市ヶ谷の人気居酒屋おすすめ9選【個性豊か】

幅広い層の人と店の馴染む市ヶ谷エリア

市ヶ谷孫四郎の領地があった。四谷のうち一番目の谷のため。など、名前の由来に数多くの説がある町、「市ヶ谷」。

明治時代より、品のある閑静な住宅街を指した「山の手」の一つとして数えられ、今でも高級住宅街としての顔を持つ一方、中央大学をはじめ「市ヶ谷キャンパス」を持つ総合大学が多いことや、「大日本印刷」をはじめとする企業、囲碁の総本山である「日本棋院」など、多様な性格の施設が存在している。

様々な人がいればさまざまに発展するのが食である。ここ市ヶ谷も例にもれず、多種多様なジャンルの飲食店が営業をしている。
この記事は、そんな中でも特に多種多様なスタイルが存在する居酒屋に絞り、おすすめのお店を10店舗紹介する。

市ヶ谷のおすすめ居酒屋9選（目次）

①北海道はでっかい道 オホーツクの恵み 湧別町 市ヶ谷店

北海道庁運営 旨い幸ででっかい飲み

「北海道はでっかい道 オホーツクの恵み 湧別町 市ヶ谷店」と、これが公式の店名である。東京に2店舗千葉に1店舗を展開する北海道はでっかい道さん。企画居酒屋めいた店名だが、その界隈の居酒屋とは企画者の規模が段違い。なんと驚く北海道庁農政部食品政策課が運営する居酒屋である。

市ヶ谷の駅前から新宿通りへとつなが市ヶ谷駅南側のメインストリートである「日本テレビ通り」のビル2階にあるこのお店、北海道のうまい食べ物を海から山まで満喫できるとして人気だ。

ホッケや塩辛など、定番かつ北海道のイメージのあるメニューはもちろん、鮭とばやザンギのような北海道居酒屋ならではのメニューに、ジンギスカンや紋別産のゆで毛ガニなど、食事処としてもあがるような北海道メニューが盛りだくさん。

お酒が飲めない日でも、「どさんこ晩ご飯」メニューの海鮮丼や「牛とろ丼」など、広大な北海道を味わうことができる。ぜひ予約してでっかい飲みを体験してみてほしい。

②あて 煮込 肴

古民家に見合う、良いあてで日本酒を

市ヶ谷で飛び切りレトロな雰囲気を醸し出す古民家居酒屋が「あて 煮込 肴」さんである。駅から徒歩3分の好立地、日本大学の施設などビルの立ち並ぶ中に存在する一軒の古民家を居酒屋として再生したこのお店。現代にいながらまるで昭和以前に戻ってしまったかのような錯覚にも陥るような雰囲気満点な店内で頂けるのは、日本酒を主役とする最高のアテの数々である。

店名にもあるように、看板メニューは食材の芯に味が染みるまで炊きあげられた煮込メニューと、全国から集まる旬の鮮魚メニューである。
特に三大名物とされる牛すじ豆腐・田舎肉じゃが・鰯の梅煮はぜひ味わっていただきたいところだ。

思わず白米を頼みたくなってしまうようなおかず力にあふれる魅力的なメニュー群だが、そこはこのお店の主役である日本酒でいただきたい。土曜日限定ながら、豊富な日本酒メニューを2時間1500円の飲み放題で楽しむこともできる。
旨味と塩気をおすすめの日本酒できゅっとやるのにこれほど適したロケーションもないだろう。お酒好きなら一度は訪れてみてほしいお店の一軒だ。

③ボスボラス ハサン 市ヶ谷店

本物のトルコ料理を手ごろに

世界三大料理をご存じだろうが。世界でも特に知られ、親しまれている料理として知られるそれには、中華料理・フランス料理ともう一つ「トルコ料理」が挙げられるが、日本人からするとこのトルコ料理、あまり親しみがないのではないだろうか。

10億人を超える人口を誇り、広い国土でさまざまに発展した中華料理。西洋で食文化の中心を形成し、テーブルマナーの随所に影響を与えたフランス料理の2つにトルコ料理が肩を並べる理由として、トルコ料理から食文化に影響を受けた国の範囲の広さにある。オスマン帝国の領土拡大とともに伝わったそれは、中東アジアや北アフリカなどで広く愛されている。

