カレーファンが “巡礼” する街、神保町
「カレーの聖地」とよばれる神保町には、じつにいろいろなカレー店がある。その理由は、古本屋街としても有名な神保町で、本を片手にささっと食べられるからとか、いくつか聞かれるものの定かではない。全国のカレーファンが “巡礼”する街、 神保町で、絶対おすすめしたい12店をご紹介する。
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神保町で絶対はずせないカレー店 14選(目次)
店舗 | 特徴や内容 |
① ボンディ | 神保町といえば! 殿堂入り欧風カレー |
② エチオピア 本店 | 食後感すっきりの薬膳カレー |
③ 三月の水 | カレー愛が結実した「無水ココナッツカレー」 |
④ jimbocho(ジンボウチョウ) | 店長オリジナルの特製キーマカレー |
⑤ べっぴん舎 お茶の水店 | ワインもきめて!グルテンフリーの薬膳カレー |
⑥ ライスカレー まんてん | 神保町カレーのふるさと的存在 |
⑦ Rスリランカ TOKYO | グルテンフリーの薬膳カレー |
⑧ 共栄堂 | 異国情緒と郷愁が交わるスマトラカレー |
⑨ マンダラ | 本場の北インドカレーを神保町で満喫 |
⑩ ガヴィアル | 気品の香る王道欧風カレー |
⑪ 鴻(オオドリー)神保町店 | 赤と黒が誘う魅惑のスープカレー |
⑫ チャントーヤ ココナッツカリー | 変幻自在のまろやかアジアンカリー |
⑬ マジカレー | カレーグランプリ2回優勝の実力店 |
⑭ 三燈舎(さんとうしゃ) | 滋味深い南インドの素朴なカレー |
2024年 神田カレーグランプリのグランプリ決定戦は11月!公式サイトはこちら。
① ボンディ
神保町といえば! 殿堂入り欧風カレー
1973年創業で、カレー激戦区・神保町のパイオニア的存在。神田カレーグランプリの初代王者かつ食べログ百名店の常連だ。銀の器で飴色に光る香り高い欧風カレーソースは、野菜の甘みとコク、スパイシーな辛みのめくるめく三重奏を堪能できる。
この秘伝のカレーソースをベースに、牛肉を柔らかくなるまで一緒に煮込んだビーフカレー、下味をつけて一日寝かせたもも肉を香ばしく焼いたチキンカレーなどを提供する。
ほかにも具材がゴロゴロ入った甘みのある「野菜カレー」や、エビやイカのプリプリした食感がくせになる「魚介カレー」など、種類は幅広い。
ライスにもこだわり、使っているのはブイヨンスープとバター、ローリエと一緒に炊き上げた特製ライス。また、別添えのじゃがいもは、バターをつけて単独で食べてもいいし、マッシュしてカレーに混ぜて食べたりと、流儀は人によってちがう。
土日祝 10:30-22:00(L.O 21:00)
② エチオピア 本店
デトックス効果も期待できる薬膳カレー
いまや高田馬場や秋葉原に支店をもつ「エチオピア」のはじまりは、ここ神保町。明大通りをくだる途中にある赤い看板が目印だ。
ボンディと同じく食べログ百名店の常連であるエチオピア。神保町のカレーの中でもとくに薬膳の色彩が濃いカレーで、実際、調合している12種類のスパイスは漢方薬にも使われている。
野菜が大量に溶け込んでいるためにしっかりとコクがあるが、食後感がすっきりしているのは薬膳のおかげだろう。辛さはなんと70倍まであるので、辛党はどこまで挑戦するか検討してみて。
ごろっとチキンがインパクト大な看板の「チキンカレー、具材たっぷりでヘルシーな「野菜カレー」、奥深い味わいがくせになる「ビーフカレー」などがある。
小川町駅から徒歩4分
御茶ノ水駅から徒歩5分
[日曜・祝日] 11:00-21:00(L.O.20:30)
③ 三月の水(さんがつのみず)
カレー愛が結実したベトナムカレー
★2023 神田カレーグランプリ 第三位!
