盛岡で至高のラーメンに出会う!
「わんこそば」や「盛岡冷麺」「盛岡じゃじゃ麺」など、昔から麺グルメが盛況な盛岡。そんな競合に負けじとラーメンも個性の光る名店が多い。昔ながらの流儀を守るノスタルジー系から若者一押しのガッツリ系、ニボラー大絶賛の焼干し系など、多彩なジャンルをしずる感満載でお届けする。
店舗 (クリックで詳細) |
エリア | 特徴や内容 |
① 中河(なかがわ) | 本町通 | 盛岡の歴史と歩む殿堂入り「中華そば」 |
② たかみ屋 | 肴町 | 地元人が憩う盛岡一の老舗ラーメン店 |
③ らあめん サンド | 西青 | 比内地鶏とシャモロックの滋味深いスープ |
④ ラーメン火ノ鷺 | 北山 | 大汗必至の「ヒノトリラーメン」は辛党も納得 |
⑤ RA-MEN IKKEN(ラーメン イッケン) | 夕顔瀬町 | 変化球連投の個性派ラーメン店 |
⑥ 焼干しらーめん 渡り家(わたりや) | 黒川 | 焼干しと丸鶏の二枚看板で勝負 |
⑦ ふじわら屋 | 肴町 | 古き良き盛岡を感じる懐かしの味 |
⑧ 麺の極 はなみち | 前九年 | 若者を魅せるパワフルなラーメン |
⑨ じゃじゃ麺 おもり | 岩手郡雫石町 | じゃじゃ麺のプロが繰り出す珠玉のラーメン |
⑩ はすの屋 | 紺屋町 | 看板「支那麺」はほっこりノスタルジー系 |
① 中河(なかがわ)
盛岡の歴史と歩む殿堂入り「中華そば」
上盛岡駅から徒歩約10分。本町通にある「中河」は、盛岡市民なら知らぬ人はいない老舗。メニューは「中華そば」一品のみ。
のり、メンマ、ねぎ、チャーシュー2枚の昔ながらのシンプルスタイル。クリアなスープは薄い色の見た目からは意外なほど、層の厚い旨みを感じられる。
中細の麵はやや硬めでしこしことコシがあり、心地よい噛み応え。煮だし系のチャーシューも懐かしい味わいだ。
具材、スープ、麺、すべてがどこまでも素朴ながら、寸分狂わぬ統一感で美しくまとまっているような印象。盛岡にきたら一度は食べてみてほしい。
② たかみ屋
地元人が憩う盛岡一の老舗ラーメン店
盛岡バスセンター近くにある「たかみ屋」は、「中河」と並ぶ盛岡の老舗ラーメン店。1938年の創業以来、子どもからお年寄りまで、幅広い世代に愛されている。
魚介の風味をまとった醤油ベースのスープはまろやかな甘みが特徴。表面は油膜が覆い、コクがあるが不思議としつこさはない。
「チャーシューメン」は、豚バラロールのチャーシューの柔らかさと舌に絡みつくような食感が美味。玉子色の細麵は固めの茹で加減ですすり甲斐がある。
こちらも看板の「うまにラーメン」は、くったり感がくせになる野菜と肉がたっぷり入ったあんがたっぷりと。スープの醤油味とあんの塩味のコントラストも楽しい。
ほかにも「ワンタン」「ワンタンメン」「もやしラーメン」などがあり、地元ファンは自分のお気に入りをその日の気分でローテーションしているようだ。
仙北町駅から車で約3分
③ らあめん サンド
比内地鶏とシャモロックの滋味深いスープ
西青山にある「らあめん サンド」は店内12席だけの小さなお店。並んでも食べたい至高の一杯は、秋田比内地鶏と青森シャモロックを使った自家製の鶏ガラスープが自慢だ。
リピート必至の「鶏そば」は、雑味のない端麗な清湯スープに、国産小麦を使って毎日製麺するつるつるとすべりのよいストレート麺が黄金マッチ。
醤油も愛知のたまり醤油はじめ各地の醤油をブレンドするなどこだわりが強い。
「比内地鶏とシャモロックの塩らあめん」は潔くあっさりなのに、めくるめくような深い旨みが幾重にもなって口の中に広がっていく。