日本では20世紀末ごろに繁華街で見られるようになったケバブのイメージが先行しているが、トルコ料理の魅力は焼いた肉のみではけしてない。そんな、本来のトルコ料理の魅力を味わえるHALALにも従ったお店が「ボスボラス ハサン 市ヶ谷店」さんである。

ドネルやシシカバブなど、見慣れてきたトルコの肉料理はもちろんのこと、「フムス」「アジル エズメ」などのトルコ料理特有のペーストサラダなど、本格派のメニューも数多くそろう。この店に行きさえすれば「おいしいトルコ料理を食べた」と胸を張れてしまうほどである。

④金市朗 市ヶ谷店

炉端・炭火焼きかおる店

市ヶ谷駅南側から徒歩3分、日本テレビ通りが斜めに曲がる外側の角のグルメビル、GRMS市ヶ谷の6階に入っている炭火焼き、炉端焼き推しの居酒屋が「金市朗 市ヶ谷店」さんである。

金市郎グループは、宮城は仙台を中心に展開する地域密着型の居酒屋グループ。石巻港をはじめとする三陸の海の幸や、仙台名物である牛タンなどで人気のお店だが、東京で金市朗の名を冠したお店は市ヶ谷にしか存在しない。そしてもちろん自慢は定置網漁で水揚げされる三陸の鮮魚と牛タンの炭火焼である。

ドリンクの取り揃えも宮城金市朗さながらの宮城の地酒メニューに、仙台秋保醸造所の秋保ワイナリーが揃えたワインリストにも要注目。金市朗さんの地元愛に応えるかのように質の高いお酒があつまっている。料理からお酒から東北を感じられるこのお店、予約できる機会があればぜひ試してみていただきたい。

⑤刀削麺・火鍋・西安料理 XI’AN 市ヶ谷店

最強刀削麺チェーン、麻辣の実力

「刀削麺・火鍋・西安料理 XI’AN 市ヶ谷店」さんは、東京で10店舗以上展開している西安料理のお店である。
定義の曖昧な西安料理だが、特に四川料理とイスラム圏の料理の影響を大きく受けているとされ、四川の麻辣味と、イスラム教のハラル肉として用いられる羊肉や牛肉を用いることが特徴的である。

西安の名物料理である火鍋や刀削麺も看板メニューとして提供されており、これらを調理するのは本場西安の調理師たちである。特級調理人や一級麺点師と呼ばれる一流の調理人たちが腕を振るう厨房から届けられる料理はコスパ抜群のおいしさだ。

ランチでは1000円を切る定食や刀削麺メニューもあり、都内のランチスポットとしての人気も高い。夜の飲み放題付きのメニューも魅力的だ。

⑥みやらび

老舗のおちついた雰囲気の店内でいただく本格沖縄料理

東京で味わえる老舗沖縄料理屋。という存在は希少であるだけに、口コミサイトなどではそれだけで評価されてしまいがちだが、その中でも「本当に美味しい」とされるうちの一軒が「みやらび」さんである。
みやらび、とは沖縄弁で「美しい女子」とのこと。東京にこの名を冠する沖縄料理店は複数あるものの、それぞれ全く別のお店であるためご注意いただきたい。

当時沖縄はまだまだアメリカ統治下の1950年代創業と東京の沖縄料理屋でも歴史が深く、磨きこまれたカウンターには老舗ならではのつや感と落ち着きがある。店の奥側には掘りごたつ席があり、家族や仲の良い連れと少人数でゆっくり楽しむシチュエーションに最適である。

近年増えつつある「沖縄料理飲み屋」と違うのは、料理そのものを楽しむ味付け具合にある。主食を食べず、沖縄っぽくかつ濃い味付けで酒が進むものを注文するような飲み方ではなく、美味しいお食事を引き立てる名脇役としてお酒を頂きたいお店。
沖縄料理店らしくビールはオリオンビール。泡盛の取り扱いにも優れているお店。食べるもの飲むものすべてで上等な沖縄を味わうことができる。