人気マンガ「カレーマン」の舞台になっているカレー店で、作品にあるとおり「三月の水」のご主人は筋金入りのカレーマニア。
ベトナムのココナッツカレーと運命的な出会いを果たして以来、現地を何度も訪れてその魅力を探求し、唯一無二の「無水ココナッツカレー」を完成させた。
2023年 神田カレーグランプリ決定戦に出品したのは「無水ココナッツ牡蠣カレー」。マイルドで滋味深いココナッツカレーに牡蠣の旨みと食感がプラスされて、口の中は幸せいっぱいに。(牡蠣が苦手な人むけにシーフードカレーも出品)見事、第三位に輝いた。
なお、2022年に準優勝した「無水ココナッツベトナム豚バラカレー」もぜひ食べてみてほしい。
ボサノバの流れる大人の隠れ家のような空間は、ランチ、ディナーはもちろんバータイムもおすすめだ。
御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口から徒歩5分
18:00~24:00(L.O.23:00) ※予約すれば15:00~も可
④ cafe & dining jimbocho(ジンボウチョウ)
店長オリジナルの特製キーマカレー
★2023 神田カレーグランプリ 優勝!
神保町駅からは徒歩8分のおしゃれなハワイアンテイストのカフェ。パステルカラーの店内にはカウンター席もあり、ひとりでも気兼ねなく利用できる。
ロコモコやポキ丼などのハワイアンフードやパスタも人気だが、チェックしたいのが薬膳カレー。内容は月替わりだから毎月食べにいきたくなる。
チキン、サーモン、帆立など、メインになる具材は月によりさまざまで、それにあわせて薬膳を再ブレンドしたまったく新しいカレーができあがる。
昨年に続き2度目の挑戦となる神田カレーグランプリ決定戦。2023年に出品したのは「ポークスペアリブの薬膳カレー」。柔らかく煮込まれたスペアリブと濃厚かつ爽快な薬膳カレーの競演で、見事ブランプリ(第一位)を受賞した。
神保町駅から徒歩7分
⑤ べっぴん舎 お茶の水店
グルテンフリーのスパイスカレー
★2023 神田カレーグランプリ決定戦 神田カレーマイスター賞受賞!
薬膳カレーの名店で、神田カレーグランプリ 神田カレーマイスター賞受賞店(2023年含め4回)、食べログ百名店の常連、そしミシュランガイド東京掲載店(2021年)。
堂々たる経歴を誇る「べっぴん舎」は、老舗カレー店とワインビストロで経験を積んだご主人が、学生時代の思い出がつまった神保町にオープンしたお店だ。
20種類のスパイスを独自に調合したカレーに、ワインで煮込んだ8種類の野菜の旨味がじんわりと溶け出す。小麦粉を使っていないので、奥行きある味わいながら、食後感がさっぱりしているのが特徴だ。
国産チキンとゴロゴロ野菜の「赤のべっぴん薬膳カリー」や辛党が喜ぶ「黒のべっぴんカシミールカリー」など。2023年カレーグランプリ決定戦は、北海道の美瑛豚を豪快にのせた「べっぴんポークソテーカリー」で勝負を挑み、4回目の神田カレーマイスター賞を受賞した。
御茶ノ水駅から徒歩8分
※当面ディナーはお休み
⑥ ライスカレー まんてん
神保町カレーのふるさと的存在
昭和のまま時間が止まったかのように昔懐かしい店構え。
店の中も然りで、年季の入ったコの字型のカウンター席に座り、学生やビジネスマンがお目当てのカレーが出てくるのを今か今かと待っている。
並カレー、カツカレー、しゅうまいカレー、コロッケカレー、ウィンナーカレー、ジャンボカレー、大盛りカレーのいずれかを注文。どれも500円~700円と、価格にまでノスタルジーがただよう。
ちなみに「しゅうまいカレー」のしゅうまいは、フライの状態で出てくる。この変わらないスタイルがふと恋しくなって定期的に通うファンも多い。辛みはなくひき肉たっぷりの粘度の高いルーは、不思議とくせになるおいしさだ。
水道橋駅より徒歩7分
[土曜] 11:00-16:00
⑦ Rスリランカ TOKYO(アール スリランカ トウキョウ)
豚肉がどん!スパイシーなスープカレー
★2023 神田カレーグランプリ 神田カレースペシャルアワード受賞!
