夕日のカクテル「ヨコハマ」
時は昭和初期、世界は客船と港がつないでいた。横浜は日本の玄関として、国内外の旅行者を迎えてきた。そんな旅する外国客船のバーで生まれたとされるのが、「ヨコハマ」というカクテル。日本の都市名がつけられた数少ないシティカクテルとして、サヴォイのカクテルブック(1930年に編纂された世界最古のカクテルレシピ集)にもその名が残っている。イギリスのジン、ロシアのウォッカ、フランスのアブサン。そしてオレンジジュースとザクロのシロップがまるで水平線に沈む夕日のような赤みを織りなす。
日本においてカクテルとバーの源流とも言える横浜の地から、横浜駅にほど近いおすすめのバーをご紹介。
①バー シーガーディアンⅢ そごう横浜店
ラグジュアリーで重厚な内装
ホテルニューグランドは山下公園真向かいに位置する、横浜エリアのランドマークのひとつ。マッカーサーが宿泊したことでも知られる。
「マリンルージュで愛されて 大黒ふ頭で虹を見て シーガーディアンで酔わされて」。サザンオールスターズ『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』の歌詞にも登場するバー、「シーガーディアン」はホテルニューグランドが営む正統派のバーだ。伝統あるバーの格式をそのまま、そごう横浜店で楽しめる。英国調の重厚な雰囲気のなか、濃密な大人の時間が流れていく。
店内正面が全面ガラス張りになっていて、暮れていく横浜の海が一望できる。
サボイのカクテルブックにも紹介されている、世界的なカクテル「ヨコハマ」、人気の「バンブー」等、ニューグランドならではのカクテルを味わえるのも特徴。
夜はバーだが、オープンから夕方まではカフェスタイル。ベイブリッジを臨むゆったり空間でのアフタヌーンティーもまた一興だ。
住所: 神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 10F
②GLASS DANCE 横浜
世界のビールと熟成ステーキ!
ビール好きが集まるバー。世界のビールに囲まれながら楽しく飲めるカジュアルなお店だ。グリル料理をはじめビールと相性の良い料理の数々を楽しめる。
立地は、西口を出て左手すぐの「横浜モアーズ」の9F。アメリカンな雰囲気が漂う内装だ。
オススメはなんといってもビール。品揃えがとにかく豊富で、アサヒスーパードライをはじめ、隅田川ブルーイング ゴールデンエール、常陸野ネスト、コエドなどの国内のクラフトビールを数多く揃える。ベルギービールのデュベルなどの定番輸入ビールから「テキーラビール」まで、世界のビールも幅広いラインナップで飽きさせない。
バーといえばドリンクが中心のイメージだが、GLASS DANCEはがっつりお肉を味わえるのも嬉しい。サーロインやハラミなどを鉄板でお腹いっぱい食べられる。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸1-3-1 横浜モアーズ 9F
月曜-水曜・日曜 14:00-23:00(L.O.22:00)
木曜-土曜 14:00-24:00(L.O.23:00)
③SCARAB THE BAR
生け花とお酒を楽しむバー
横浜駅みなみ西口から5分の、いわば駅チカの「穴場」のようなところにある静かなバー。エレベーターの扉が開くといけばなのお出迎え。カウンター席にもテーブル席にもいけばながあしらわれている。洗練されたモダンいけばなが居心地の良い空間を演出する。季節を彩るいけばなと熟練の技が光るカクテルを堪能できるバーだ。
レコードが流れる店内で落ち着いてグラスを傾けたい、そんな気分のときにぴったりだろう。
シックで大人の雰囲気を演出する店内と、そのコストパフォーマンスの良さは素晴らしいギャップだ。筆者も通いたいバーのひとつ。
新宿歌舞伎町のように賑やかな横浜駅西口で、銀座のようにくつろげるバー。「横浜駅近くにいることを忘れてしまう」。そんな口コミも多い。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸1-3-1 横浜モアーズ 9F
④THE RIGOLETTO OCEAN CLUB
スペインの漁町バル風
横浜駅きた西口から徒歩5分、鶴屋町にあるスペインバル。北スペイン・バスク地方の“宝石”サンセバスチャンの漁町バルをイメージしているという。魚介料理が目玉で、三陸で揚がるムール貝はたっぷりの白ワインで蒸しあげる。世界中から届くオイスターは自家製の洋わさびと激辛ソースなど、希望に沿ったポーションで提供される。
また、店自慢の薪釜で仕上げるピザや生パスタにも、新鮮な魚介類を豪快に散りばめられている。
窓面いっぱいに広がるテラス席から気持ちよく抜ける“濱の風”を感じながら、ソムリエが厳選したブティックワインを魚介の小皿と共に。
Tapasが全て500円、ワインボトルも2500円など、コストパフォーマンスも文句なし。暗めの照明、BGMを楽しみながら長居したい。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-15 CRANE YOKOHAMAビル 1F
11:00-4:00(L.O. FOOD 翌3:00/DRINK 翌3:30)
ランチ 11:00-15:00
⑤アンサンセ
隠れ家ワインバー
アンサンセ(l’ insense)はワインと日本酒、野菜を楽しめるワインバーだ。