⑦スタンドバーサカグチ

酒の坂口が運営、現代風角打ち

時間に余裕があれば、四ツ谷駅にほど近い「スタンドバーサカグチ」さんまで足を延ばしてみることもおすすめしたい。
大正9年創業、会社としての歴史も70年近い酒屋である「株式会社 坂口」が運営する現代版角打ち的なこのお店は、「つくり手・売り手・飲み手の気持ちになる」ことをモットーとして掲げる坂口さんの、気軽にお酒を楽しんでほしいという思いが随所に感じられる人気店である。

酒屋直営だからこそ可能な4種の生ビール提供、1合だけでなく半合でも提供され、気軽に飲み比べをすることができる常備酒、季節に合わせて取り扱われるおすすめ日本酒、凍らせた焼酎を氷の代わりに入れるみぞれサワー等、幅広いお酒の楽しみ方が、立ち飲みスタイルで手軽にできてしまうのである。

お酒が手頃でもあてが高価ではしょうがないが、スタンドバーサカグチさんでは冷奴や鶏の唐揚げのような定番から、厚切り牛タンやカツオのたたきのようなあると嬉しい主役級のつまみまで、平均して400円ちょっとぐらいの手軽さで提供がされているからお財布にもうれしい限り。

1000ベロも可能。2000円あれば十分満足な飲みを楽しめるはず。立ち飲み初心者にもやさしい雰囲気のお店なので、楽しく飲みたいすべての方に気軽におすすめしたいお店である。

⑧エルチリンギート

南スペインの熱気とスペインワインの香り

スペイン料理と聞いて思い浮かべるイメージはどのようなものだろうか。パエリアや煮込み料理など、トマトを使ったオレンジ色の料理で、朗らかな人々と太陽。地中海の風温かい陽気なイメージだろうか。

「エルチリンギート」さんは、市ヶ谷駅出口から橋を渡った側、ビル1階にて営業している南スペイン料理を提供するワインバーである。
「el chiringuito」とはビーチバーのことで、ややイメージは変わってくるがこのお店のコンセプトは「海の家」とのこと。

テレビでも紹介されたことのあるこのお店のこだわりは、現代的なエッセンスを取り入れた南スペイン料理と、それに用いられる魚介類の鮮度である。
特に貝やエビが主役となるパエージャ(パエリア)はそのすべての要素が味わえる、目にも楽しいおすすめメニューだ。相性抜群のスペインビール・ワインとともにいただきたい。

⑨お好み焼き文字平

鉄板料理と地鶏料理で乾杯

東京メトロ有楽町線麴町駅からすぐ、JR市ヶ谷駅から徒歩10分弱の千代田区二番街に構える、銘柄鶏の親子丼で人気のお店が「お好み焼き文字平」である。
福島の地鶏「伊達鶏」を使った料理が自慢のこのお店。ランチの時間帯は鉄板を使わない伊達鶏のランチメニューが価格以上のクオリティで人気。

しかしながら、文字平さんはお好み焼きのお店である。スタンダードなお好み焼きからもんじゃ、関西によくみられるネギ焼きや、鉄板デザートのあんこ巻きまで、幅広くカバーするこのお店の本領は3500円までのコースメニューだろう。
一品料理に始まり、鉄板焼き、お好み焼き、鶏ちゃん焼き、焼きそばにデザート等々…香ばしいメニューの数々をこれ以上ないほど満喫できる。
飲み放題メニューも予約をしていけば二時間1500円。税込5000円で満足の鉄板飲みができること間違いなしだ。

まとめ

多様性あふれる住民、利用者に合わせて、食文化にも都内屈指の多様性を見せる一方、全体的にどこか高級感の漂う町、市ヶ谷。
そんな市ヶ谷にて美味しいお酒を飲むのにおすすめしたいお店を10店舗紹介した。

北海道から沖縄までの地域の素材・料理を取り扱うお店から、スペイン・トルコ・西安料理のような世界の料理のお店まで、個性豊かな店が多数営業している市ヶ谷で、お気に入りのお店を見つけるお手伝いができたなら幸いである。