 | 素材へのこだわりは名店の証 |
⑤ 氷花餃子 本店 | 「炒馬麺」は異国情緒満載 |
⑥ OHASHI(オハシ) | 勢い止まらぬイマドキお魚居酒屋 |
⑦ 洋食 葉椰子(はやし) | 料理愛あふれる街の洋食屋さん |
⑧ 相州鳥ぎん 本店 | 釜飯の蓋、開ける時の幸せたるや |
⑨ 田むら 銀かつ亭 HaRuNe小田原店 | 伝統の「豆腐かつ煮定食」は必食 |
⑩ らぁ麺 桃の屋 | 女性らしい繊細さがにじみ出る |
⑪ 魚河岸 でん | 早川漁港直送の地魚が丼の上にどん! |
⑫ レストラン レカイエ | 本格ベルギー料理をカジュアルに |
⑬ ステーキハウス 優味 | お値打ちステーキは高コスパ |
① サカナキュイジーヌ・リョウ
大人数でもくつろげる海鮮料理店
小田原駅から徒歩3分。ビルの3階まである店内はフロアごとにテイストが異なり、小上がりの座敷やカウンター、テラス席まであって老若男女が心地よく食事を楽しめるお店だ。
自慢は相模湾でとれた魚をはじめ新鮮な魚介を使った料理の数々。ランチならそのおいしさをより手軽に味わえる。おすすめは素材の旨みがダイレクトに届く丼メニュー。刺身のプリプリ鮮度に感激の「海鮮ちらし」やさくさくの食感と大海老がインパクト大の「天丼」のほか、ランチ限定の「まかない丼」も好評。その日いちおしのいろいろな魚が丼の上で贅沢に競演し、白ネギとともにさっぱりといただける。
ほかにもややお値段が張るが「金目鯛煮付け御膳」や「おまかせ刺身御膳」、そばと天ぷらのセットなどランチメニューは多彩。好みのちがう仲間内できても安心だし、注文に悩む時間もまた楽しい。
土日祝 11:30-14:30
② フュージョンダイニング エフ 小田原
老舗ホテルの味をお手軽に
小田原駅構内ラスカ小田原2階にある富士屋ホテル直営の本格ビストロ風ダイニング。ホテル仕込みの伝統フレンチを気軽に楽しめるお店だ。
11時から15時までと広めの設定がうれしいランチタイム、一番人気は富士屋ホテル名物ビーフカレー。昔ながらの欧風カレーはまろやかさのあとにスパイスの刺激が心地よく追いかけてくる。また、季節ごとに代わるランチフェアを開催。夏であれば「豚肩ロースのソテー夏野菜添え バルサミコソース」や「海老とパプリカの海老オイルパスタ」をスープやサラダ付きで提供する。
さらに肉好きならぜひ食べてほしいのが農林水産大臣賞受賞の相州牛を使ったランプ肉ステーキ140g。しっとりとしてきめ細かな赤身肉を奥深いシャリアピンソースとともに味わって。
③ ラッコ アメーノ
本格ナポリピッツァに舌鼓
小田原駅から徒歩約6分。路地裏にたたずむ隠れ家的風情だが赤いテントですぐにわかる。イタリア、ナポリにある地域の名を冠した店名のとおり、おいしいナポリピッツァが食べられるお店。ナポリピッツァ協会認定店の有名イタリアンを牽引したシェフが独立オープンした店で、その店はお墨付きだ。
店内の窯で焼き加減を何度も確認しながら丁寧に焼き上げるピッツァは種類豊富。マルゲリータやマリアーナなどの定番はもちろん、小田原の新鮮な魚介をふんだんに使った「オダワラーナ」やミラノサラミの旨みがチーズと溶け合う「ドンナエレーナ」も要チェック。ランチタイムにはトマトやパンで作ったイタリアならではのパンツァネッラもついてお得感大だ。
夜は素材本来の味を生かした前菜やパスタ、それに合う厳選ワインも多くとりそろえるのでムード一新で再訪したい。くれぐれも予約を忘れずに。
④ そば処 橋本
素材へのこだわりは名店の証
幕末の時代に橋本村(今の相模原市緑区あたり)から出てきて小田原城下で蕎麦の屋台を始めた先代。大正の頃には活気ある漁師町となった小田原で、漁師が大漁の旗を掲げて海から帰ってくれば、お嫁さんたちが橋本の屋台から蕎麦を取り寄せ、祝いの宴を催したという。
歴史を脈々と受け継ぐ「そば処 橋本」が一番にこだるのは、産地生産者から直接仕入れる上質な食材。そば粉は北海道旭川から、かつお節は小田原の老舗鰹節店から、桜海老は静岡県由比町の船主から。お客さんに本当においしいものを安心して食べてほしいから、食材への妥協は一切しない。
観光客だけでなく地元ファンも多いこちらのお店。香りまで甘いサクサクの生桜海老を添えた「生桜海老天ざる」、小田原港から届いた新鮮な鯵をたたいた丼と蕎麦も楽しめる「ミニ鯵丼セット」などがとくに人気だ。江戸から続く伝統の味をぜひその舌で確かめて。
[水曜・日曜] 11:00-18:00
⑤ 氷花餃子 本店
「炒馬麺」は異国情緒満載
小田原駅東口から錦通りを4分ほど歩くと出会うレトロな雑居ビルの2階。気取らない雰囲気からは容易に想像できないが実はミシュラン掲載、メディアでも紹介される有名店。中国の国家資格、中国料理調理師の最高位である「特級厨師」の免許を持つ料理長が腕をふるう本格中華を求めて市外から来る来客も多数。
