万能の中華
世界三大料理に数えられる中華。ひとくちに中華といっても、四川、広東などさまざまな文脈の料理があり、その多様性と歴史は世界でも類を見ない。
ルーツの多様性だけではない。日本においては中華の楽しまれ方も実に多様だ。サクッとリーズナブルな定食を楽しむ町中華、高級食材や絶品のラーメンチャーハンで食通をうならせる料理屋、居酒屋感覚でワイワイやれるお店、デートや会食にも使えるフォーマルな中華飯店などなど。
この記事ではなんばエリアから、幅広い場面で利用できる中華のお店を10店厳選してご紹介。
①中華料理 大福
食べ飲み放題もできる街中華
なんば駅から難波中学校の方へ徒歩5分にある。そう目立てない路地のお店だ。ランチの定食は650円から、という安さで多彩な中華料理が楽しめる。
リーズナブルな値段設定ながら、赤を基調とした店内は、背が高く上質な椅子でゆったり食事ができる装いだ。
唐揚げ定食(700円)はランチの人気メニューのひとつ。唐揚げの衣はカリッとした食感で中はジュワッと。ニンニクとごま油の香りがする中華風の味付けが特徴だ。
「大福」は、街中華ではあまりない、食べ飲み放題のオーダーバイキングがある。土日祝日限定のランチバイキングは、2時間制で2980円。冷菜、揚げ物、一品料理、点心などおよそ50品が食べ放題、アサヒスーパードライ、焼酎、中国白酒、紹興酒、日本酒、酎ハイなが飲み放題。
[夜]17:00-23:00 (フードL.O.22:30)
②李記
駅近で ブームの台湾めし
タピオカが日本に再来し、都内にはタピオカミルクティー専門店が乱立。若者から絶大な支持を誇ったリアリティショー「テラスハウス」にも「魯肉飯(ルーローハン)」が登場し、台湾グルメブームが到来中。
そんな台湾料理を扱う料理店が南海線難波駅から徒歩数分の立地にある。なんばParksそばの道路沿いの「李記」。
品書きには台湾名物がズラリ。焼き小籠包、台湾坦々麺、ごま味混ぜ麺、そして魯肉飯、葱油餅などを味わえるお店は珍しいのではないだろうか。
魯肉飯の、甘めの醤油出汁で煮込まれた肉にはコクがある。八角の香りがアクセントだ。玉子と青梗菜も入って500円という安さも台湾流。
3人以上なら90分、2980円の食べ飲み放題プランもおすすめ。
(LO22:30)
③HILLMAN(ヒルマン)
シンガポリアン中華
「ヒルマン レストラン」はシンガポールの大衆中華レストラン。1963年創業の老舗で、エリザベス女王も訪れたという名店だ。
中国南部(福建省、広東省)、マレー、インド、イスラムなどの周辺地域の多様な料理文化の影響を受けて発達したシンガポール料理。アジア料理の様々な表情を楽しめるという特徴を有する。
ヒルマン名物「ペーパーチキン」はぜひモノ。ペーパーチキンってなに?ちょっと怪しいその名前だが、正体は絶品オリジナル料理だ。特性のタレで味付けした鶏肉を紙で包み、それを油で揚げる。秘伝のタレは醤油とジンジャーがベースといわれている。紙を破りながら食べ進めると、見事に味付けされた柔らかい鶏肉が姿をあらわす。
蒸し鶏ネギソースは柔らかく仕上げられており、肉にソースの旨味が染み込んで美味。
バルサミコ酢豚。柔らかく炊いた豚ををカリッとあげ、マイルドな酸味のバルサミコ入り甘酢でさっぱりうまい。
土曜・日曜・祝日12:00-14:00、16:00-22:00
④551蓬莱 戎橋本店
あの「551」の料理店
551蓬莱といえば、大阪名物豚まんがあまりにも有名だろう。蓬莱がもとは食堂であったのはご存知だろうか。1941年に岡山に渡って軍需工場や農産品販売店などで働いていた台湾出身の羅邦強(1915年生まれ)が創業。敗戦後も日本に留まって闇米販売などで資金を貯め、同郷の郭文沢、蔡水池、頼来陣とともに大阪の難波新地4番丁に蓬莱食堂を開いたのがはじまりだ。店名の「蓬莱」は桃源郷を意味する。成功を夢見て故郷を出てきた彼らにとって日本は夢の国であったことに由来するという。
そんな蓬莱の原点ともいえる広東料理のレストラン。かに玉、海鮮焼きそばなど、日本人に馴染み深いメニューがラインナップ。
人気ナンバー1の海鮮焼きそばと豚まんの最強コンボを楽しめるセットがおすすめ。焼きそばの麺は揚げ、蒸し、両面焼きから選べる。両面焼きはカリッとした食感ともっちりしたコシが両方味わえる。
豚まんは、粗挽きの豚ミンチ肉に、粗く刻まれた玉ねぎの餡がたっぷり入っていて安定にして絶対の美味しさ。皮まで絶品の変わらぬ味だ。
⑤中華そば ふじい 難波千日前店
昭和のこくうま中華そば
大阪の中心地ミナミの「赤道」こと難波センター街商店街すぐそばにある「ふじい」。「昔ながらの」「昭和」といったコピーとは裏腹に、最新式のタッチパネル券売機、そして綺麗な店内が迎える。
