最近、話題のバーチャルレストランとは何でしょうか? 答えは、飲食店が新しいコンセプトで展開するもう一つの店舗、またはその業態のことです。ゴーストレストランと呼ばれることもあります。この記事では、Uber Eats(ウーバーイーツ)を通じてバーチャルレストランを開店する方法や条件、メリット・デメリットをご紹介します。
Uber Eats でバーチャルレストランを始めよう!(目次) |
バーチャルレストランってなに? |
Uber Eats バーチャルレストラン出店の条件 |
Uber Eatsでバーチャルレストランを出店する方法 |
Uber Eats バーチャルレストランのメリット |
バーチャルレストランの注意点 |
バーチャルレストランってなに?
「バーチャルレストラン」とは
のことをいいます。
1つのお店が、複数の顔をもつイメージです。ちなみにこのデリバリー専門店は、オンライン上の店舗になります。
バーチャルレストランなら、
- 寿司屋が、デリバリー専門で海鮮丼の店を出す
- 洋食屋が、デリバリー専門でクレープの店を出す
- 定食屋が、デリバリー専門でカレーの店を出す
などのことが可能です。
※ Uber Eats の場合、実店舗で提供しているメニューを、バーチャルレストランで提供することはできません。(メニューを変える必要がある)
なお、「バーチャルレストラン」や「ゴーストレストラン」という文言を社名に取り入れている会社も存在します。
バーチャルレストランとゴーストレストランの違い
「バーチャルレストラン」と「ゴーストレストラン」は似ていますが、厳密には違います。
バーチャルレストランには実店舗があり、ゴーストレストランには実店舗がない(デリバリーのみで営業)という点です。
ただ実際は、バーチャルレストランとゴーストレストランは混同してとらえられている場合が多いようです。
バーチャルレストランは代行業者を活用
飲食店が副収入を得られるバーチャルレストランは、最近ますます注目されています。
ただし、バーチャルレストランは特殊な業態のため、成功させるにはコツがいります。このため、飲食店が専門の代行業者を介して展開することが通常です。
バーチャルレストラン業界の拡大とともに代行業者は増えています。ここからは、そのひとつであるUber Eats(ウーバーイーツ)に焦点をあてて、バーチャルレストラン出店の条件や方法、メリット・デメリットなどを紹介していきます。
Uber Eats バーチャルレストラン出店の条件
Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを出店するには、以下の条件があります。
実店舗がある
Uber Eats でバーチャルレストランを出店するには、実店舗があることが第一の条件です。
実店舗があるとは、つまり「飲食店営業許可証」を取得し、実際にどこかの場所にお店を構えている、ということになります。実店舗をもっていなければ、Uber Eats でバーチャルレストランを開くことはできません。
ちなみに、その実店舗がUber Eats に加盟しているか否かは問われません。2店舗目であるバーチャルレストランのみ、Uber Eats に加盟するのでもOKです。
メニューの数は10品以上
通常、Uber Eats に出店する条件は
- 飲食店営業許可証がある
- 週4日以上営業(変動あり)
- 1日3時間以上営業(変動あり)
- メニューは5品以上
です。
Uber Eats で2店舗目としてバーチャルレストランを出店する場合は、メニューの数が10品以上必要になります。
ただし、10品のうちメインとなるメニューが5品あれば、残りはサイドメニュー(サラダ、ドリンクなど)などでもかまいません。
Uber Eatsでバーチャルレストランを出店する方法
Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを出すには、何から始めるといいでしょうか? 出店の方法やながれを見ていきます。
まずは Uber Eats に登録!