低温調理でしっとりなめらかな自家製チャーシューも一食の価値あり。
ほかに鶏の煮干しを使った郷愁をそそる「中華そば」も人気がある。
④ ラーメン火ノ鷺 ~HINOTORI~
大汗必至の「ヒノトリラーメン」は辛党も納得
上盛岡駅から7、8分歩くと見えてくる「味噌ラーメン」の看板。遠方から訪れるお客さんもいる繁盛店だ。
定番の「ヒノトリラーメン」は、胡麻のきいた味噌ベースのスープ。麵は中太でぷりぷりとした食感だ。
辛み、痺れともに調整可能でプラス100円の「レベル3」は大汗をかかせる本気の刺激。スープ本来のまろやかな旨みを楽しみたいなら「2」がいいかもしれない。
セメント系のヴィジュアルがインパクト大の「濃厚煮干しそば」。妥協のない豊かな煮干しの味と香り、それでもえぐみや生臭さはなくて食べやすい。
麵はプツプツとした食感を楽しめる中細のストレート麺。豚ロースと鶏むねをそれぞれ使ったこだわりのチャーシューもじっくり味比べしてみて。
そしてこちらもファン多数の「ローストビーフまぜそば」。
旨みあふれる柔らかなローストビーフに上品な甘さの醤油ダレが相性抜群。半分くらいとっておき、無料ライスを注文してローストビーフ丼とする人も少なくない。
まぜそばといっても、不思議なくらい油っぽさがなくてつるつると食べ進めてしまう一杯だ。
⑤ RA-MEN IKKEN(ラーメン イッケン)
変化球連投の個性派ラーメン店
盛岡駅から徒歩15分。夕顔瀬郵便局そばにあるポップな外観。店内もカフェのようにおしゃれで女性一人客の姿も見える。
無化調と自家製麺にこだわる店主のラーメンは、斬新なアイデアに満ちた個性派ヌードルのオンパレード。とある日、とある月の限定メニューをご紹介しよう。
「鶏白湯しょうゆらーめん」は鶏ガラのベースに宗田節が加わり旨みを増幅。鶏むねとせせり、異なる2種のチャーシューもポイントだ。
「エビ油そば」は、トマトで煮たひき肉とアボガドがほんのりメキシカン。トマトと唐辛子のお酢をかければ風が通るような爽やかな味変を楽しめる。
煮干し、鶏、野菜で炊いたスープが飴色に光る「背脂生姜しょうゆらーめん」。背脂のこっくりとした甘みが後をひき、たっぷりの生姜で体の芯からポカポカと温まる。
店主の気まぐれな新作は店のSNSでチェックできるので、ぜひのぞいてみて。
⑥ 焼干しらーめん 渡り家(わたりや)
焼干しと丸鶏の二枚看板で勝負
矢幅駅から車を10分弱走らせた「徳田橋東」の交差点近く。焼干しと丸鶏、2種類のスープを看板に据える勢いのあるラーメン店。
人気の「コク煮干しラーメン」は、焼干しならではのパンチのある香りがダイレクトに伝わる一杯。けれど後味はどこか優しく、その食べやすさで女性にも人気だ。
ぷりぷりと弾むように食感のよい中細ちぢれ麵と、とろけるように柔らかなチャーシューとのバランスも文句ない。
「丸鶏醤油チャーシュー麵」もリピーターの多い定番メニュー。透きとおった飴色のスープはまるみのあるコクがたっぷりで、舌だけでなく心もふくふくと満たされるようだ。
さらに、ラーメン派もふと食べたくなる「コク煮干しつけ麵」。鼻腔をくすぐる香り高いスープとつるつると喉越しのよい麵。個々の秀逸な魅力と、二つが交わったときの口福、そのどちらも堪能したいなら、これに限る。
⑦ ふじわら屋
古き良き盛岡を感じる懐かしの味
盛岡市肴町(さかなちょう)にある「ふじわら屋」は、昔ながらの “盛岡ラーメン” が今も健在のお店。
魚介系の芳醇なスープは、醤油の旨味が引き立つやさしい甘さが特徴だ。一番人気の「チャーシューメン」は自家製の厚切りチャーシューが7、8枚入って満足のボリューム。絶妙のトロトロ加減に箸が止まらない。
