話題店あつまる難波
首都圏にはスイーツの名店が数多い。そんな東京で人気を博した名店中の名店が、満を持して関西に進出!
そんなお店が集まるのが難波駅周辺のエリアだ。
東京で話題のお店から、大阪ならではのムーブメントを巻き起こす人気店など、12店を厳選してご紹介。パンケーキ、クレープ、ケーキ、ソフトクリームなどオールジャンルを網羅した決定版。
①オリジナルパンケーキハウス なんばパークス店
パンケーキはふわとろ党のあなたへ
日本では明治以降に普及したパンケーキ。世界的にはその起源はとても古く、紀元前まで遡るといわれる。そんなパンケーキ界に大きな転機が訪れたのはごく最近のこと。
「ふわふわ」と、まるで液体かのごとくその形状を自在に変え、「とろり」、口に運べば忍者のように消えてなくなる。そんなスフレタイプ、いわゆる「ふわとろパンケーキ」なるものがパンケーキのメインストリームに乗り入れつつある。
「オリジナルパンケーキハウス」のパンケーキは、創業者のレス・ハイエットとエルマ・ヒューニークが、アメリカで親しまれていたパンケーキのレシピと、他の国で親しまれていたパンケーキのレシピを研究して編み出したオリジナルのパンケーキだ。1953年の創業から長らく愛され続けている。
アメリカ全土では140店舗を展開するが、日本には8店舗、関西にはここしかない。
お店の看板メニューはまさにオリジナルな「ダッチベイビー」。オーブンでじっくり焼き上げた、ジャーマン生地のパンケーキだ。生地は柔らかめで、シュー生地のような感じ。ポイップバターとレモンの風味が絶妙である。
さて時代の流れから登場した「ニュータイプ」ことスフレパンケーキに注目。最先端のトレンドと老舗の安定感が見事に折り合わさる逸品だ。ふわっと口の中で溶けていく軽やかさ。バターの塩気と、温かいメープルシロップで。
②クレープリー・アルション
おしゃれな洋館でシンプルクレープ
地下鉄・御堂筋線「なんば」駅から徒歩1分。黄色い石造りの建物がトレードマークの「クレープリー・アルション」。
創業者は、フランスで初めて口にした本場のクレープと、日本の街角で食べたクレープのあまりの差に驚愕したという。その衝撃から「フランスの、あのほんものの味を伝えたい」という想いから誕生したクレープリーだ。
この印象的な建物は1952年に建てられ、内装はあたたかな木調となっている。階段の手すりや、壁に施された葡萄やリボンをモチーフとした細工は当時の職人がフランスをイメージしてひとつひとつ手で彫り上げたという。
生クリームやフルーツをたっぷりトッピングする「具を食べる」日本のクレープと違い、本場フランスのクレープはいたってシンプルだ。であるからこそ、まさに「生地を味わう」ことが強調される。
焼き上げるとパリッと、芳ばしいながらも薄く、それでいてもっちりとした旨味のあるクレープ生地。試行錯誤を続けてたどり着いたのがフランス産の小麦粉だったという。粒子が細かく、さらさらに挽く国産の小麦粉とは異なり、フランスの小麦は粗く、小麦そのものの旨味、甘みをしっかりと感じることができる。
これぞ本場なクレープ。あなたのクレープ観が変わるかも。
[土曜]11:00-21:30(L.O.)
[日曜・祝日]11:00-21:00(L.O.)
<ランチタイム>
11:30-15:00(※土日祝は11:00-17:00)
<ディナータイム >
15:00-21:30(※土は17:00-21:30、日祝は17:00-21:00)
③純喫茶アメリカン
レトロ喫茶のしっとり「ホットケーキ」
純喫茶とは、アルコールを出さない喫茶店のことを指す。昭和期の日本には全国に、居心地のいい喫茶店があふれていた。
「コーヒーショップ」で飲むコーヒーはコーヒーちゃう。「パンケーキ」なんぞハイカラなもん、よう食わんわ。あの頃と変わらぬあの味を求めるあなたに。
硬派で落ち着きを知る、古き良き喫茶のスイーツを愛するあなたにおすすめなのが「純喫茶アメリカン」。
難波駅からすぐの商店街の一角にある、地元では有名な喫茶店だ。路面にはノスタルジックなフォントの看板がある。
大きなシャンデリア、螺旋階段。これまたどこか懐かしい制服を着たウエイターがご案内。ゆったり座れるソファーは欠かせない。
モーニングサービス・ホットケーキセット。レトロなホットケーキには、バターが乗っていない。あらかじめ生地に染み込ませてあるからだ。最初から6つ切にされており、ナイフなしで食べられる。バターの豊かな香りが感じられて美味。二枚重ねになっており、朝食としては割とボリュームがある。
④ロビーカフェファシーノ
開放感のなかで上質ケーキ
御堂筋線なんば駅から徒歩5分。大阪高島屋内のなんばダイニングメゾンにある。