横浜駅西口を出て内海橋を抜けながら5分ほど歩くとたどり着く。階段を下りていくと照明落とし気味の空間が広がり、イメージ的にはテーブル、照明の飴色と椅子の赤色のコントラストが美しい店内。
ワインはほとんどがフランス産で、グラスでも常時10種類は用意している。ボトルワインもブルゴーニュや南仏を中心に数多く取り揃える。
野菜は戸塚、藤沢の農家を日々廻って集めているというこだわりぶり。それぞれにシェフのひと手間を加えて提供する。お魚、お肉も種類は少なめながら全て本物を楽しめる。
日本酒はオーナー好みの純米酒を用意。「何かあても考えますので申し付け下さい」というホスピタリティーだ。
住所: 神奈川県横浜市西区北幸2-5-22 福井ビル B1F
⑥バー オーフェン
レンガ造りのあたたかみ
今夜も横浜駅西口・南幸の喧騒の中、静けさを求めてふらりと立ち寄ってしまう人が。店の前に来ると、レンガ造りの外装に赤みがかった木のドアに惹きつけられる。中に入るとレトロなバックバーにボトルがぎっしりと並んでいる。
いつもカウンターには数名のひとり客があり、一人での来店が快適だという評判だ。
定番のカクテルはもちろん、珍しいウイスキーも350種類以上も取り揃えており様々なバリエーションが楽しめる。
オーフェンの売りは旬のフレッシュな果物を贅沢に使用したフルーツカクテル。
横浜西口から徒歩4分と好アクセスながら、ストレスフリーな空間で、自分とゆったり向き合う時間を設けてみては。
住所: 神奈川県横浜市西区南幸2-3-11 南幸ビル
⑦RAI’S BAR
スポットライトに照らされた長いカウンター
「The Cocktail Lounge」と銘打つのは横浜・鶴屋町のショットバー、「RAI’S BAR(ライズバー)」だ。ショットバーとは、お酒をボトルではなく一杯ずつグラスで提供するスタイルのバーを指す和製英語だ。
RAI’S BARではこの道が長いバーテンダーが種類豊富のドリンクを提供してくれ、オリジナルでカクテルを作ってくれることもあるという。
フードメニューにこだわりを注ぐのもこのバーの特徴で、スモークサーモンのマリネ、ガーリックとアンチョビのピザ、タコのスパイシー唐揚げなどの手間のかかった料理も提供してくれる。
カウンターを中心にモノトーンで統一された店内、長いカウンターでくつろぎながら優雅なひと時を過ごすのもいいかもしれない。こちらも横浜駅から徒歩5分と好アクセス。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-7-5 YTビル1F
⑧クラシック 横浜
雰囲気は意外とカジュアルで◯
駅の近くながら、地元民の筆者も「こんな通りに店が!」と思うような穴場の立地。「クラシック」は「一流の、格式のある」という意味だ。
その名にふさわしく、目立たぬビルの中でゆったりとした時間を過ごせる内装。一枚板で作られた荘厳なカウンターがおしゃれ。しかし、店員やお客の雰囲気は意外と明るくカジュアルで居心地がいい。
一番人気のモスコミュールは誕生当初のレシピを再現している、ジンジャーがピリッと効いた味わいだ。ほとんどの客から注文があるというほど人気の一杯。
月替わりの旬のフルーツで作った季節感あふれるカクテルも魅力のひとつ。フルーティーな味わいで女性に人気、栄養満点で美容にもいいとか。
住所: 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-7-18 YSビルB1
⑨マルソウ
ランチも営業、夜はフレアバー
横浜駅東口からすぐの「スカイビル」はグルメが充実していることで有名だ。1階にある「カフェ・バー・マルソウ」は、昼はお手頃なランチ営業もしているシンプルなカフェバー。
朝10時の開店と早く、なんとアルコールの提供もしているというのがポイントだ。
ランチサービスはタコライス350円〜(Sサイズ)、ハンバーグカレー600円〜(Mサイズ)とリーズナブル。ただし、ドリンクの値段は含まないので注意。
横浜で過ごすオフの日にお昼から飲もう、という際にはうってつけだろう。
さて、夜はがらりと変わってブリティッシュパブのような雰囲気に。なんとフレアバーテンディング(バーテンダーがシェーカーなどで曲芸を見せながらカクテルを提供する)を楽しめる。
住所: 神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビル 1F
[月曜-木曜・日曜]10:00-24:00(L.O 23:30)
[金曜・土曜・祝前日]10:00-25:00(L.O 24:30)
※バータイム 17:00以降
※日曜の祝前日の場合普段通り
※日曜・祝 終日カフェ
⑩ラストワルツ
古き良きアメリカ ロックバー
海を感じる横浜駅東口の高島にある。ここは駅から362メートルという近さながら「裏横浜」と呼ばれる穴場だ。
木を基調とした「場末のアメリカ」を感じる装い。古い音楽雑誌のバックナンバー、レトロなオーディオで溢れる店内。かかっている曲はジェームス・テイラーなどのポピュラーロック、カントリーミュージックなどあたたかく、どこか懐かしい音楽。
店名の「ラストワルツ」はアメリカのロックバンド「ザ・バンド」が1976年、サンフランシスコで行った彼らの解散ライブのタイトルだ。
音楽に身を委ねながらゴキゲンに飲むなら、ウイスキーにミックスナッツがバッチリかな。コストパフォーマンスも評判高い名店。
住所: 神奈川県横浜市西区高島2-10-24