つるりとした口当たりがたまらないワンタンも美味。ばっつん系の中細ちぢれ麺とともに軽やかなのどごしが楽しめる。ちなみに盛岡のご当地グルメ「じゃじゃ麺」も、ふとしたときに無性に食べたくなる一皿だ。
流行りにのった今どきラーメンもいいが、食堂風情のゆるりとした空間で味わう昔ながらのラーメンも、またおいしい。
⑧ 麺の極 はなみち
若者を魅せるパワフルなラーメン
前九年の館坂交差点近くにある「はなみち」は、食べ盛りの若者ファンが多いお店。
まずいただきたい定番は「一撃醤油」。鰹とニンニクがきいたスープは奥行を感じる深い香りと味わいが特徴。背脂がまったりとした口あたりを醸し出すが、後味は意外なほどすっきりしている。
麵は中太の平麵でしっかりとスープにからむタイプ。もちもちとたのもしい弾力がなんともクセになる。
週末限定の「濃厚煮干しチャーシュー麵」は味もボリュームも大満足。煮干し本来の旨みがしみじみと伝わるスープはその雑味のなさに感動。とろけるような自家製チャーシューは、あまりのおいしさに量にかかわらずペロリと間食してしまう。
とある日の限定メニューで登場した「まぜそば牛まみれ」。味がしみたほろほろの牛スジに牛ハラミまでのっかり、すべてをまぜこぜにすれば丼の中はグルメのカオス。
こうした限定の絶品変化球が若者の飽くなき探求心を刺激しているのだ。明日の一品が気になる人は、お店のTwitterをチェック。
⑨ じゃじゃ麺 おもり(番外編:岩手郡)
じゃじゃ麺のプロが繰り出す珠玉のラーメン
その名のとおり「盛岡じゃじゃ麺」の専門店ながらラーメンにもがっつり注力しているのが岩手郡雫石町にある「おもり」。定番の中華そばから思わずメニューを二度読みしてしまう個性派まで幅広く展開する。
「プレミアム中華 アリラン式スタミナブラック」は、甘辛じょっぱい濃厚スープに野菜や肉、玉子などをトッピングして自分好みの一杯にしあげるスタミナいっぱいの一杯。パンチのきいたスープにしっかり食らいつく低加水平打ち麺もポイントだ。
「笠岡式かしわそば」は、てっぱんの鶏ガラに煮干しをブレンドしたオリジナルスープの滋味深さが秀逸。麺は小麦の風味豊かな極細ストレート麺で、特製ダレで煮込んだ鶏チャーシューや、青々とした香りが生きる長ネギなど随所にこだわりが見える。
店主の麵に対する飽くなき探求心に乞うご期待。
⑩ はすの屋
看板「支那麺」はほっこりノスタルジー系
上盛岡駅から車で3分ほどの距離にある「はすの屋」は、2軒利用も少なくないほっこりと素朴な中華そばが人気。
「支那麺(しなめん)」は、まずはそのノスタルジックな見た目に癒される。琥珀色のスープは煮干しと節から丁寧に出汁をとり、あっさりながら染み入るような味わいが特徴。
ほどよく味のついた柔らかなチャーシューもどこか懐かしい。
4つのメニューのうち一日20食限定の「黒麺」は、青なんばん(青唐辛子)が効いてピリッと刺激的。ちなみにインパクトある黒の正体は秘密なのだそう……。ちょっと他にない個性的な味のラーメンなので、興味のある人はぜひ一度お試しを。
めくるめく麺グルメの世界を盛岡で!
盛岡でおすすめのラーメン店10選をお届けした。老舗からニューフェイスまでさまざまな店舗がこだわりの一杯を繰り出している。各店がしのぎを削るというよりは、それぞれが独自の味やサービスを追求し、個々に存在感を発揮しているといった印象だ。「ラーメン」と一言でいってもその魅力は無限大。丼の中に広がるめくるめく麺グルメの世界を、ぜひ盛岡の街で見つけてほしい。