神保町駅から徒歩3分。福岡で行列ができるスリランカカレーの人気店が神保町に上陸。スパイスをたっぷり効かせたスープカレーは、異国情緒ただよう個性的なおいしさだ。
白が基調の店内はカフェのようにおしゃれで、女性の一人でもふらっと入りやすい。
店の一番人気は「豚肩ロースステーキカレー」。2023年 神田カレーグランプリ決定戦の出品メニューだ(神田カレースペシャルアワード受賞)。
写真は豚肉レギュラーサイズで、よく見ると豚肉が2段になっている。ものすごくボリュームが大きいので、おなかと相談してハーフサイズを検討してもいいかも。
さらさらタイプのスープカレーで、さまざまなスパイスが融合することにより、独特で複雑な味わいを醸している。ランチタイムは、カレーもご飯もお替わり無料という大盤振る舞いが好評だ。
※日曜は昼のみ営業
⑧ 共栄堂(きょうえいどう)
異国情緒と郷愁が交わるスマトラカレー
大正13年に創業した神保町カレー界きっての老舗。明治の終わりに伊藤友治郎氏が東南アジアを遊学して伝えたスマトラカレーを、今も大切に受け継いでいる。
2019年よりほぼ毎年食べログ百名店に選ばれている神保町きってのカレーの名店。
カレーソースは水を一切使わないが、野菜から出る旨みたっぷりの水分でさらりとした口あたり。そこに1時間かけて炒めた20種類の香辛料がさわやかな辛みと深みのあるほろ苦さをを加えている。
ちなみにスマトラカレー特有の黒褐色は、スパイスをじっくり煎ることで生まれる色なのだそう。
⑨ マンダラ
本場の北インドカレーを神保町で満喫
北インド出身のシェフが本場のインドカレーをふるまう「マンダラ」。第2回神田カレーグランプリで見事優勝した経験ありで、2023年は食べログ百名店に選出。
たっぷりの香辛料を香り高く炒めたカレーはしっかりスパイシー。そこに歩調を合わせるかのようなクリーミーでまろやかな味わいもくせになる。
一番人気は定番の「チキンバターマサラ」で、スパイスの風味とトマトの酸味があとをひく。ほくほくした食感が楽しい「豆カレー」や、素朴な甘みの「ベジタブルカレー」もいちおし。カレーの種類により香辛料を使い分けており、違った味わいを楽しめるのもポイントだ。
ランチセットは平日だけでなく土日もあるのがうれしい。3種類のランチセットの中で一番人気は、選べるカレーとナン・サフランライス、ヨーグルトがつく1,320円(税込)のセット。
[ディナー] 平日 17:00-23:00(L.O 22:00) 土日祝 11:00-22:00(L.O 21:00)
⑩ ガヴィアル
気品の香る王道欧風カレー
1982年創業の欧風カレー専門店。店内はクラシックが流れる落ち着いた雰囲気で、女性一人での来店やビジネスランチでも使いやすい。
創業当時から継ぎ足す秘伝のカレーソースは、オリジナルのペーストが味のきめて。一日かけて茹でた大量の玉ねぎに、28種類の香辛料や香味野菜を加えてバターで炒める。これがガヴィアルのカレーならではの独特のコクと旨みを引き出している。
柔らかく煮込んだ和牛や国産豚、旨みを閉じ込めながらソテーしたエビやホタテ、皮目を香ばしく焼きあげたチキンなど、トッピングの具材へのこだわりも一級。とろとろのチーズをのせればマイルドでとろける味わいがさらに加速する。
伝統の味とシェフのプライドが光る王道欧風カレー、ぜひお試しあれ。
[土日祝] 11:00-21:30(LO 21:00)
※売り切れ次第終了の場合あり
⑪ 鴻(オオドリー) 神保町店
赤と黒が誘う魅惑のスープカレー
小さな入り口から風情ある木造の建物の中に入ると、著名時の色紙がずらり。ファンが足繁く通うそのお目当ては、スパイシーな辛さが痺れるスープカレーだ。