看板は店名にもある氷の結晶のような見た目が華麗な「氷花餃子」。パリパリのち、手作りならではのもちもち感がしっかり味のついた餡と相性抜群で、大ぶりな餃子を思い切り頬張る感じもたのもしい。またミシュランに掲載された薬味たっぷりでエキゾチック風情な(チョマーメン)」や、さすがは鉄人・陳健一氏監修のお店、本格的な辛さに痺れる麻婆豆腐もいちおしだ。
いろいろなメニューをシェアするのも楽しいので、家族や友人と気軽に訪れてみては。
⑥ OHASHI (オハシ)
勢い止まらぬイマドキお魚居酒屋
小田原でおいしい魚を食べたいならここ!とコスパ満載な彩りメニューを元気いっぱいに展開していくうちに小田原2号店、新横浜3号店とめきめきと勢力拡大中。“お客さんに新鮮な魚をめいっぱい食べてほしくて” の名物「お刺身!!大漁盛!!」は怒涛のボリュームで1,989円という価格破壊ぶりが評判だ。
ランチメニューも店主のアイデアとお客さん想いにあふれた多彩なラインナップ。刺身・漬け・ステーキで楽しめる「まぐろづくし丼」、希少価値グルメの「まぐろホホ肉のステーキ定食」、海と山の豪華コラボ「柔らか牛ステーキ雲丹丼」、14枚の刺身+雲丹+いくらの「本気の海鮮丼」、まだまだある。
お得な会員サービスを展開するなどとにかく勢いのある居酒屋だが、その裏にある素材へのこだわりとおもてなしの精神もこの店の魅力。単なる客の立場からいつしか熱烈ファンになっていたという人も少なくない。
⑦ 洋食 葉椰子(はやし)
料理愛あふれる街の洋食屋さん
小田原駅から徒歩3分。大通りを入った小道沿いなので気づきにくいが、その隠れ家風情も素敵な街の洋食屋さん。おいしいものが大好きで料理の道にすすんだという生粋の料理好きシェフが、自分と同じく食いしん坊のお腹と心を満たすべくこだわりの一皿を提供する。
葉椰子ライス(ハヤシライス)、ハンバーグ、オムライス、ナポリタンなどランチメニューは誰もがなじみある定番アイテム。ただし一口食べればフランスで経験を積んだシェフの技術と料理への愛情がうかがえる。港町小田原らしい旨みたっぷりの「まぐろの尾の身のステーキ」も人気。サラダやコーヒーがつくので落ち着いた店内でゆっくり時間を過ごすのもいいだろう。
ちなみに夜は「丹沢産シカ肉の赤ワイン煮」などジビエ料理にも対応。2名以上の豪華フルコースや25人までのパーティーメニューも用意しているので、さまざまなシーンで利用することができる。
⑧ 相州鳥ぎん 本店
釜飯の蓋、開ける時の幸せたるや
小田原駅から徒歩5分。小田原駅前や下曽我、鴨宮、みなとみらいにも店舗があるがここが本店。昭和40年創業のやきとり・釜飯の専門店。全国の地酒や焼酎に職人の手技が光るやきとりとくれば居酒屋利用はもちろんだが、玄米から炊く釜飯メインの高コスパな満腹ランチもおすすめだ。
北海道の最高級塩いくらを使った「鮭といくらの親子」やとろける卵と竹の子の食感が快い「鶏玉たけのこ」、あさりの旨みと葱の香りがぐぐっと詰まった「葱あさり」など釜飯の種類は豊富で多彩。好みの釜飯にプラス473円でやきとり3本とサラダ、鶏スープと漬物がつくランチセットはお得感満載だ。
ちなみに釜飯は注文後に調子するため40分ほど時間がかかる。待っているあいだに単品オーダーでつなぐのもひとつ。なかでも特製味噌ダレにたっぷり漬け込んだ「鳥ぎん唐揚げ」は心ほどけるおいしさなのでぜひ試してほしい。
⑨ 田むら 銀かつ亭 HaRuNe小田原店
伝統の「豆腐かつ煮定食」は必食
1973年創業、箱根強羅駅に本店をもつとんかつの老舗。小田原店は小田原駅東口の地下街にあってアクセスがよく、伝統の味を気軽に楽しむことができる。
品書きは多彩で使い勝手のよい点がうれしい。アジフライや鯵なめろう丼(小)、湘南ゴールド味噌漬け豚などのメインがそろう「小田原御膳」、大海老フライ・ヒレかつがセットの「和豚もちぶた 銀かつ定食」、濃厚な肉の旨みを楽しめる「中川さんちのローストビーフ丼」などが人気。
また、「豆腐かつ煮定食」は豚ひき肉をはさんだ豆腐を揚たあとに土鍋で煮込んだ名物料理。これに季節の刺身と前菜がついた「豆腐かつ煮御膳」(2,000円)はお得感あふれる一品だ。
店内は明るくくつろいだ空間。仕事前の腹ごしらえや買い物途中に一休みにぜひ立ち寄ってみて。
⑩ らぁ麺 桃の屋
女性らしい繊細さがにじみ出る
カフェのようにかわいらしい入口を中に入ると、やさしい雰囲気のおうち空間にカウンターの席が9つ。小田原出身の女性が繰り出すラーメンは、子どもや年配の方も食べにくるホッとするような味わいが特徴だ。
おいしさの決め手は鶏ガラや丸鶏・煮干し節からとった濃厚ながら後味すっきりの極上スープ。そこに細目のストレート麺が絶妙にからみながらつるつると喉を通る。「こく旨醤油らぁ麺」と「あっさり塩らぁ麺」の究極の選択。脇はやまゆりポークを使った柔らかなシャーシューや旨みぎっしりの鶏団子がしっかりと固める。
ランチはミニチャーショー丼やカレー丼がつくお得セットを用意。小籠包やシフォンケーキまであって思わず長居したくなるような心地よさが魅力の、ちょっと他にはないラーメン屋さん。
⑪ 魚河岸 でん
漁港直送の地魚が丼の上にどん!
