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【新宿~御茶ノ水 編】吉田類の訪れた酒場10選【吉田類の酒場放浪記】

初回放送から10年以上、年々深みの増すお店を紹介

「吉田類の酒場放浪記」は、酒場詩人こと吉田 類さんが素敵な酒場に酒と肴を求めてさまよう番組。BS-TBSにて月曜夜9時に放送されている2003年から続く長寿番組だ。酒場の主人と話しながら嬉しそうに酒を飲む類さんの姿に、「自分もこう飲みたい」と思う視聴者も少なくないだろう。

この記事では番組内で類さんの訪れたお店の中でも、もうあまり再放送されることのない2007年以前に初回放送されたお店から、中央総武線沿線の新宿・四谷・飯田橋周辺に絞りこみ、今もなお現役の10店舗を紹介する。

酒場放浪記では、吉田 類さんが2014年にグッドエイジャー賞を受賞した際、特別回も放送された。今回紹介するお店はいずれも類さんのようにいい年月を重ねたお店ばかり。
歴史もあるよい酒場との出会いに、この記事も一つの参考になればうれしい。

吉田類の訪れた酒場10選

店舗
(クリックで詳細)
放送回
(リンクは公式ページ)
総武線 最寄駅 ジャンルや看板メニュー
鳥城酒蔵 #010 飯田橋 もつ焼き もつ煮込
鳥しづ #085 飯田橋 焼き鳥
#172 飯田橋 沖縄料理 地豆豆腐
鳥政 #229 飯田橋 焼き鳥 TJSPカレー
兵六 #084 御茶ノ水 焼酎バー 餃子
酔の助 神保町本店 #227 御茶ノ水 ガンダーラ 古代岩塩ピザ
#173 四ツ谷 割烹 小料理 お通し
鼎(かなえ) #012 新宿 魚介・海鮮料理
カブト #081 新宿 うなぎ 一通り
海森(かいしん) #093 新宿 沖縄料理 麩チャンプルー

① 鳥城酒蔵【飯田橋】

再開発で生まれ変わったもつ焼きの老舗

法政大学をはじめとする大学側への西口の移設や、飯田橋サクラテラスの開業など、再開発の進む飯田橋駅周辺。現西口周辺は人気店舗が多数立ち並ぶ飲み屋通りが形成されていた。

「酒場放浪記」#10にて類さんが濁り酒を楽しんだ「鳥城酒蔵」さんも、その通りに店を構えていた。2009年に再開発の一つとして建てられた飯田橋プラーノの敷地内となってしまったために一度閉店、プラーノモールの開業とともに移転として再度開店したお店だ。

ロケ当時(2003年)に訪れた店舗は移転前のもので、もう昭和風情を楽しめる酒場ではなくなってしまったかもしれないが、創業から変わらない味のメニューは多数存在する。

「鳥城酒蔵」さんでお勧めしたいメニューは「もつ煮込み」だ。鮮度が落ちると茶色くかたくなってしまうモツだが、このお店の煮込みは薄桃がかっていてとてもやわらかい。モツ自体がおいしいため塩辛い味付けは不要で、ダシのしみこみ具合もたまらない。

串は150円がベース、一品料理も500円前後となかなかリーズナブルな価格設定で、満足の飲みになることは間違いない。なにも歴史は店構えだけではない。確かに感じる老舗の味と気配りのうれしいお店だ。

店舗情報

住所: 東京都千代田区富士見2-7-2 飯田橋プラーノモール Cゾーン104

アクセス: JR・地下鉄各線「飯田橋駅」東口より徒歩2-3分
営業時間:
[月曜-金曜]17:00-23:00
[土曜]16:00-21:00
定休日:日曜・祝日
平均予算: 3,000円程度

② 島【飯田橋】

沖縄料理店の実力は豆腐でわかる!?