デパートのグルメとあって、高級感ただよう店内。白を基調とした落ち着きのある内装があなたのカフェタイムを演出する。大人のシックな雰囲気の中にも、広々とした空間、さわやかな装飾が開放感をプラスする。
ランチもなんばマダムに人気。ふだんの昼食とはワンランク違う繊細な洋食を、お得なお値段で楽しめる。メインはナポリタン、キッシュ、オムライスから選べる。ミニサラダ、コーヒーまたは紅茶がついて1330円。デザートの追加は260円という大サービス。フルーツタルト、シフォンケーキ、アイスクリームから選べる。
フルーツタルトは生地がソフト。季節のフルーツが個性を活かしたかたちであしらわれ、素材そのものの酸味と甘味を楽しめる。
カヌレも人気。バニラ、ショコラ、ピスタチオの3種類から。表面はカリッと中がモチッとした食感。バニラは独特の苦みが大人の味。ほのかに香るラムの香りがアクセントだ。
⑤茶寮 つぼ市製茶本舗 なんば店
和菓子をごゆるりと
幕末の嘉永三年(1850年)、堺に創業を迎えたつぼ市は、160年以上に渡って愛されるお茶屋。千利休生誕の地である堺で、彼の名に恥じない良質の茶を追求し続ける。
毎年、5月には鹿児島、三重、京都、静岡など、全国の茶園へ「茶鑑定士6段」の段位を持つ社長の谷本氏が出向く。茶は繊細な農産物で、土壌や育て方、またその年の天候などの影響により、品質の良し悪しが大きく左右される。たとえ隣り合う茶園であっても、お茶の木の生育が異なることがあるという。そのため、良い茶葉を選ぶには経験を積み重ねたプロの目と研ぎ澄まされた感覚が必要なのである。
そんなつぼ市の喫茶スペースは、ゆっくりとくつろげる“市中の山居”がコンセプトだ。お茶のプロが淹れる味わい豊かな日本茶といっしょに趣向を凝らした多彩なスイーツが楽しめる。お茶の味や香りを最大限に楽しめる甘味はどれも絶品で、あんこや黒蜜等はお茶に合うよう自家製を提供する。
季節のパフェとほうじ茶のセットはなんば店限定だ。パフェと温かいお茶がセットになっており、お茶は急須に入れて飲むスタイル。
そして、パフェ。秋には栗が提供されることも。濃厚な抹茶アイスと、ほうじ茶アイスが誇らしげに頂点にたたずむ。京丹波栗の栗茶巾と、栗渋皮煮、粒あんと、もちもちの白玉。最中の皮といっしょに、色々な食感を楽しめる。パフェの一番下には、自家製ほうじ茶ゼリーが入っており、最後はさっぱりと。
⑥ダマン リュミエール
紅茶と味わう新感覚ケーキ
「ダマンフレール」。創業1692年、フランス国王ルイ14世その人よりフランス国内での紅茶の独占販売権を許可された老舗の紅茶専門メーカーだ。まさにロイヤルな品格をもつダマンの紅茶はフランスの高級レストランでサーブされている。
「リュミエール」。大阪心斎橋のフレンチレストラン。ミシュランガイドで7年連続星を獲得している名店中の名店だ。ご馳走と健康を両立させた料理「野菜の美食」を掲げる。
ダマン リュミエールはフレンチレストラン「リュミエール」と、「ダマンフレール」がコラボレーションして誕生した、日本初のティーサロン&ブティックである。
お茶と甘味のマリアージュを体感するには、デザート風ケーキセット。1620円。巷であまりお目にかからないイチゴパイは、パイ生地にイチゴクリームとカスタードクリームのあいがけ。見た目にも美しい。
合わせていただくお茶はオリエンタルノア。中国茶とセイロンをベースにパッションフルーツ、ピーチ、野イチゴで香りづけしている。さわやかで甘酸っぱい香りのストレートティーが甘味を引き立てる。
パリの高級茶店のクオリティを大阪で。
⑦エルマーズグリーンインザパーク
スペシャルティコーヒーでスイーツ引き立つ
ホームメイドがコンセプトのカフェ、「エルマーズグリーンインザパーク」。南海線難波駅から200メートルのなんばパークスの3階にある。
エルマーズグリーンは2009年に北浜でカフェとして創業。北浜は古来から商業の中心で、都市的に暮らす人々の土地だ。その街にエルマーズグリーンが溶け込んできた頃、ホームメイドのコンセプトを製パン、製菓、スペシャルティコーヒー豆の焙煎までに広げた。近くにスペシャルティコーヒーの専門店を構えるほどのコーヒーに対する思い入れが深い。
おいしいコーヒーはスイーツの味を引き立てる。ウィークエンドケーキは素朴ながら上質だ。ドライフルーツなども入っており、添えられたクリームが上品なケーキである。
ホットのブレンドコーヒーも耐熱グラスで提供される。オーソドックスで香ばしさがある一杯。
⑧夫婦善哉
旅は道連れ 夫婦は情け
なにもなくても こころは錦 ついていきます… 夫婦善哉
と石川さゆりも歌ったあの名店。旅行者にも勧めたい、観光名所ともいえるお店だ。