カレーは豚骨がベースの黒スープとチキンがベースの赤スープのいずれかをチョイス。具材は野菜、チキン(骨付きor骨なし)、ハンバーグ(数量限定)が定番だ。
辛さは4まで調整可能で1でも中辛程度。自分好みにカスタマイズできるのが楽しい。カレーは野菜や玉子などデフォルトの具材が充実、ごはんお替わり無料なのでおなかいっぱい食べられることもうれしい。
※ 鴻(オオドリー)神田駿河台店もあり。
御茶ノ水駅から徒歩9分
⑫ チャントーヤ ココナッツカリー
変幻自在のまろやかアジアンカリー
老舗ひしめく神保町にすい星のごとく現れたカレー界のニューフェイス。日本人好みに仕上げた優しい味わいのココナッツカリーは、アジア料理が苦手という人もぜひ一度食べてみてほしい。
特徴的なのはバラエティ豊かな具材とその掛け合わせ。
一番人気の「チャントーヤカリー」は、チキン、なす、たけのこと王道だが、ほかに豆腐、きくらげ、ベーコン、トロすじなど、意外なトッピングがせいぞろいする。食べてみるとどれもおどろくほどココナッツカリーと相性がいい。
期間限定のココナッツカリーも登場するので、行くたびに新しい味に出会えるお店だ。
御茶ノ水駅から徒歩5分
新御茶ノ水駅から徒歩3分
土日祝 11:00-21:00
⑬ MAJI CURRY(マジカレー)
カレーグランプリ2回優勝の実力店
2018年と2022年の2度、神田カレーグランプリで優勝した実力店。幼少期からのカレー好きが高じてカレーの聖地・神保町に店をオープンしたご主人だが、その道のりは平坦ではなかった。
世界各地を巡り、異国のスパイシーなカレーと日本ならではの煮込み系のカレー、両方の魅力を再確認したのちに帰国。2つを融合したオリジナルカレーの開発を試みるも思うようにいかず。三ツ星レストランを渡り歩き、フレンチの名シェフから技を享受して試行錯誤の末に作りあげたのが、今や海外にまでファンを広げる「マジカレー」だ。
カレーへの愛情は今も薄れることなく、100時間の手間ひまをかけて大切に作る。
定番は、濃厚なチーズフォンデュソースと手ごねハンバーグが至福の「グランプリカレー」。また、「特製ビーフカレー」に野菜トッピング、「オムカレー」に豚カツトッピングなども可能なので、その日の気分でカスタマイズを楽しんでみて。
御茶ノ水駅から徒歩5分
[日曜・祝日] 11:00-16:00/17:00-21:00
⑭ 三燈舎(さんとうしゃ)
滋味深い南インドの素朴なカレー
新御茶ノ水駅から徒歩3分。白壁の外観が印象的な三燈舎は、“南インドの軽食と定食” を真心こめて提供するレストラン。
某有名グルメ番組に出たことで人気に拍車がかかったが、店にながれるゆるりとした空気感は変わることがない。ちなみに店名の語源である Santosham は、シェフの出身地マラヤーラムの言葉で「幸せ」を意味するのだそう。
現地のスタイルでいただくランチミールス(平日のみ)は、その日のカレーやスープ、それに豆を挽いて焼いたパパドなどがセットになる。
どれもスパイスが引き立つ雑味のない味わいで、食べたそばから体内がデトックスされるようだ。シェフの優しさが染み出るような素朴さと、どこか上品さも交わる、一度食べるとまた食べたくなる不思議なカレー。
御茶ノ水駅から徒歩5分
百花繚乱! 神保町カレー
「カレーのメッカ」といわれる街は案外いろいろあるが、なかでも神保町は別格の存在だ。老舗の欧風カレーから新風をもたらすアジアンカレー、体の芯まで染みる薬膳カレー、現地の味を満喫できるインドカレーなど、種類もたくさんあって楽しめる。街自体も味わい深く魅力たっぷりの神保町に何度でも訪れて、心底惚れるお気に入りのカレーに出会ってほしい。(執筆者:めしレポ編集部)