1972年の沖縄返還よりもさらに10年前、1962年に宮古島出身の初代店主が開業した沖縄料理のお店が「島」である。都内随一の歴史がある沖縄料理店は「沖縄そば」「海ぶどう」の名付け親に当たるお店だ。

「アド街ック天国」で飯田橋の上位に紹介されたこともあるこのお店を類さんが訪れたのは#172。当時は二代目店主夫妻と娘さんで営業されていたが、いまでは娘夫婦がメインで受け継ぎ切り盛りされている。

ゴーヤやパパイヤのチャンプルーや沖縄そば、ラフテーなど沖縄料理のオールスターがメニューに並ぶ中、おすすめのメニューは地豆(ジーマミ)豆腐だ。落花生をすりつぶすところから作るこの豆腐は、粘りがありもちもち。落花生の香ばしさの広がる余韻もすばらしい逸品だ。

店舗情報

住所:東京都千代田区富士見2-4-7 島ビル 1F

アクセス:
JR中央線【飯田橋駅】徒歩4分
東京メトロ有楽町線・南北線・東西線【飯田橋駅】徒歩5分
都営地下鉄大江戸線【飯田橋駅】徒歩6分
営業時間:
[月曜-金曜]11:30-13:40/17:00-23:00
[土曜]17:00-22:00
定休日: 日曜、祝日
平均予算: 3,000-4,000円

③ 鳥政【飯田橋】

江戸城の大外、長屋起源の老舗焼き鳥居酒屋

「鳥政」は、JR飯田橋駅東口から五差路と川の手前側、メトロであればA1出口から道を挟んだ向かいにある焼き鳥中心の居酒屋だ。横長の3階建ての千代田街ビルはもともと、江戸城外堀の一番外側に位置する八軒長屋に昭和初期頃居酒屋がズラリと入ったのが起源。立て直しからもすでに半世紀以上経ち、ディープ昭和レトロな雰囲気の佇まいだ。

戦前の八軒長屋時代から続く老舗居酒屋が「鳥政」さん。なんと近所の小石川後楽園の開園より歴史が長い。創業以来提供されている焼き鳥がうまいのはもちろん、焼き鳥に限らず焼き魚、刺身、煮込み、揚げ物など、居酒屋で食べたくなるものは一通りそろっている。

#229にて類さんが番組で訪れた2007年は先代が営業していた。今は三代目に代替わりして営業している。その三代目が作った新メニュー、TJSP(ていじスペシャル)シリーズが人気。店主がスパイスにこだわって作るカレー、シシカバブ、タンドリーチキンは先代からの常連にも愛される新定番となっている。

店舗情報

住所: 東京都千代田区飯田橋3-11-30 千代田街ビル 1F

アクセス:
JR中央線【飯田橋駅】東口 徒歩2分
東京メトロ東西線【飯田橋駅】徒歩2分
都営地下鉄大江戸線【飯田橋駅】徒歩3分
営業時間:17:30-24:00(L.O.23:00)
定休日: 土曜・日曜・祝日
平均予算: 3,000円程度

④ 鳥しづ【飯田橋】

鶏肉やの焼き鳥とあたたかな女将

神楽坂の路地、創業90余年の老舗鶏肉専門店が営む焼き鳥のお店が「鳥しづ」である。人のいい女将が焼き場を担当する店内は、同じくあたたかな雰囲気の客でにぎわっている。

2004年に「アド街ック天国」の神楽坂回で1位の「路地裏の名店」の一部として紹介されたことがあるなど、メディア露出もたびたびしているこのお店。#85で類さんが訪れた際も登場した「なんこつ」メニューをおすすめしたい。希少なためメニューには記されていないが、頃合いを見て女将に尋ねてみよう。運が良ければ6種類まで用意があるそう。

安い串は110円と個人の居酒屋にしては破格のため、二件目で少しだけ、という使い方にも向いている。大学やビジネス街のおおきな飲み需要がある飯田橋・神楽坂エリアにおいて貴重なお店といえる。

店舗情報

住所: 東京都新宿区神楽坂4-4

アクセス:
東京メトロ有楽町線・南北線【飯田橋駅】徒歩4分
JR中央線【飯田橋駅】西口 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線【牛込神楽坂駅】徒歩5分
営業時間:
11:30-14:00/17:00-22:30
 (ランチ・タイムは不定期営業)
定休日: 日曜日、毎月7日・20日
平均予算: 3,000-4,000円

⑤ 酔の助 神保町本店【御茶ノ水】

ドラマにもたびたび登場する「THE 酒場」

古書店街として知られながらも、意外と居酒屋の名店が点々と存在する街、神保町。類さんが#227で訪れたのは大衆酒蔵「酔の助 神保町本店」だ。

2016年に大ブームとなったテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のロケ地として有名になり、聖地を訪れる女性客で大賑わいとなったこのお店だが、ドラマブームが落ち着いたいまも、近辺のビジネスマンや大学生などで賑わいを見せるお店。