小田原駅東口から徒歩1分。小田原の朝どれ鮮魚を贅沢に使った海鮮丼を種類豊富にそろえるお店。
品目の洪水に目移りするが、店の一番人気は「小田原地魚丼」。時季ごとに内容の変わる旬の地魚をぷりぷりの鮮度と濃厚な脂のりとともにたっぷりと味わえる。また、全国のどんぶりグランプリで入賞した「湘南しらすの小田原三色丼」は、相模湾の至宝・湘南しらすを生、沖漬け、釜揚げの3種のおいしさをじっくりと堪能できる逸品。限られた時季しか味わえないご当地グルメをぜひ味わいたい。
さらに2つの味覚をあわせていくらの山がけで彩った「湘南しらすと地魚の宝石丼」は写真映えも抜群。大きなお椀いっぱいのあら汁をお得に追加して、小田原に来た実感に浸りつつ鮮度抜群の満腹ランチタイムを楽しもう。
⑫ レストラン レカイエ
本格ベルギー料理をカジュアルに
小田原駅から徒歩1分。ベルギーやギリシアの大使館で経験を積んだシェフが織りなす本場のフレンチ・ベルギー料理が人気。2015年にはミシュランに掲載された確かな実力店だ。素材本来の味を生かす技に定評があり、タジン鍋であつあつを食べられる「牛ほほ肉の黒ビール煮」や、シェフ自らが毎朝早川漁港で仕入れる鮮魚を使った魚料理はぜひ食べてほしい一皿。
ランチは2,100円、2,500円、3,800円の3つのコースから選べる。メインはプラス500円で看板の牛ほほ肉への変更も可能。B、Cにつく前菜の魚介のテリーヌやトマトのファルシは見た目も鮮やかな一品だ(日により内容は異なる)。Cは魚と肉のWメインなので繊細な味を楽しみながらお腹もしっかり満足できる。
「レカイエ」とはベルギーで牡蠣を開ける職人のこと。小田原から世界へ通づるグルメの扉を開けてみて。
⑬ ステーキハウス 優味
お値打ちステーキは高コスパ
小田原駅から徒歩6分。オレンヂビル入口の看板をたよりに2階の店内へ入ると歴史を感じる貫禄の雰囲気。米沢牛中心のステーキの専門店となれば姿勢を正したくなる気分だが、実際は家族連れも歓迎のあたたかなお店だ。
夜のお値段はそれなりだが、ランチはリーズナブルにおいしいステーキをいただける。サービスメニューのまろやか牛(豪州産)のステーキランチ(1,000円)をはじめ、ステーキ丼(1,800円)やアボガ丼(2,000円)をラインナップ。肉はどれも赤身のレアで値段の割にたっぷりのボリューム。特製ダレや付け野菜との相性もよく満足度は高い。
一段上がって国産フィレやサーロイン、黒毛和牛のサーロインがメインのちょっと豪華なコースランチもあり(3,000円~6,000円)。特別な日のご褒美やビジネスランチにも最適だ。
小田原の街は魅力がいっぱい
山と海に恵まれた小田原市には、おいしいものがたくさんある。小田原あじやかまぼこ、みかんや梅干しも名産だ。また、一年を通じて温暖な気候で過ごしやすく、城下町らしいにぎやかなお祭りも多く催される。なんだが住むのが楽しそうな小田原の街。たしかに小田原愛にあふれる住民は多く、若者が移住するパターンも増えているとか。思わず心の触手が動きそうだが、まずは下調べを兼ねて? 気軽に観光から。時代の足跡がそこかしこに残る小田原の街で、歴史ロマンいっぱいの街歩きを満喫しよう。選択肢いろいろのおすすめランチもお忘れなく。