「夫婦善哉」は、創業明治16年の老舗甘味処。130年以上前の大阪。法善寺境内に「お福」という善哉屋が開店した。文楽の太夫、竹本琴太夫こと「木文字(きもんじ)重兵衛」という人物が創業。ユニークだったのは、一人前なのに二杯のお椀に分けて善哉が出されること。「へぇー、こら変わっとる。なんで二つや」。重兵衛の妻「こと」と娘「かめ」はニッコリ笑って「おおきに。めおとでんね」と答えたという。実際は、二杯のお椀に分けることで多く見せようとしていたというのだから大阪らしい。それが現在まで「夫婦善哉」として受け継がれている
1人前2つのお椀で出される夫婦善哉、その味やいかに。日本伝統の甘味らしい優しい甘さ で、丹波大納言小豆を使用した餡は粒あん。白玉はお椀ひとつにつきひとつ。塩コンブも添えられており、塩気といっしょに食べすすめるのがおすすめ。
あなたも、円満になりたいあの人と。
⑨GUFO
おしゃれソフトクリーム
GUFOは四ツ橋駅から139メートル、北堀江にあるおしゃれなソフトクリーム屋だ。
濃厚なミルクを感じられるソフトクリームを堪能することができる。また、自由に様々なトッピングを選ぶことができるのが人気の理由だ。
壁紙、照明、雑貨などあらゆる内装がおしゃれでハイセンス。そんな空間で本格ソフトクリームを食べることができる。
キャラメルなど定番のものから、ラズベリークリスピーやメロンのようなフルーツのパフェまでさまざまな形でソフトクリームを味わえる。
[金曜・土曜・日曜]12:00-20:00
⑩サロン・ド・テ・アルション 法善寺本店
ゆったり極上スイーツの時間
お茶を味わいながらゆっくりくつろいだり、友達とおしゃべりに興じたり。優雅なカフェタイムは、ストレス社会で生きる私たちのオアシスかもしれない。
Salon de The(サロン・ド・テ)は日本語でいえば「お茶の間」といったところか。お茶をすすって、上質なスイーツに舌鼓を打つ。肩肘貼らずに、贅沢な時間を過ごせる場所だ。
食べログ評価も折り紙つき。「スイーツ WEST 百名店2020」にも選出されている。
サロン・ド・テ アルション法善寺本店限定のケーキや、注文を受けてから作る華やかな皿盛りデセールも好評。
また紅茶専門店ならではのお茶の豊かなラインナップも自慢だ。フランスから届くジョルジュ・キャノンのフレーバーティーをはじめフルーツティー、中国茶、ハーブティーなどを取り揃える。さらに月替わりで紅茶を使ったアレンジティーも楽しめる。
苺のショートケーキ。店では人気ナンバー2という王道のショートケーキ様。スポンジ、苺、生クリームというセオリー通りの構成。スポンジはしっとり系で生クリームはなめらかな甘さだ。
おしゃれでヨーロピアンな店内でティータイム。
[土曜]11:00-22:30(L.O.22:00)
[日曜・祝日]11:00-21:30(L.O.21:00)
⑪ル・ピノー 北堀江本店
オールジャンルのスイーツ名店
こちらも「スイーツ WEST 百名店2020」に選出された名店。西大橋駅から徒歩数分、メゾンドエルキタホリエにある。
都心でありながら公園が多く、どこかゆったりとした時間が流れる北堀江。1990年、そんな風情の街角にル・ピノーは誕生した。徐々に人気を集めるようになったお店は、今ではスイーツ通の集う名店中の名店になっている。
レアチーズケーキ。表面はゼリー状のベリーソースに覆われていて、中にスポンジ、レアチーズクリームととろみのあるベリーソースが入っている。全体的に口溶けなめらかで、洗練された味わいだ。チーズクリームはさっぱりとしたチーズの酸味とほのかな甘みがバランス良く共存しており、上品。ベリーソースは果実味が濃厚で、ベリーの甘酸っぱさのなかにコクがある。チーズクリームとベリーソース、2つの味が心地よいハーモニーを奏でる。
⑫タブレスカフェ
オーガニックメイプル& AOPバター
タブレスは関西を中心に展開するコーヒーベーカリー、カフェ、ダイナーのお店。なんば駅、大阪難波駅から徒歩3分ほどのクロスホテル大阪の1階にある。
食事、会話、読書、思い思いの過ごし方でティータイム。いつも日常のそばにある「テーブル」が店名「TABLES」の由来だ。TABLE(テーブル)をテーマに新しいことが生まれることから“複数形のS”、それに会話を意味する「」(括弧)をつけて「TABLES」タブレス と名付けられたという。
こちらの心斎橋「TABLES CAFÉ」は午前はサラダバー付きブランチやパンケーキ、午後はアラカルトメニューやアルコールも充実のディナーなどを提供するオールデイカフェだ。全席ソファシートで長居したくなる空間が魅力だ。
ブルーベリーコンポート&AOPバターのパンケーキはしっとりタイプ。薄めのケーキ3枚が重ねて提供される。生地の間にクリームチーズが練り込まれており、バター、メープルシロップをたっぷりつけてもくどくない。