いかにも「大衆酒場」といった白と黄色の短冊+黒板メニュー、むき出しの換気扇や古びてしまった押しボタンなど、雰囲気抜群。そんな「酔の助」おすすめのメニューは類さんも頬張った「ガンダーラ 古代岩塩のピザ」だ。チーズを岩塩のみで味付けした薄いピザだが、これのビールにホッピー、サワーやハイボールに合うこと。ぜひ試していただきたい逸品だ。

店舗情報

住所: 東京都千代田区神田神保町1-16-4

アクセス:
神保町駅(A5出口)より徒歩1分
JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩8分
営業時間:
[月曜-土曜]/16:00-23:30(L.O.23:00)
[日曜,祝日]/16:00-23:00(L.O.22:30)
定休日: 年中無休
平均予算: 3,000円程度

⑥ 兵六【御茶ノ水】

酒もつまみも人の魅力が進ませる

酒場放浪記#84にて類さんが「とっておき」として紹介した角の居酒屋が「兵六」さんだ。戦後から続くこのお店、上海帰りの初代が開店以来続く老舗だ。だらしない飲み方をする客を蹴り出すなど、伝説的に語られる初代。その人柄が築き上げた客層はいまも続いており、なんとも雰囲気の統一された男の酒場である。

板に書かれたお酒メニューと、それと見間違うほどに茶ばんでしまった紙の料理メニュー。特におすすめしたいのは初代が上海から持ち帰った中華メニューの数々だろう。

特に人気があるのは焼き色美しい「餃子」。揚げたのかと思わせるカリカリの仕上がりは居酒屋のクオリティをはるかに凌駕するもの。しめの「炒麺(やきそば)」もぜひ注文したい一皿。

手ごろにしてうまい料理をつまみつつ、薩摩出身の先代が入れた薩摩焼酎「無双」を燗にして飲むのが定番。雰囲気で酒が進み、酔いすぎないように注意しなくてはいけない名酒場。いまだに冷暖房・電話無しお店であるため、実際に向かわないと入れるかわからないため注意。

店舗情報

住所: 東京都千代田区神田神保町1-3

アクセス:
都営地下鉄新宿線・三田線、東京メトロ半蔵門線 神保町駅 徒歩2分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 徒歩6分
JR中央線 御茶ノ水駅 徒歩7分
営業時間:17:00-22:30
定休日: 土曜・日曜・祝日
平均予算:3,000-4,000円

⑦ 酒肴 味【四ツ谷】

渋い店内でいただく旨い酒肴

四ツ谷駅から出て新宿に向かう新宿通り。繁華街といった賑わいはないにしろ、路地に入ると居酒屋をはじめ様々な業種の店が営業している。類さんが#173で訪れた「酒肴 味」は、名の通り魚料理と酒(特に日本酒)にこだわって営業するお店だ。

このお店が評価される点の一つとして「お通し」への手の込み方だろう。その日用意できた店主の食べてほしいものを三種類ほど出してもらえる。どれも酒に合う手の込んだ味わいで、いい飲みを確信させるのに十分な力を持っている。

魚自慢のこのお店、刺身がうまいのはもちろんのこと、盛りの美しさもすばらしい。つみれのメニューも多数存在。味勝負のこのお店、おすすめは店主に聞いてほしいところ。初見の客にも食べてほしいとっておきを出してくれる。

店舗情報

住所: 東京都新宿区三栄町8

アクセス:JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線6【四ツ谷駅】徒歩6分
営業時間:17:00-22:30(L.O.22:00)
定休日: 日曜・祝日
平均予算: 5,000-6,000円

⑧ 鼎(かなえ)【新宿】

鮮魚をはじめとするつまみの実力

新宿三丁目、東京メトロの出口に囲まれた地帯に広がる飲み屋街。大衆海鮮居酒屋の地下にあるのが、老舗居酒屋「鼎 (かなえ)」だ。類さんが#12で訪れた時と変わらず地下の広いワンフロアで営業している高級居酒屋で、何より料理のハズレのなさで人気のお店だ。

なにかメニューをおすすめするのが難しいほどどれを頼んでもおいしいと評判のお店。かなえを訪れたのであれば刺身をいただきたいのは当然として、馬刺やポテトサラダに竜田揚げなど、肴以外のメニューにも人気が集まる。