すでにUber Eats に出店しているお店も、出店していないお店も、バーチャルレストランとして出したい新規店舗をUber Eats に登録するところから始めます。

Uber Eats 店舗登録の方法
Uber Eats に店舗登録をする方法は、大まかに以下のとおりです。
- Uber Eats の登録フォームへアクセス
- 店舗情報を入力
- 業務提携タイプを選択(配達/持ち帰り)
- メニュー一覧を提出(専用テンプレートあり)
- 営業許可証番号を入力
- 電子契約書に署名
ここまでで、店舗登録は完了です。Uber Eats の担当者から電話がくるのを待ちます。
Uber Eats 出店までの手順
Uber Eats の担当者から電話がきたら、出店までのながれについて説明を受けます。説明にそって、出店までの準備をしていきます。
バーチャルレストラン出店までのながれは、
- メニュー写真をアップロード(または撮影予約→撮影)
- 銀行情報の証明書類を提出
- タブレット端末の設定
- 最終確認
- 出店
となります。
電子契約書を交わしてから、バーチャルレストランの出店までの期間は、もっとも早いと1週間ほどです。
※Uber Eats の出店が初めての人は、Uber Eats に出店!の記事で、Uber Eats レストランパートナーの概要を確認できます。
Uber Eats バーチャルレストランのメリット
ここから、Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを出店するメリットを見ていきましょう。
1. 少ない客席数でも売上アップ
バーチャルレストランを開店すると、その飲食店は収入源が1つから2つになるので、単純に売上が上がります。
また、ふつうの飲食店では「客席数×回転率」が売上を立てるのに必要な指標です。その点、バーチャルレストランは客席が必要ありません。厨房設備さえ整っていれば、売上をいくらでも伸ばせます。
2. 初期費用がかからない
バーチャルレストランは、今ある実店舗を拠点に営業するので、もろもろの初期費用がかかりません。オンラインかつデリバリー専門なので、あらたに飲食スペースを作ったり、接客スタッフを雇用したりする費用も不要です。
また、初期費用をかけていない分、万一うまくいかなかった時は、すぐに撤退できることもメリットです。
3. オペレーションが乱れにくい
先述のとおり、Uber Eats でバーチャルレストランを出店する場合、実店舗で出しているメニューをそのまま採用することはできません。
このため、バーチャルレストランを展開する多くの飲食店では、既存のオペレーションにのせてむりなく提供できるメニューに絞っています。
これにより、忙しい時間帯でもオペレーションが大きく乱れる心配がありません。
4. 短期間で開店できる
飲食店ををいちから立ち上げることは大変な労力と時間がかかります。でも、バーチャルレストランなら短期間で実現可能です。
Uber Eats のプラットフォームを利用する場合は、手続きがスムーズにすすめば、3週間~1か月ほどでバーチャルレストランを開店することができます。(電子契約書を交わしてからは最短1週間ほどの見込み)
5. 気軽な商品アレンジが可能
既存のオペレーションにのっとり、少ないコストで出店できるバーチャルレストラン。だからこそ、小さな挑戦をいろいろできるでしょう。
実店舗メニューの進化版を開発したり、トレンドを意識して見た目にこだわったり。これまでにない視点で生み出される新しいアイデアは、実店舗にもメリットを及ぼすかもしれません。

Uber Eats バーチャルレストランのデメリット
反対に、Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを出店するデメリットはどんな点でしょうか。
1. 実店舗と異なる集客方法が必要
バーチャルレストランで効果的に集客するには、オンラインならではのコツが必要です。Uber Eats 上でライバル店の状況や時期を見ながら、値下げをしたり、キャンペーンを出したりすることがあげられます。
バーチャルレストランに特化した戦略のコツをつかんで安定的に集客できるようになるには、少し時間がかかるかもしれません。
2. 実店舗とは別のコストが発生
Uber Eats でバーチャルレストランを出店するにあたり、登録料や月額利用料など費用はかかりません。
それでも、デリバリー用のアイテムをそろえたり(Uber Eats の導入が初めての場合)、カメラマンに商品の撮影を依頼したり、スタッフを増員したり、一定のコストはかかってきます。
3. リピーターにつながりにくい
世の中のトレンドにのった商品を扱う場合、バーチャルレストランの出店直後は、爆発的な人気を得られるかもしれません。
しかし、トレンドが去れば、とたんにファンが離れてしまうことも考えられます。一過性の人気にとどまらず、継続的なリピーターにつなげられるよう、事業戦略を綿密に練ることが重要です。
バーチャルレストランの注意点
Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを出店する場合、以下のことを注意しましょう。
テイクアウトは出店不可のケースも
実店舗がテイクアウト専門店(パン屋、ケーキ屋、総菜屋など)である場合は、所有している営業許可証を確認しましょう。
「菓子製造業許可証」や「そうざい製造業許可証」の場合は、バーチャルレストランを出店できません。
Uber Eats に限らず、バーチャルレストランで出店するには、「飲食店営業許可証」が必要です。
バーチャルレストランの店名を明示
いざ、Uber Eats でバーチャルレストランを始める際には、実店舗のどこかに、バーチャルレストランの店名を明示しましょう。
店名を明示していないと、配達パートナーが商品ピックアップの際にわからないからです。
ただし、配達を自分たちでおこなう場合は、この限りではありません。
Uber Eats で2店舗目ならバーチャルレストラン
Uber Eats(ウーバーイーツ)でバーチャルレストランを開店する方法やメリット、注意点などをご紹介しました。コストを抑えて収益アップを見込めるバーチャルレストランは、飲食店にとって無限の可能性そのものかもしれません。便利なUber Eats のプラットフォーム活用とともに、ぜひバーチャルレストランの出店を検討してみてください。(執筆者・めしレポ編集部)