「中華そば」の麺はしっかり練り込まれた王道の普通ストレート麺、スープは和風ベースに醤油のコクが香る正統派だ。旨味を醸し出す背脂がスープを彩る。チャーシューはアンデス高原豚。
「かしわそば」。瀬戸内海の荒波にもまれた天然の魚介と小豆島産の極上醤油が効いているスープ。じっくりと丁寧に炊きあげられたカシワ、鶏から微量しかとれないチー油のよい香りであっさり、上質な一杯だ。
⑥南平
キュートな形のひとくち餃子
地下鉄なんば駅から徒歩5分、日宝ファインプラザというビルの1階奥にある餃子専門店。
ミナミに馴染んできた大阪人なら知らない人はいない、という餃子屋の名店だ。ひとくちサイズの可愛らしい形の餃子が特徴。皮はしっかり焼き目がついており、パリッとした食感だ。餡は豚肉、キャベツ、白菜、ニラから作られており、あっさりしている。
1人前は15個で700円と高コスパ。居酒屋風の専門店ながら、ライスや漬物に加え、焼きおにぎりや味噌汁などの〆メニューも充実している。
餃子には欠かせないドリンク。樽生ビールはアサヒスーパードライ。そのほかウイスキー(ハイボール)、日本酒、老酒、焼酎、酎ハイ、梅酒などを取り揃える。
[日曜・祝日]17:00-23:00(22:45LO)
⑦四川麻婆 天天酒家
昭和のこくうま中華そば
「天天酒家」は本場四川の麻婆豆腐を味わうカジュアル中華。豊富なドリンクでバルとしても利用できる。
土鍋に入った名物四川麻婆豆腐は、本場のコクのある豆板醤と山椒がピリリと効いている。深みのある辛さが難波のグルメ通をうならせる。
かなりコスパの良好なランチが人気。700円からの定食ランチは、全てに名物四川麻婆豆腐がついている。唐揚げ定食は、肉厚でジューシーな、ちょっと中華風の鶏からが絶品でボリュームも満点。
ディナーコースも、7品で2000円台など高コスパが売り。中国語で「日々」を意味する「天天」だけに、通いたくなる安さと旨さ。
18:00-24:00(LO23:00)
日曜・祝日11:30-14:30(LO14:00) 17:00-23:00(LO22:00)
⑧肉中華 堀江ブルー
肉!イクラ!トリュフ!の中華
道頓堀川の小脇にたたずむ「肉中華」のお店。肉中華は、しっかりと肉を際立たせる中華の技法を楽しむジャンルだという。
その名の通り青を基調としたフロアは、ゆったり落ち着いたラウンジのような雰囲気を演出する。窓際は一面ガラス張りのリバービューが売り。デートにももってこいのロケーションだ。
およそ1200円の「麻婆豆腐ランチ」や、丼ものも提供されるランチ。麻婆豆腐はマイルドでがっつりかき込める旨さ。
ディナーはなんといっても夜景とアルコールを楽しむ「バー」的な雰囲気が人気を博している。
トリュフ小籠包や金目鯛、和牛のローストビーフといった豪勢な食材を、中華ならではの技法で楽しむ。
ワインやカクテルに酔いながら景色を楽しめる、関西にはあまりないスタイルのお店だ。しかも中華というのは実にユニークである。
ディナー 18:00-24:00
デリバリー 12:00-23:00
テイクアウト 12:00-23:00
⑨四川火鍋専門店 蜀小龍
本場四川発!火鍋を食べるならココ
本場四川で人気の火鍋料理店「蜀小龍」が日本初出店。中華通にも愛される絶品火鍋を難波で。
数十種類の漢方食材を配合したスープが自慢の火鍋は体にやさしくヘルシー。絶品のラム肉や海鮮と豊富な漢方食材で食す。スープは豚骨スープ・麻辣スープ・トマトスープ・キノコスープから2つを選べる。麻辣のスープは小辛・中辛・鬼辛、小シビ・中シビ・鬼シビと辛さを選べる。
お肉大好きなあなたに朗報。食べ放題には各種お肉でしゃぶしゃぶができる。美容と健康に嬉しい薬膳火鍋にはビタミンたっぷり、肌荒れ防止効果もある豚肉を合わせたいところ。
⑩中華料理 琨泰
北京ダック食べ放題
こちらは広東料理のお店。広東料理は中国の経済発展と共に、この20年で大きく変わりつつあるという。その進化を取り入れたモダン中華をワイワイと楽しめる。
ランチはとにかく品数が多く、コスパが良すぎると評判だ。15種類から選べるメイン料理(1品)、春巻き、鶏の唐揚げ、サラダ、中華漬物、白ごはん、スープ、杏仁豆腐、コーヒーという内容で880円。「ボリュームがすごすぎる!」という口コミが後を絶たない。
夜はコースがおすすめ。最も安い3000円のコースは全9品で酢豚や回鍋肉が食べ放題。すべてのコースはプラス1500円で飲み放題をつけられる。
5000円の満喫コースは北京ダックが食べ放題。ロブスター・鯛・鮑など11品に加えて、本場仕込みの北京ダックを存分に楽しめる。
(L.O.23:30、ドリンクL.O.24:00)
ランチ12:00-15:00