老舗居酒屋には珍しく、飲み放題のプランも用意されている。一本ずつ頼むとやや割高なことを考えるとかなりお得だ。お酒を楽しみたい方はコースを予約してうかがってほしい。

店舗情報
B1F
住所:東京都新宿区新宿3-12-12 B1F

アクセス:
新宿三丁目駅 徒歩3分
JR新宿駅 東口より徒歩7分
営業時間: 17:00-翌0:00(L.O.22:45)
日曜・祝日 16:30-23:00(L.O.21:45)
定休日: 年中無休
平均予算:6,000円程度

⑨ カブト【新宿】

思い出横丁、うなぎ串飲みの名店

新宿の酒場と言えば思い浮かぶのは「思い出横丁」だろうか。戦後の闇市として栄えたものを基とするこの横丁には老舗が立ち並んでいる。名物的な通りの中心に位置する「カブト」は#81にて類さんが訪れたうなぎの串焼きの名店である。

番組が放送された2005年当時のメニューはうなぎをワンセットで味わう「一通り」(1,260円)。えり から れば までうなぎの串焼きが7本一通りで食べて飲んで2000円程度、というお店だった。

主人が誰彼構わずしゃべりかけながらてきぱきと串を焼く姿、火に落ちた脂が昇りすすまみれになった灯りなど、闇市の雰囲気はそのまま。いまは食べづらくなってしまったうなぎをふらりと立ち寄りで食べることができる。

残念なことに、近年のうなぎの高騰で一通りは2,000円弱まで段階的に値上げされてしまった。希少部位のれば焼きももう出てないようだ。
しかし、うなぎ逆風のこの時代に立ち寄り3,000円程度でうなぎで飲めるお店は大変貴重な存在だ。2000年代に噂された再開発計画を乗り越えた思い出通り中心のお店として、長くあり続けてほしいお店だ。

店舗情報

住所: 東京都新宿区西新宿1-2-11 思い出横丁

アクセス:
新宿駅西口より徒歩2分
西武新宿駅より徒歩5分
営業時間:13:00-20:00(L.O. 19:30)
定休日:日曜・祝日・年末年始
平均予算: 2,000-3,000円

⑩ 海森(かいしん)【新宿】

新宿の沖縄 デザートも人気

海のステンドグラスと木の扉に沖縄料理ありますと書かれた黒板。新宿の沖縄料理店として紹介するのは#93にて類さんの訪れた「海森(かいしん)」だ。主人が作ったガラス工芸品に囲まれた店内は新宿とは隔離された沖縄というのがまさにちょうどよいだろう。

常連客でにぎわう店内で、沖縄と言えば、の「オリオンビール」や「泡盛」を沖縄料理とともにいただく。泡盛を注ぐグラスも琉球ガラス。温かみのある手作りだ。

〆のおすすめはイカ墨やきそば。イカ墨のうまみが沖縄そばの麺に絡みつきたまらない逸品だ。また海森はデザートが人気のお店でもある。沖縄のみそ餡である「あんだんすー」を巻き込んだ沖縄版クレープ「ポーポー」や、紫芋のゴマ団子など、沖縄料理店ならではのデザートも楽しいお店だ。

店舗情報

住所: 東京都新宿区新宿3-8-5 イオヤビル 1F

アクセス: 新宿三丁目駅から201m
営業時間:[月曜-土曜] 18:00-翌5:00
定休日:日曜
平均予算: 4,000円程度

酒場放浪記で吉田類の訪れた酒場10選 まとめ

「吉田類の酒場放浪記」開始から18年目、900店舗を超えるアーカイブから2007年までに紹介され、今も現役で営業を続けるお店から10店舗。新宿から御茶ノ水の総武線沿線に絞って紹介した。
時代とともにお店も入れ替わり、安価なチェーン居酒屋の台頭とともにひっそりと閉店していく酒場たち。そんな時代に、ビジネス街で働く人や地元の人に愛されて営業を続ける名店ぞろいだ。

今回紹介したエリアは都内でも屈指の飲み屋天国が中心となっている。わざわざ街を訪れて紹介したお店だけで帰るのはもったいない。番組のシメの類さんのように「もう数軒」いいお店を探して飲んでみることもあわせておすすめしたい。